夢地蔵

田舎の映像作家の備忘録

高速道路のパラドクス

2018-11-09 16:21:30 | Weblog
先日、高速道路を走って伊那方面へ車で出かけたときのことです。
出ました!今問題になっている煽り運転。それがドライブレコーダー替わりのアクションカメラが捉えていました。
その映像を Shotcut で編集して字幕を入れ「おばさんの煽り運転」のタイトルでYouTubeにアップ。今後車載カメラの動画をアップするためのテストケースです。Shotcut は優れもののフリーソフトでYouTube用のMP4作成にお勧めです。

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動画に興味があれば見て判断していただくとして、この記事の本題は高速道路で追い越しをするときの走り方についてです。私は常に法規に従って走行車線を走りますが、観光バスや大型トラックが80Km/hで走っているのに追いついた場合首を振って後方確認して(ミラーは信用しません)ウインカーを出し追い越し車線に出て追い越し、首を振って車間距離を確認しウインカーで合図、走行車線に戻るという当然の運転をしています。追い越し車線に後続車がいる場合はその車も入れる距離をとります。でもそんな状況ばかりではなく大型がその前にもいた場合、走行車線に戻るには自分のスペースが確保できない場合は追い越し車線のまま更に追い越しをかけます。問題の動画のエリアは緩い上り坂なのでそれを認識できない車は徐々に速度が落ちてしまいます。そんな車がいたら最悪です。結果的になかなか走行車線に戻れない事態もあるわけでそれをもって違反と言われても「じゃあどうすりゃいいんだ」となってしまいます。追い越すたびに走行車線に戻れと言われても100Km/hで走る場合、車間距離は100mが鉄則なので走行車線の車の間隔が最低でも200mないとそこには入れない理屈です。また、走行車線を観光バスの隊列が走っているというのは現実にあり得る状況ですが、例えば走行車線を5台のバスが80mの車間距離で法廷速度の80Km/hで走っていたとしましょう。100Km/hの乗用車がそれを追い越そうとしたら?
バスの車間距離は80Km/hですから80m程度しかなくてそこには入れません。じっと我慢してバスの後ろを走るのも手でしょうが普通は追い越しをかけます。私は算数が苦手なので速度差20Km/hで安全に5台のバスを追い越すためにいったい何キロの距離と時間が必要なのか計算できませんが、数キロ単位の距離が必要でしょう。考えるとパラドクスに陥ります。実際にはそこに追い越し車線を猛スピードで迫ってくるネジの外れたドライバーの車もあります。実際この日の帰りにそんな車(レクサス)がいました。
どう考えても高速道路を走るのはパラドクスだっていう話です。
訂正:高速道路における大型バスの制限速度は100Km/hでした。あの日は80程度で走っていましたが。

YouTubeは8年前から投稿を続けてきましたが今回はアップ後しばらくしたら視聴回数が二次曲線で上昇。これは予想外でした。投稿は10月30日ですが今現在視聴回数は 21,114 回です。
煽り運転は社会問題になっているから皆さん関心があるんだなと思って内心喜んでいましたが、何か様子が変です。評価を見るとほとんどが悪い評価。
コメントが入り始めると、正直いって私からみると的外れな意見が目立ちます。私を追い越して行った車は私から見たら絶対煽り運転ですが、そのことよりもそれを追走した私が追い越し車線を走り続けるのが違反だとかスピードの出し過ぎだとか、ネット用語の「ワロタ」まで書かれる始末。コメントを読むたびに段々腹が立ってきました。先日知って思わず手をたたいた言葉「ネット弁慶」って、このことか。コメントの投稿を趣味にしている輩がいることはわかっていましたがショックでした。私が遭遇した状況は動画の中でも説明しているしコメントも書いたのですが今度はそれを「言い訳するな」。コメントに返信を入れたら「まじめに返信するな。びびった」にはそれこそ「ワロタ」。
私の場合は今まで好意的なコメントばかりだったので甘く見ていました。
YouTubeに投稿する普通の人間は寄せられたコメントは全部目を通すものです。ついでに言いますが、YouTubeは投稿者に見える項目に 視聴者維持率 というのがあって各動画が平均何分見られたかがわかるのですが今回の動画は長さ9分39秒ですが視聴者維持率は現在30%です。つまりほとんどの人は最後まで見ていないんです。途中までしか見ないでコメントを書く人がいるかも知れないと思うと作り手として思いは複雑です。

夜中にコメントをチェックしたり再生回数と評価を確認しながら気がつきました。私の今回の動画の内容とそれを投稿した行為自体を含めて、ここに安直な現代社会が浮かび上がっているのではないか。自分自身もその安直な人間の一人だったのではないか。そう気がついた瞬間にこんなことに腹を立てていた自分が可笑しく見えてきました。これは今後の貴重な教材です。
コメント
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