
中韓首脳会談が行われました。
去年の9月、国連総会で尖閣の領有権を巡り日中が意見の応酬をしたことはご記憶されている諸兄が多いと思います。これに先立ち中国は韓国とロシアに領土問題での共闘を呼びかけましたが、ロシアは返事をしないなか、韓国は共闘しました。
習近平も、朴槿恵も、訪米してオバマ大統領と会談し、日本外しを唱えましたが、拒否されていました。
その二人が会うと言うのですから、反日のどのような合唱がなされるのか、興味深く待っていました。が、共同声明の内容は、日本を直接名指しするものでもなく、野蛮な両国にしては、予想に反した珍しく大人しいもので、拍子抜けしました。と同時に、ひっかかるものも感じました。そんな視点で報道を観てみると、朴槿恵の憐れというか不憫というか、不運というか、独り大国の間で波にもまれれ翻弄される姿が見えてきました。
米国での首脳会談で、オバマ氏に両国ではない第三国の日本への歴史認識批判を訴え、反日行動の共闘を訴えようとしました。潜在的にはオバマ氏も日本の歴史認識に不満は持っていますが、同盟を重視し逆にたしなめられてしまいました。
そこで、国連で領有権で共闘した中国に、絆(?)を深めようと、日本をパスして訪問したのですが、北の対策も含め、良い様に利用されてしまったようです。
韓国の朴槿恵大統領は27日、訪中し、習近平国家主席と初の首脳会談を行った。中韓ともに日本と領土、歴史問題で摩擦を抱える中、両首脳は、日本をさしおく形で蜜月ぶりを誇示し、北朝鮮問題や域内対立の解決を主導していく姿勢を鮮明にした。 (北京 豊浦潤一、竹内誠一郎)
「歴史問題で域内国家の対立と不信が深まっている」
「域内の信頼と協力の構築という共通目標を達成するための努力で合意した」
中韓首脳会談後に発表された共同声明は、日本との摩擦を念頭にしたとみられる文言が盛り込まれた。
習主席は共同記者会見で「(中韓は)相手の核心的利益と関心を互いに尊重する」と述べた。
<中略>
北京やソウルの外交消息筋によると、中国側は会談の事前折衝で日本との領土問題や、日本の「歴史認識」を議題に盛り込むよう主張。「対日共同戦線」に韓国を取り込もうとした。中国は、日本のポツダム宣言受諾で尖閣諸島は中国に返還されたと主張し、日本の同諸島国有化は「戦後の国際秩序に対する挑戦」と批判してきた。朴氏は、オバマ米大統領との5月の首脳会談で「日本は正しい歴史認識を持つべきだ」と対日批判を展開。韓国も戦後、竹島を占拠しており、「共同で日本に圧力をかけられる」(中国筋)と踏んだ。
ただ、韓国側は態度を徐々に変化させてきた。「第三国の話題はふさわしくない」と難色を示し、逆に自国がホストの日中韓首脳会談開催に「努力する」との文言を盛り込むよう提案した。
「日中の対立に介入して中国の肩を持てば日韓関係の根幹が崩れ、北朝鮮の核保有阻止のための日米韓連携にもひびが入る。米国との同盟関係を通じてつながる日本に圧力をかけるのとは全く違う」と韓国外交省当局者は説明する。
一方で、韓国は中国と主張を共有できる「歴史問題」については、声明で明確にクギを刺した。
<後略>
読売の記事も、威勢のいい見出しに比べ、朴槿恵政権の悩みの方が深刻な記事内容です。
国連で既に共闘していたのですから、中国が期待して、更に対日攻勢を強めようと、韓国を取り込もうと国賓待遇で歓待したのは当然です。中国の重要な外交戦略として、日米韓の連携を崩すことがあるのは衆知のことですね。
流石の朴槿恵も、ふと気づいて、一方的に中国への肩入れをすることに躊躇したのですね。
産経が、その辺りをズバリと報じています。
中韓首脳会談後の27日夕に発表された共同声明で、名指しこそしていないものの日本の「歴史認識」が問題視された。韓国側が同日午後にメディアに配布した“原案”になかった表現で、中国側の強い意向で入れられた可能性が高い。中韓関係筋は「声明の内容をめぐり発表直前に激しいやり取りがあった」と証言する。
昨年11月に発足した習近平指導部は日本との対決姿勢を強めており、第二次大戦の戦勝国を軸に歴史問題で対日包囲網をつくろうとした。共産党筋によれば、習主席はこれまで、ロシア(3月)と米国(6月)を訪問した際に、米露に対し歴史問題で日本を牽制する内容を共同声明に盛り込むように要請したが、いずれも拒否されている。
今回の声明で、日本を名指しで批判できなかったことは中国にとって不本意だが、“反日仲間”を得たことは、ひとまず目的を達成したといえる。
一方、韓国の場合、朴槿恵大統領が5月の米韓首脳会談で、当事者ではないオバマ米大統領に対し、日本が「正しい歴史認識」を持つことが重要だと発言した経緯がある。米国はその後、韓国に「突出した日本批判を避けるよう強く働きかけてきた」(日米外交筋)とされる。
このため、韓国側は今回、共同声明に「日本」を盛り込むことに消極的だったとみられるが、中国側の要望を受け入れた意味は小さくない。朴大統領が一方的に語った訪米時とは違い、今回は米国の働きかけを無視して文書化された。
日本政府筋は「朴政権が日米韓の枠組みを脱し、米中韓の枠組みを選択したことを意味する」との見方を示す。今後、歴史認識などをめぐり、中韓が連携して日本を非難する場面が増えそうだ。(北京 矢板明夫、加藤達也)
読売の記事の中では、米国との同盟関係の中で日本に圧力をかけることと、中韓関係の中で中国に一方的に味方することとの違いは大きいと自覚している様子が書かれてあります。
にも関わらず、産経が指摘するように、米国の忠告に反して、中国と口をそろえて歴史認識で日本批判をしてしまいました。
朴槿恵氏が掲げる、北東アジア諸国の信頼構築を図る「北東アジア平和協力構想」か、朝鮮半島の対北政策で主導権を持とうとする「朝鮮半島信頼プロセス」か、何か解りませんが、韓国の存在を高めようとあせる、具体性のないスローガンで、米中の大国の間で揺れ動いています。米中韓との連携を強化しこれらのスローガンを達成しようとの目論見でしょうか。盧武鉉が北東アジアのバランサーをめざした「均衡論」を想いだします。
米中の基本的政策がことなりながら、利害の一致する点を模索する高度な関係の中、翻弄されることこそあれ、韓国が主導権はとれません。中国にいいように利用されるだけです。それが気づかないのは、長い歴史の中で、中国の侵略から身を護るために染みついた中国の属国として傅くDNAなのでしょうか。
主要課題だった対北対策についても、これ以上北を刺激したくない中国の思惑に嵌められた会談結果となった様です。つまり、主導権を持ちたかったが、中国のペースに従わさせられた。
【中韓首脳会談】韓国を引き寄せ 対北で主導権狙う中国 - MSN産経ニュース
政権誕生早々から組閣に手間取り、北の暴挙に遭い、円高・ウォン安に陥り、父への親日批判を背負い、支持率が低迷する朴槿恵。両親を凶弾で失ったなかから今日までたどり着いた朴槿恵。悲運が付きまとい、可哀そうにもおもいますが、それは実力の内。
地勢上、大国の顔色をうかがいながら世渡りをせざるを得ないとはいえ、旗色の軸がブレては国の運命は危うくなります。
遊爺はもうさようならと言った朴槿恵。記事に良識派の発言がありましたが、そういった勢力の方々の中から、韓国の政治を担う方が出て来ることを待望しています。
さようなら 朴槿恵 - 遊爺雑記帳

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中韓の「反日」による日本に対するストーカー紛いの付き纏いは、火病としか言いようがありませんが、竹島に飽きたらず、対馬をも侵略しようとしている韓国、そして中国は、領土国境線の歪んだ拡張によって領土上のグレーゾーンが増えているという事で、国境をめぐる衝突によって敵の軍・官憲の犯罪、あるいは、日本の国益の毀損行為が起こりやすい情勢にあると思います。
だから、会談をした双方は、法の支配に関する議論などはしていないでしょうね。法曹上の協調による国際法の支配が、日本にとっては重要となって来ると思います。海賊国家にはできない事というもので、敵対陣営の拡張に対抗するに、右傾化する事は、戦前のファシズムが醸成された情勢に近いが、社会と政界との分離は、どこかの宇宙人ではありませんが、国家の統率を弱め、国境をグレー化させると思います。組織票が決し、浮遊票が死ぬ情勢というのは、政界支配にとっては都合が良いのでしょうが、長い目で観れば政治を孤立させ、国益と支配を護る力において、国家を弱体化させるものではないかと。
「火病」と言う言葉は、初めて知りました。アメリカ精神科協会では、火病を朝鮮民族特有の文化依存症候群の一つとして精神障害の診断と統計の手引きに登録されているのだそうですね。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%81%AB%E7%97%85
つまり、朝鮮民族(南も北も?)特有の文化依存症候群(文化依存症候群自体は日本にもある)だと、国際的に認知されているのですね。
貴重な知識を教えていただき、ありがとうございます。これから多用させていただきます。
>火病
韓国人など反日勢力の、行動がいつまで経っても、日韓対話に向かわない事から、称された主に非韓勢力側からの認識だと思います。韓国のロビー活動は、アメリカという新天地に至っても、いにしえの反日歴史観の押し売りによる、ゆがんだ精神の荒廃を表出させている。朴大統領は「恨(はん)」による反日ロビーを承認するような講話を発表しましたが、アメリカの人々との、融和に対して、間違った歴史認識を流布する精神の軽薄さに対する蔑称でもあるのでしょう。とりわけ、韓国ロビーは若い人々も主体的に関わっているので、戦争の後に育った戦後世代ですらない、戦争を知ろうとしない愚かな若年層だと思います。韓国は歴史から学ばない、という所見は色々なブログでも散見しますが、政治の中でも、外交に関わらせる事が危険を招く民族なのではないかと思います。いわゆる、韓(はん)流などの韓国メディアの取引においても、韓国とは大衆化を進めながら、反日閥で席巻される知識層などの主導による知識改革が望めない事を観れば、日本にとっての敵であり続けるのが、韓国であると思います。ご指摘されているように、「南も北も」という事ですが、火病とは個の思惑を表現するにおいて、言論による暴力などの犯罪や誤った煽動を指すものゆえ、エリート層ではなく、大衆層がもたらす危機だと思います。愚考失礼しました。
補足ご説明をいただきありがとうございました。