ゆいもあ亭【非】日常

映画や小説などのフィクション(非・日常)に関するブログ

王者の息子はサラブレッド?

2008-10-07 | 映画
書店で短編集「20世紀の幽霊たち」を見かけて気にかかっていた作家ジョ-・ヒルが、実はスティーブン・キングの息子だという東京丈さんの情報があって、ネットで軽く調べてみた。既に「ハートシェイプト・ボックス」という長編も出ていて、これには映画化の予定もあるという。

しかも、本人のデビュー、作品上梓の際にはキングの息子であるという事実は伏せられていた模様。今般の成功はまったくの実力という。

しかしながら、「ロメロ監督の映画にゾンビ役としてエキストラ出演する男女が血糊を噴いて倒れるシーンを演じながら人生の再起を静かに謳い上げる短編」などという作品もあるらしいから、彼に与えられた環境が彼を育てたのは結局のところ確かだろう。

1972年生まれの彼、キング脚本・ロメロ監督の「クリープショー」(1982)に父親をブードゥー人形で呪う少年役で出演しているのだ!

そういう意味で、やはりサラブレッドだな。あるいは「シャイニング」の持ち主というべきかも。

「クリープショー」はコミックのコマが動き出すというビジュアル展開のオムニバスだが、隕石を拾った農夫が、宇宙から来た苔だか黴だか草だかに全身覆われて自殺に至るまでをスティーブン・キング自身が熱演した2話と、俗悪怪奇コミック誌を捨てた父親とその息子ビリー(ジョー・キング少年!)のフレームストーリーが印象的だ。

*写真はついでに怪奇コミックの世界へ誘うガイド役のキャラと、1話でとても印象深い復讐を果たすゾンビお父さん。

*キャプチャーは米盤から。国内盤はまたまたハピネット。Amazon中古価格は1万5千円くらい。やれやれ。

*追記(10/8):ジョー・キングのフルネームはJoseph Hillstrom King。なるほど、ジョー・ヒルはミドル・ネームまでを使った、ほとんど本名のペンネームなんだね。そのうちジョー・ヒル・キングと改めるかも知れませんね。