遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

【続】日露首脳会談でカンカラ菅は何を話すのか

2011-05-28 23:40:57 | ロシア全般
 メドベージェフ大統領の北方領土訪問を、「許し難い暴挙だ」と指摘したカンカラ菅が、メドベージェフ大統領と会談してどんなことを話すのか注目していました。
 メディアによってニュアンスが違いますが、北方領土の領有権について間接的には触れたようですが、「許し難い暴挙だ」とは言っていない様ですね。しかも、従来の日本の立場を主張と報道されていますが、従来の基本的立場は政経不可分(鈴木宗男が崩し始めましたが)です。今回の会談結果は、ロシアが主張する経済協力先行にとれ、日本の主張する立場とは異なっていますが、カンカラ菅が間違っているのか、遊爺が間違っているのかどっちでしょう?
 

北方領土なお隔たり 日ロ首脳会談 交渉継続は一致 (5/28 朝日朝刊)

 菅直人首相は27日午後(日本時間同日夜)、G8サミットで滞在中の仏ドービルで、ロシアのメドベージェフ大統領と約50分間会談した。相次ぐ政府要人の北方領土訪問で実効支配を既成事実化するロシア側に対し、首相は従来の日本の立場を主張
。双方の隔たりは埋まらなかった。

 日本側の説明では、今回の会談で首相は従来の立場を主張した際、今月15日にイワノフ副首相ら閣僚が北方領土を訪問したことに言及。遺憾の意を伝えた。首相は会談後に記者会見し、「領土問題について、大統領とは『静かな環境で交渉を続けていく』という考え方で合意した」と述べた。
 領土問題以外では首相は「エネルギー分野を含めあらゆる分野で互恵的な協力関係を進めていくことで一致した」と語った。具体的には?ロシアのチェルノブイリ原発事故をめぐる知見・経験を生かした原子力専門家の協力?日本の被災地の青少年のロシア訪問?
ロシアの石油・天然ガスの共同開発をめぐる中長期協力協議の開始
━━で一致した。
 日ロ首脳会談は昨年11月、アジア太平洋経済協力会議(APEC)に出席するためメドベージェフ氏が訪日して以来。メドベージェフ氏がロシアの最高指導者として初めて北方領土を訪れた直後で、この時も領土問題は平行線に終わっている。
   ◇
 最近の日ロ関係をめぐっては、東日本大震災後にロシアが対日支援に乗り出し、緊張関係はいったん鎮まった。だが、今月のイワノフ副首相らの北方領土訪問を節目に、自国化する姿勢が揺るぎないことを鮮明にした。今回の会談でも
ロシア側は「領土」と「経済・協力」は切り離して臨む構え
だった。
 ロシアは北方領土のテコ入れを通じて極東全体の底上げを進めている。日本も参加する「サハリン2」などの資源開発が本格化し、2012年の極東ウラジオストクでのAPECの準備も進展。クリル諸島社会経済発展計画(07~15年)の予算を倍増し、計344億君(約1030億円)にまで引き上げるともいわれる。地熱発電を増やし、金やレアメタルなど鉱物資源の開発も進める意向だ。
 一方、日本側は領土問題だけでなく経済や文化交流など幅広い関係の強化を通じ、「
平和条約が締結されていないことがロシアにとって不都合だと実感させる」(外務省関係者)戦略
を試みようとしている。
 こうした双方の思惑の結果、今回の会談で、
石油・天然ガスをめぐる協力協議の開始の合意
につながった。
(坂尻顕吾=ドービル、副島英樹=モスクワ、松村愛)

 日本の立場をどのように話したのかと言うと、「許し難い暴挙だ」と遠吠えしていましたが面と向かっては、イワノフ副首相ら閣僚が北方領土を訪問したことに対し松本外相が言及したことに触れたという、かゆいところに手が届かない言い方だったようですね。
 その上、ロシア側の戦略である石油・天然ガス開発の経済協力を先行させることで合意。日本の国益、主権が削り取られる一方です。

 ロシアの天然ガスの主力ガス田が枯渇し、コスト高となる北極圏や極東の開発に移行せざるを得なくなっている事。ロシアにエネルギー供給を依存してはならない事は何度も触れてきました。資源が売れて今日の帝国シンドロームのロシアが生まれているのですから、資源の枯渇や、高コストのガスの買い手に苦慮している現状を、しっかり観て対応するべきなのです。

 日本のLNG輸入量の第5位で、1割を占めるブルネイが、日本の電力事情への支援で、'13年の契約更改では輸出量を増やす意向を申し出てていただいているのだそうですね。しかもすでに、韓国向けを減らして日本への輸出を増やしてくれている。
 

ブルネイのLNG輸出、東電向け上積みも エネ相表明  :日本経済新聞

 【バンダルスリブガワン(ブルネイ)=高橋徹】ブルネイ政府は東京電力向けの液化天然ガス(LNG)輸出について、要請があれば2013年以降の供給上積みに応じる方針を示した。東電は福島第1原子力発電所事故に伴い火力発電用LNGの追加確保を迫られている。ブルネイのLNG対日輸出は13年3月に契約期限を迎えるが、同国政府としては近く契約更新に基本合意したい考えだ。
 ブルネイのペヒン・ヤスミン・エネルギー相が、日本経済新聞記者の取材に応じた。
 ブルネイからの日本のLNG輸入量は08年度で611万トン。インドネシアやマレーシアなどに続き5番目で、全体の1割を占める。3分の2の400万トンを東電が購入、これは同社の年間使用量の2割に相当。13年以降の契約更新や供給量見直しが焦点になっている。
 エネルギー相は「近く契約更新に基本合意したい」と発言。東電向け供給については「13年以降の増量に問題はない」と述べ、上積みに応じる姿勢を示した。原発事故発生後、韓国ガス公社の同意を得て、同公社向けの一部を東電へ振り向けたことも明らかにした。
 東電の火力燃料の逼迫は長期化が予想され、輸送日数が5日と短いブルネイから上積みしたLNGを長期安定的に調達できれば、電力安定供給の面からも利点は大きい。
 ブルネイのLNG生産能力(年720万トン)の増強について、同エネルギー相は「検討を始めた」と語った。現在進めている沖合深海ガス田の探鉱の成否次第としながらも「ブルネイ政府の戦略的判断として、5年後には(5割増の)1100万トンに引き上げたい」と述べた。液化設備や貯蔵タンクの増設が必要で、3000億円規模の投資が必要とみられる。
 ブルネイは1972年からLNGの対日輸出を開始。当初20年間の契約で、93年にさらに20年間の再契約を結んだ。LNG製造・販売会社はブルネイ政府が50%、石油大手の英蘭ロイヤル・ダッチ・シェルと三菱商事が各25%出資している。

 オーストラリアも支援していただけていることは諸兄がご承知の通りです。
 北方領土に関しては、歴史的に日本の領土であることを、世界に堂々とアピールして、ロシアとも平和条約を締結して普通のお付き合いをすればメリットが出る形を理解させる交渉と行動を示すことを、政府と経済界にはお願いします。





↓よろしかったら、お願いします。


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ソ連が満洲に侵攻した夏 (文春文庫)
誰がメドベージェフを不法入国させたのか-国賊たちの北方領土外交




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