G8のカンカラ菅は、各国首脳からお見舞いの言葉と、混乱の中での秩序ある被災地の方々の行動への賛辞や、優先されたスピーチ順など注目を浴び、カンカラ菅が賞賛されたわけでもないのに、満面の笑みが絶えません。
カンカラ菅の演説には、質問などもなく事故被害は継続中であることから、むしろ冷やかに聞き置かれたといった雰囲気なのだとか。(日本テレビ・青山氏の現地レポート)
国際公約を、帰国後どれだけスピーディに行動に移せるかが注目されています。
事故発生国の日本以外の原発推進国では、韓国、中国の安値攻勢から原発ビジネスでの主導権を取り戻して自国の展開を有利にすべく、「安全基準の制定」の主導権争いを展開しているのだそうですね。
仏が開発した次世代原発の加圧水型炉(EPR)は安全性を高めた為、建設コストが割高となり、後発の韓国や中国に競り負けるようになっていたのだそうです。
米国製の福島の原発より、フランス製がより安全だと攻勢をかけるため、ハードルの高い国際基準を設定しようと提唱しているようですね。
G8サミット最初の催しとなった26日の昼食会では、各国の首脳から菅直人首相へのお見舞いの言葉が相次いだ。だが連帯ムードの陰では、原発事故を自国の原子力産業の追い風に利用したい国と、脱原発にカジを切った国が、激しい火花を散らしている。
原発を今回のサミットの主役に据えたのは、議長として議論を仕切るフランスのサルコジ大統領だ。
東京電力福島第一原発の事故を受けて、菅首相に昼食会の冒頭で発言するよう依頼。昼食を終えて最初に討議するテーマに「原発の安全性」を選んだ。
日本側の説明では、「原子力は必要不可欠なエネルギーだ」という発言もあれば「それぞれの国にはそれぞれのアプローチがある」との発言もあったという。
大統領は、サミヅト前日の25日にも菅首相と会談。「原発推進か、脱原発かの二者択一ではないはずだ」。原発の安全性を高める方向で、共同宣言をまとめる意欲を示していた。
サルコジ大統領は、G8の合意を弾みに、世界共通の原発の安全基準づくりで主導権を握りたい考えだ。当面の焦点は、6月下旬の国際原子力機関(IAEA)の閣僚級会合。世界有数の原子力産業を抱えるフランスには、米国やロシア、日本をも巻き込んで厳しい安全基準を定め、価格競争で優位に立つ中国や韓国に対する競争力を高めたいという思惑がある。
輸出狙うロシア
原発に注目が集まると見て、ロシアも仕掛けた。新興国への原発輸出拡大を狙う国営原子力企業ロスアトムのスパスキー副社長は26日、ドービルで会見。メドベージェフ大統領が他のメンバー国に、原発安全対策の新たな国際基準を提案したことを明らかにした。
スパスキー氏は「フランスからは強い支援を受けた」と発言。米国も近い立場にあるとして、ロシアが安全性の議論をリードできるとの自信を見せた。
同氏は「新興国に法的な規制の枠組みを提供できる」とも話し、チェルノブイリ事故後の教訓も生かして、今後の新興国向けの原子力ビジネスで優位に立つ意思をのぞかせた。
原発4基を新設する方針の英国では、原子力規制庁が18日、自国で稼働中の原発の設計が福島第一原発と異なり、地震・津波の危険もかけ離れているとする報告書を公表。政府の計画にお墨付きを与えた。欧州連合(EU)が実施することを決めた安全性検査(ストレステスト)でも、テロ防止策を検査項目から外すよう主張したフランスに同調した。
脱原発へと政策転換したドイツはストレステストを巡っては、米同時多発テロのような航空機による攻撃にも耐えうるような厳しい検査を要求して英仏と対立。メルケル首相は、6月6日までに脱原発に向けた行程表を決める姿勢だ。サミットでは「原発後」を見据えたエネルギー政策を検討するよう訴え、議論の主導権を握ろうとしている。
米に懐疑的世論
世界最多の104基の原発が稼働する米国は、複雑な事情を抱える。オバマ大統領が2035年までに発電量の8割を原子力を含む「クリーン」エネルギーでまかなう目標を設定。だが、東芝や東京電力がテキサス州で進めていた原発増設計画は事実上中止に追い込まれ、原発に懐疑的え世論も高まりつつある。
(ドービル=稲田信司、野島淳、玉川透)
閉幕した首脳宣言では「安全性を高めること」が盛り込まれたということで、フランスの狙い通りの流れとなったようですね。
東日本大震災では、福島第一原発以外にも、第二原発、女川他の原発も地震や津波に遭遇しています。すでに書いてもいますが、女川は被災民の避難所の役割を果たしています。第一とそれ以外の差は何なのか。それは主に津波対策で、海面からの高さであったり、電源対策であったりなのです。
「私はなにだったのでしょう」とうそぶく斑目氏。委員長就任以前ではあるのですが、全電源喪失に対する国会での質問回答で、そこまで想定していては設計が出来ないとし、今回の事故後の国会では、「割り切らなければ設計はできないというのは事実でございます。で、その割り切った、割り切り方が、正しくなかったということも、我々十分反省してございます」という態度。想定外ではなく、想定されることを切り捨てたあなたが事故や混乱の元凶の一人なのですし、解決に向けて何の行動もしない無用の給料泥棒なのです。
「安全対策」を切り捨てないで、きちんと施せば、想定以上の津波をうけた女川も福島第二も、ギリギリとはいえ惨事を凌いだのです。
米国製でスタートした日本の原発も、日本の技術改良を施すことで、大地震と津波を凌いだ実績もあるのですから、国際安全基準の策定には日本の実績を役立てるべく積極的に参加していくことが望まれます。その世界貢献が、犠牲になられ避難生活を続けていただいている方々への償いにもなりえます。
カンカラ菅に、そこまでの胆力があるのか、寿命があるのかはわかりませんが。
カンカラ菅の演説の、四つの柱の骨子は、内閣官房参与の田坂広志・多摩大大学院教授の発想と、孫正義氏のエネルギー構想が決め手となったのだそうですね。
「G8という影響力のある場で日本がどういう姿勢を示すのか、極めて重要な場面になります」。4月上旬、内閣官房参与の田坂広志・多摩大大学院教授は菅直人首相に、原発の安全性の向上と、再生可能な自然エネルギーの利用拡大の必要性を訴えた。
首相が今後のエネルギー政策に言及しはじめたのもこれ以降のことだ。4月12日の会見で「原発の安全性を求めると同時に、クリーンなエネルギーについても積極的に取り組んでいく」と主張。同月25日の国会答弁では「エネルギー基本計画を白紙の立場で考える」と従来より踏み込んだ。
5月10日の会見では、フランスでの演説につながる「4本柱」のエネルギー政策を打ち出した。化石燃料と原子力のほか、再生可能な自然エネルギーと省エネも今後の基幹エネルギーに位置づけるとの内容だ。
この構想をさらに具体化させたのが、ソフトバンクの孫正義社長だ。
首相は5月に発売された月刊誌「世界」6月号に孫氏が書いた「東日本にソーラーベルト地帯を」との論文に目をつけた。首相の呼びかけで2人は14日夜、3時間近く会食。太陽光発電の拡大を訴える孫氏に、首相は「再生可能エネルギーの普及を懸命にやっていきたい」と応じた。」
首相は会食後の18日の会見で、電力会社の発送電分離論に言及。孫氏が23日に公表した資料はエネルギー政策について「2本柱から4本柱へ」、自然エネルギーの発電割合は一「2020年までに30%」と指摘。数値こそ違うが、骨格は首相の主張そのものだった。
(ドービル=坂尻顕吾)
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