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遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

慰安婦問題政府間合意の評価

2015-12-29 23:46:36 | 慰安婦問題
 慰安婦問題の解決に向けた日韓の政府間合意がなされました。両国首脳会談がなされた後、気配はありましたが、年内合意は両国民の多くの人々にとって驚きのことでした。
 合意の内容の評価と実行の行方は、未だ混沌としていて、見通しはたっていませんね。
 
 日本国内の評価も、賛否様々ですが、産経は、軍の関与を認めた内容に疑問を投げかけると同時に、解決に向けて、日本が要求した慰安婦像の撤去を求めています。
 日本大使館前の慰安婦像が、移転ではなく、撤去されることが、問題解決の証拠の象徴となることですが、韓国政府は努力目標に妥協するのが精いっぱいの現状です。
 

慰安婦問題で合意 本当にこれで最終決着か (12/29 産経 主張)

<前略>
≪「軍関与」に根拠はない≫
 
岸田文雄外相と韓国の尹炳世外相が明確に述べたのは、この妥結が「最終的かつ不可逆的な解決」であり日韓関係が未来志向の新時代へ発展する、ということ
だ。
 両外相が妥結を経て「(日韓は)国際社会で互いに非難・批判することを控える」と共に言及した約束もきわめて重い。朴槿恵大統領は、米中首脳らとの会談などで、日本批判を繰り返してきた。こうしたいわゆる
「告げ口外交」の終結を宣言した
のだと受け止めたい。

 
だが、合意内容を具体的にみると、日本側が譲歩した玉虫色の決着という印象は否めない。このことが将来に禍根を残さないか

 
その一つが、安倍首相が表明したおわびの内容として、慰安婦問題について「当時の軍の関与のもとに、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた」と、「軍関与」
に言及したことだ。
 アジア女性基金事業に伴う歴代首相名のおわびの手紙と同様の表現という。しかし、そのもととなった平成5年の河野洋平官房長官談話が、政治的妥協の産物であることは、政府検証でも明らかにされたはずだ。
 慰安婦募集の強制性を認めた河野談話が破綻したいま、
「軍関与」という誤解を生む表現を使う根拠はない。

 強制連行説が崩れた後、「自由が奪われた」などとして女性の人権問題をあげ、「広義の強制性」を問題とし始めたのは、議論のすり替えにほかならない。
 
慰安婦問題で看過できないのは、歴史の歪曲(わいきょく)や事実に基づかない拡大解釈で、日本の名誉が著しく傷つけられてきたことだ。
 日本軍が慰安婦を「強制連行」したとの誤解を広げた河野談話の見直しも改めて求めたい。こうした問題を放置したまま、10億円規模の新基金に政府の予算を投じることにも、日本国民の理解が得られるのか。疑問である。
 謝罪を繰り返す日本の譲歩が、問題の解決につながらなかった
のは、アジア女性基金が韓国側に受け入れられなかった経緯をみても明らかである。

≪大使館前の像を撤去せよ≫
 戦時徴用の問題を含めて賠償問題が蒸し返されるのは、韓国政府が日韓請求権協定について国民に十分説明してこず、不満が残ったことが原因だ。
 
本来は、韓国自身が国内問題として解決すべきだった。

 在韓日本大使館前に設置された
慰安婦像について、尹外相は「日本政府が公館の安寧、威厳の維持といった観点から懸念している」と言及したが、その撤去については「関連団体との協議を通じて適切に解決されるよう努力する」とするにとどまった
 
岸田外相は「適切な移転がなされるものと認識
している」と述べた。国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界記憶遺産への慰安婦問題に関する資料登録をめぐっても「韓国が申請に加わることはないと認識している」と述べた。
 これらの
実現性については、不透明なままだ。まず、大使館前の慰安婦像を撤去することから、始めるべき
だろう。
 朴大統領は11月の日韓首脳会談などの際、「被害者が受け入れることができ、韓国の国民が納得できるような解決策」を求めると発言してきた。
 政府間で合意した以上、指導者はこれを受け入れるよう国民を説得し、支援団体などを納得させるべきだ。

 韓国側は過去、日本側の謝罪を受け何度か、慰安婦問題の決着を表明しながら、政権が交代し、蒸し返した経緯がある。

 「妥結」の本当の評価を下すには、まだ時間がかかる。

 河野談話の内容が、結論ありきで検証が不十分であったこと。軍の関与の証拠は見つからないとしていたが、河野官房長官(当時)が、記者会見の席での質問に答えたなかで、軍の関与に触れたものであったことは、諸兄がご承知の通りです。
 しかし、今回の合意では、「当時の軍の関与のもとに、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた」と、「軍関与」を認め、安倍首相がお詫びするとしました。

 産経の主張は、慰安婦募集の強制性を認めた河野談話が破綻したいま、「軍関与」という誤解を生む表現を使う根拠はないと指摘しています。

 軍の関与とは、具体的に何を指していて、何故安倍首相がお詫びするのか、安倍政権は国民に説明し、説得する義務があります。早急な実施が求められますね。
 10億円の政府による出金も、名目の表現はともかく、政府が軍の関与を認めた証しとして出金する事実は歴史に残り、韓国側の理解と評価は、日本政府が軍の関与を正式に認めた証しとしていますね。金額の根拠についても、安倍政権は、国税を使うわけですから、日本国民に説明・説得する義務が残っています。

 賠償と謝罪の蒸し返しがなされない証には、慰安婦像の撤去が求められますが、肝心の挺対協は、合意に反論しています。
 

元慰安婦 反発の声 「名誉回復十分でない」 (12/29 読売朝刊)

 【ソウル=井上宗典、宮崎健雄】日韓外相会談で慰安婦問題の政府間合意が成立したことについて、元慰安婦や支援団体は反発の声を上げ、韓国の国内調整の難しさが改めて浮き彫りとなった。
一方で与党や経済団体からは、日韓関係改善のきっかけになると歓迎する声も出ている。

韓国経済界は歓迎
◆会見で不満
 元慰安婦らが共同で暮らすソウル近郊・京畿道キョンギド広州クァンジュ市の施設「ナヌムの家」では28日、元慰安婦6人が記者会見を開き、日韓外相会談の合意内容について不満を漏らした。安倍首相が表明した「おわびと反省」について、李玉善(イオクソン)さん(87)は「苦労して待ったのに、
名誉回復が十分ではなく残念だ」と批判
した。
 元慰安婦らが求めていた賠償については、韓国政府が設置する財団に日本政府が約
10億円を一括で拠出することで合意された。しかし、柳喜男(ユヒナム)さん(86)は、「韓国政府が努力してくれたので従うが、支援内容があいまいで十分な説明がなかった
」と話した。
 同施設の安信権(アンシングォン)所長は、「韓国内で生存する46人全員の合意がなければ、日本政府の謝罪と賠償を受け入れられない」と訴えた。
 
日韓の合意を順調に進めるためには、元慰安婦だけでなく、支援団体への説得が不可欠
だ。
 しかし、
韓国内で強い影響力を持つ支援団体「韓国挺身隊問題対策協議会」(挺対協)は28日に出した声明で「あいまいで不完全な合意」とし、「韓国政府の姿勢には失望した」と批判
した。

◆評価と注文
 一方、韓国の各テレビ局は、日韓外相会談後の共同記者発表を生中継し、高い関心を示した。
 
聯合ニュースはコラムで、「日韓関係改善の最大の難題だった慰安婦問題が最終妥結したのは、日韓関係正常化に向け幸いだった」と評価。ただ、「日本の政治指導者らが歴史に対する暴言を述べれば、いくら日本が終止符を打ちたいといっても思い通りにならない」と注文
をつけた。
 元慰安婦が合意内容に反発していることについても触れ、「国論分裂の火種にならないよう韓国政府が交渉の経過や今後の見通しなどを明らかにし、積極的に国民を説得しなければならない」と強調した。

◆関係強固に
 
与党セヌリ党は今回の合意に「軍の関与のもとに多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた」と盛り込まれたことについて、「日本政府の責任を明示したという点でかなり進展した合意案だ」と評価した。「今回の結果が慰安婦の女性たちのすべての痛みを洗い流すことはできない」とも指摘
した。韓国の経済団体「全国経済人連合会」は「今回を契機に日韓の経済協力関係を強固にして、両国が持続的な成長を続けられるよう力を入れる」と歓迎した。
 一方、
最大野党「新政治民主連合」から28日に改称した「共に民主党」は、「日本政府は法的責任を実質的に回避しており、受け入れられない」と批判
し、国会で追及する考えを示した。

米 合意歓迎声明へ アジア安定化 働きかけ実る
 【ワシントン=今井隆】米政府は日韓両国が慰安婦問題で合意に達したことについて、日米韓3か国の連携を強化する上で重要な一歩になると評価している。近く妥結を歓迎する声明を発表する方向だ。アジア重視の外交・安全保障政策を進める米政府は、ともに同盟国である日本と韓国の関係悪化を憂慮し、慰安婦問題で両国の合意を働きかけてきた。
 米政府が日韓関係の改善に強い関心を示してきたのは、中国の海洋進出や北朝鮮の核問題などで東アジア情勢が流動化する中、3か国の連携強化が不可欠と考えているためだ。
歴史認識問題で韓国が中国と手を組み、日本と対峙たいじする構図は、米国にとって受け入れがたいもの
だった。
<中略>

 日米韓関係筋によると、
最近は米政府が水面下で韓国側に慰安婦問題の妥結を目指すよう注文を付ける場面が増えていたという。米政府関係者は今年夏の時点で、日韓両国が慰安婦問題で何らかの合意に達した場合は、米政府が歓迎する声明を出し、内容を裏打ちする考えを日韓両政府に伝えていたという。

 韓国国内世論のもう一つの例として、ハンギョレ紙は、合意そのものを批判しています。
 
「慰安婦」議論に終止符を打った取り返しのつかない最終合意 : ハンギョレ

  しつこい繰り返しとなりますが、日本が要求した蒸し返しの終焉については、合意内容の文書化がなされなかったこと。蒸し返しをしない証拠の慰安婦像の撤去(岸田大臣は移転と既に譲歩発言)は、努力目標に漕ぎつけるのが精いっぱいの状況で実現の見込みはないと言ってよい状況です。
 韓国国内の公道に設置された法律違反の像でさえその状況ですから、米国などで展開されている像や碑は、安倍内閣が軍の関与を正式に認めて、証拠の無いプロパガンダから、歴史上の事実に変更されたのですから、その建立を止める理由はなくなってしまい、現地で反対活動を進めてきた日系の方々には、汚名をはらす機会を失うこととなりました。
 つまり、日本人や日系人外国人と、その子や孫、その先の世代に謝罪し続ける宿命が負わされてしまったのです。

 しかも、合意内容の実行を、韓国は担保していませんが、日本は実行を明言しています。
 せめて、日本政府の出金は、慰安婦像の撤去後に留保すべきです。その上で、今後は、韓国国内問題とし、韓国国内の要望は、韓国政府が設置する新基金を受け皿とする様にした縁を切る仕組みを活かすことで、蒸し返しを、韓国国内問題に戻す様にすることですね。

 合意が、解決となるか。全く見えてきませんが、両国の今後の取り組み次第ですね。



 # 冒頭の画像は、日韓両政府の合意を受けた記者会見で日韓合意を受け入れる考えを示す柳喜男さん(右)と、「今回の合意内容は本当にやるせない。」と語る李玉善さん(中央)
  慰安婦問題:日韓解決合意 元慰安婦「名誉回復を」 意向聞かれず「拙速」 - 毎日新聞




  この花利名前は、エキナセア・ホットパパイヤ


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