昨年出版されたものなので、比較的新しい本です。
ひきこもりの人はどうやって時間を潰しているのだろう?
働かないで膨大な時間を一体どうやって過ごしているのだろうという長年の疑問がありました。
ネットゲームのしすぎで、ネトゲ廃人になっているわけでもなく、じゃあインターネットをひたすらして時間を潰しているのかと言えばそうでもない。何をしているんだろう?
P60の要約 中高年ひきこもり (幻冬舎新書)
ひきこもりの多くは「自分には娯楽を楽しむ資格はない」という思いを抱いている。
何もせずにただぼーっとしているのではない。何も考えずに放心しているわけではない。
自分自身を責める気持ちがあるので、
様々な葛藤が頭の中をぐるぐると回り、色々なことを考えながら自分を追い詰めている。
だから退屈はあまり感じない。何もしていないのに退屈を感じないから苦しい。
退屈を感じることができる方が楽になるのに。
これを読んで長年の疑問が一つ解けました。
ひきこもりとは「困難な状況にあるまともな人」だから不眠だから睡眠薬を飲んだ方がよいとか、鬱のようだから抗うつ剤を飲むのがよいとかは、根本的な解決にはならないだと。何もしなくて退屈だと感じることができるようにならなければ、堂々巡りの思考から抜け出せないだと。家族が色々とアドバイスや、働け!、将来どうする?とか言っても、自分自身がそのことを四六時中考えているのだから、他人にとやかく言われる筋合いはないということになってしまうのだと。
じゃあどうしたらいいのだろうということで、”オープンダイアローグ”という療法の話が出てきます。
本書では詳しくは解説されていませんでしたが、有効な療法になりうるのではと思いました。
最後に筆者はこのように述べています。
P215 中高年ひきこもり (幻冬舎新書)
再び根拠なく断言しますが、もしひきこもることが100%容認される社会が実現したら、長期間ひきこもってしまう人は激減するでしょう。予防という発想を捨てることが、最大の予防策になる。三十年余りの実践を通じて、私はいま、そのように確信しています。
8050問題がいかに大きな問題であることを実感しました。社会は、国はこの問題をどれだけ実感しているのでしょうか?
次回はオープンダイアローグについて勉強します。