遊爺雑記帳

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米・AP通信と中国・新華社が業務提携強化 上下両院の超党派議員や米国政府が懸念

2019-01-02 23:58:58 | 米国 全般
 米国の民間通信社、AP通信が、中国の国営通信社である新華社との業務提携を強化したのだそうです。
 この提携強化は中国政府のプロパガンダ工作に利用される恐れがあるとの懸念から、米国連邦議会上下両院の超党派14議員は連名で懸念を表明し、AP通信に提携の内容を公表するよう求めたのだそうです・
 また、米国政府は新華社を中国共産党政権の対外宣伝工作機関であると断じ、米国での活動内容を司法省に届け出させる新たな措置をとったのだそうです。

 
米国議会で広まる中国国営メディア規制の動き 超党派の14議員が米AP通信と新華社の業務提携拡大に懸念を表明 | JBpress(日本ビジネスプレス) 2019.1.2 古森 義久

 米国の民間通信社、AP通信が、中国の国営通信社である新華社との業務提携を強化した。しかし米国では、この提携強化は中国政府のプロパガンダ工作に利用される恐れがあるとの懸念が出ている

 米国連邦議会上下両院の超党派14議員は、AP通信と新華社の業務提携に対する懸念を連名で表明し、AP通信に提携の内容を公表するよう求める書簡を送った。この異例の動きは、米国政府の新華社への警戒の強まりを反映している。最近、米国政府は新華社を中国共産党政権の対外宣伝工作機関であると断じ、米国での活動内容を司法省に届け出させる新たな措置をとった

■米国政府は「新華社は報道機関ではない」
 2018年12月19日、米国議会の下院のマイク・ギャラガー(共和党)、ブラッド・シャーマン(民主党)、上院のマルコ・ルビオ(共和党)、マーク・ウォーナー(民主党)ら超党派の合計14人の議員は、AP通信のゲイリー・プルイット社長あてに書簡を送り、同社が11月に発表した新華社との業務提携・協力の拡大合意の内容を明らかにすることを求めた。

 ・
新華社は米国内でも中国共産党のプロパガンダ機関として機能している。さらには、米側の情報を集める諜報機関としての機能も果たしている。その任務には、外国の報道機関への宣伝の浸透と影響力の行使も含まれる。
 ・
米国政府は新華社のそうした機能や任務を重く見て、最近、米国における「外国代理人」に認定した。その結果、新華社は報道機関ではなく中国政府の政治活動団体とみなされるようになった。
 ・AP通信は、中国政府機関である新華社との提携を強化することによって、中国側からの宣伝が浸透し、影響を受ける可能性が高くなる。この可能性は米国の国家安全保障にも関わるため、
AP通信は新華社との提携内容を公表すべきである。

 以上の趣旨の書簡の意義について、共和党のギャラガー議員は「中国政府の政治宣伝機関である新華社は、事実に基づく報道をする他の諸国の一般ニュースメディアとは根本から異なる。新華社と米国の報道機関との提携は、米国の国益や、共産党の弾圧に苦しむ中国国民の利益に反するおそれがあるため、その内容の透明性が欠かせない」と述べた。

 
民主党リベラル派として知られるシャーマン議員は、「新華社が米国内の支局や通信員を使って、米側の秘密情報を集める諜報活動に関与してきたことは立証されている。新華社がAP通信からどれほどの協力を得るかについて公表は必要だ」と語った。

■中国政府の言論統制は既知の事実
 新華社側の見解としては、AP通信との提携強化を発表した11月に、蔡名照社長が「新メディア、AI(人口知能)、経済情報などの領域に新たに重点を置いて、提携を拡大していく」と語っている。

 AP通信側は「今回の合意は、長年の提携内容からとくに変わったことはなく、APの報道の独立性が侵されることはない」と述べており、提携強化の内容を公表するかどうかは言明していない。

 だが、
米国では民間からも懸念の声があがっている。人権擁護団体の「全米民主主義財団」のクリス・ウォーカー代表は、「中国政府が言論の自由を制限していることは周知の事実であり、その中国政府のプロパガンダ組織と提携する民主主義国のメディアは自己検閲や中国の政治宣伝の拡散に陥る危険を冒すことになる」と述べた。

 
今回の米国議会の動きは、最近の米国の中国に対する新たな対決姿勢の一環とも言える。特に、トランプ政権に反対する民主党議員たちまでが共和党議員と歩調を完全に合わせて、中国の国営通信社への不信や警戒を示している点が注目に値する。なお日本では、共同通信社が新華社通信と長年、提携・協力の関係を保っている。

 中国は、米有力紙に記事と紛らわしい全面広告を載せプロパガンダを実施していて、経営が苦しい各社にとっては、有りがたい広告収入となっているといった話は、10年前あたりから耳にしていました。
 「三戦戦略」の内の「世論戦」のひとつですね。
 それが業務提携の強化にまで侵食されようとしている。
 
 米国政府も、新華社を中国共産党政権の対外宣伝工作機関であると断じ、米国での活動内容を司法省に届け出させる新たな措置をとったと。

 日本でも、例えば、TBSのワイドショー番組(「ひるおび」)では、北朝鮮のプロパガンダ放送を、まるごと右から左に取材ニュースの様にして流しているケースが見られます。
 新華社通信とは、日本では共同通信社が長年、提携・協力の関係を保っているのだそうです。

 米国の対中姿勢の硬化は、諸兄がご承知の通りで、遊爺も何度か触れさせていただいていますが、議会と政府、与野党を問わず一致した方向で進められています。
 日本では、偏向オールドメディアの打倒安倍政権批判に野党がその下請け行動を国会で演じるといった、政策では無く政局の為の重箱の隅つつきが続いています。

 中国の「世論戦」の魔手は、当然日本にも伸びているのですが、見えてきません。
 警戒意識した目配りが必要ですね。



 # 冒頭の画像は、尖閣沖の中国艦船
  尖閣周辺 中国船4隻が航行 6日連続で確認 - Sputnik 日本
  中国政府の船舶等による尖閣諸島近海での挑発行動 - 尖閣諸島|内閣官房 領土・主権対策企画調整室
  



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