はーちゃんdays 2

大学生の娘と高校3年生の二人の子供の父親。

火の鳥 鳳凰編 おすすめです。

2020年05月15日 | 買った本、読んだ本


火の鳥 鳳凰編はおすすめです。




時代は奈良時代。
奈良の大仏の建造にまつわる話です。

実在の人物として登場するのは、
橘諸兄
(橘 諸兄は、奈良時代の皇族・公卿。初名は葛城王で、臣籍降下して橘宿禰のち橘朝臣姓となる。敏達天皇の後裔で、大宰帥・美努王の子。母は橘三千代で、光明子は異父妹にあたる。官位は正一位・左大臣。井手左大臣または西院大臣と号する。初代橘氏長者。 ウィキペディアより)
吉備真備
(持統天皇9年(695年)備中国下道郡也多郷(八田村)土師谷天原(現在の岡山県倉敷市真備町箭田)に生まれる[5]。
元正朝の霊亀2年(716年)第9次遣唐使の留学生となり、翌養老元年(717年)に阿倍仲麻呂・玄昉らと共に入唐する。唐にて学ぶこと18年に及び、この間に経書と史書のほか、天文学・音楽・兵学などの諸学問を幅広く学んだ。ウィキペディアより)
良弁和尚
(持統天皇3年(689年) - 宝亀4年閏11月24日(774年1月10日))[2]は、奈良時代の華厳宗の僧。東大寺の開山[3]。通称を金鐘行者といった。ウィキペディアより)

架空の人物は
我王
茜丸
それぞれにとりまく女性が存在します。ひとりは虫の化身であったり、仏が身代わりになって命を長らえた女性であったりとリアルな男たちとは一線画す存在となっています。

この二人が主役です。

私は小学生のときに鳳凰編を読んで、輪廻転生について視覚から感じました。あの虫ー動物ー人間ー動物ー虫ーどうぶつーーーーーDNAの螺旋を思わせる見開きのシーンは忘れられません。
鳳凰編のなかでの仏教の考え方では虫を殺すのも、人間を殺すのも同じこと、虫を助けるのも、人間を助けるのも同じこと。そういうことなんだなと思いました。

火の鳥が死にゆく茜丸にあなたはもう人間にはなれませんと最後通牒を突きつけるシーン、は印象的でした。
人間の視点では茜丸のしたことよりも、我王の行いの方がよっぽど悪いことと思ったのですが、、、
それとは対照的に我王は両腕を失って絶望にくれますが、自然の美しさ、大きさに心を打たれて生きていくことを誓います。その後もおそらく人間として生まれ変わり、火の鳥に登場し続けます。
作品のなかでは子孫と言っていたので生まれ変わりではなくその後、子供を作り脈々と子孫が増えていったのかもしれません。どうちらとも取れる終わり方でしたので、、、

黎明編に登場した
猿田彦(サルタヒコ 天狗の原型、『古事記』では猿田毘古神、猿田毘古大神、猿田毘古之男神、『日本書紀』では猿田彦命と表記される。
『古事記』および『日本書紀』の天孫降臨の段に登場する(『日本書紀』は第一の一書)。天孫降臨の際に、天照大御神に遣わされた邇邇芸命(ににぎのみこと)を道案内した国津神。
伊勢国五十鈴川のほとりに鎮座したとされ、中世には、庚申信仰や道祖神と結びついた。ウィキペディアより)

火の鳥を未読の方は鳳凰編だけでも読んで見てはいかがでしょう。

歴史に絡めた史実とは異なるかもしれませんが、教科書にさらりとかかれた、”大仏開眼供養”天平勝宝四年(七五二)聖武上皇・孝謙天皇の臨席のもとに盛大に行なわれた、東大寺廬舎那仏(るしゃなぶつ)の開眼供養。
火の鳥を読んだ後だとその一行の文章からその当時を生きた人間の生き様を感じることができるようになる作品だと思います。
FACTFULNESSではないですが、レベル1のひとびとの扱いは8世紀の日本ではこういうものだったということを教えてくれる、体感できる作品だと思います。
現代人からはなんて野蛮で、みるのも嫌になる世界のように感じる人もいると思いますが、、事実は事実。米俵を背中に背負いながら餓死していく老婆、大仏建立のために駆り出される人夫たちが、事故で毎日のように死んでいき、干ばつで荒れはてて庶民は飢えで苦しんでいる中での大仏開眼供養。
火の鳥を読むことが血の通った日本の歴史を学ぶきっかけになるのではと思いました。

わたしもあらためて読んでみると小学生の頃の読解力では幼すぎて理解をしていなかったと思います。輪廻転生のことば、その考え方を知るきっかけは火の鳥であったのは間違いありませんが。