はーちゃんdays 2

春から大学生(仮)と高校2年生の二人の子供の父親。本を読むのは遅いです。絵本も好きです。

風太郎不戦日記 漫画を読んだ。

2021年06月27日 | 買った本、読んだ本

山田風太郎は昭和20年、終戦の年に医学生として過ごしている。
リアルな食糧事情と当時の生活感が実感できる。
進級試験の時に空襲があったら試験は中止で、全員合格という生死に関わることなんだが、どこかコミカルな感じがした。大雨警報が、出たら学校が休みになるそんな感じだ。
空襲があった次の日から学校に来ない生徒もいたりする。
映画を観に行くこともあり、空腹を抱えながら人体解剖をしてお腹をグーグー鳴らしている。
両親はすでに他界しているが、叔父の跡継ぎとして医学生を続けていく、戦争以前に生きることの虚しさを感じる風太郎。

山田風太郎の小説を読んでみたいとおもいました。漫画の続きも買う予定。

追読人間臨終図巻 Iを読んだ。

2021年06月23日 | 買った本、読んだ本






著名人の最後を淡々と作者の思いを踏まえて書いてある奇書と行っていい本です。
漫画版も出ています。

当たり前かもしれませんが、病院で苦しんで苦しんで孤独に亡くなっていく人は少ないです。
多くの方は自宅で静かに、家族に見守られながら息を引き取っています。
癌の痛みや苦しみは現代の方がコントロールできているように思いますが、昔の方がいわゆるポックリとなくなる人が多いように思いました。
昨日までは家で食事をして家族と会話をしていて、朝は寝たまま亡くなっている。そういう苦しくない死に方、私からすると理想的な死に方ができていると思いました。
余分な酸素吸入や点滴によって無理やりに生かされる命がいかに無理をしているのか?
安らかに息を引き取る邪魔をしているのかということをこれからは考えていかなければいけないと思います。
自分で自分の死に様を決めることができない日本、意識がないように見えても実は体を動かせないだけで、いろいろと頭は動いていて万年金縛り状態になった時、ブロイラーのように栄養が注ぎ込まれ、タンが増えれば気管に管を押し込まれ、排泄はおむつで自分ではどうしようもない、そんな状態で生きていたい人はどれだけいるのだろうか?
実際に日本の平均寿命を伸ばしているのはそういった寝たきり老人であることは間違いないし、自分自身も常にそういう状況になる可能性も考えておかなければいけないと思います。




安楽死特区 読みました。

2021年06月05日 | 買った本、読んだ本


随所に筆者の終末期医療に関する考えが織り込まれています。




ネタバレになるが最終的には安楽死特区はある事件があってこの物語では成り立たない。
筆者が言いたいことは日本人には安楽死という海外のような薬物を投与して死に至らしめる安楽死は合わないという意味なんだろう。

みずからが自分の死に際についてちゃんと考え、家族に意思表示しておけば良いと思うし、高齢者に過剰な延命処置は避けるべきであることはわかっていそうだが、一般人はあまり考えたことはないとおもう。

とにかく長く生きることを最良とする医療は国のシステムで変えてくれないと、変わらないと私は思う。

筆者のような医師が主治医で安楽に死を迎えることができる人が、今の日本にどれぐらいいるのか?
寿命を迎えた高齢者が未だに点滴ガンガン酸素ガンガンで最後を迎える人は多いのではないのだろうか、、
コロナ禍に家族にも会えず死を迎えるのを本当にヨシとするのか?いまいちど考える必要があるのではないか?