柳美里の今日のできごと

福島県南相馬市小高区で、
「フルハウス」「Rain Theatre」を営む
小説家・柳美里の動揺する確信の日々

日ごとの悲しみ

2020年06月30日 21時18分00秒 | 日記
日が暮れると、
ひたひたと悲しい気持ちが押し寄せてきて、
自分の足元が見えなくなり、
やがて、腰まで悲しみに浸かって身動きできなくなり……

夜。

悲しみにすっかり取り囲まれ、
悲しみしか見えなくなる。

悲しい。






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時々、出現する欲しいもの

2020年06月30日 20時45分00秒 | 日記
このミッフィーの耐熱カップ、
かわいいと思いませんか?

牛乳入れると、白うさぎ
ココア入れると、茶色うさぎ
にんじんジュース入れると、赤面うさぎ


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息子からの誕生日プレゼント

2020年06月30日 18時02分00秒 | 日記
こないだ、息子からプレゼントをもらったことがない、とブログに書きましたが、
ありました。

息子、ごめん。

2011年6月22日。

わたしは、原発事故の1ヶ月後から、原発の20km圏内の地域に通いはじめ、南相馬市に滞在することが多くなり、鎌倉の住まいからは遠ざかっていたのですが、当時小学5年生だった息子が、わたしに洋蘭を刺繍して贈ってくれました。

息子は、幼稚園の頃からお小遣いを貯めては洋蘭を買い、自分の誕生日やクリスマスのプレゼントには洋蘭(稀少な種類)をオーダーし、毎年必ず東京ドームで開催される「世界らん展」を見に行き、中学校卒業までは「ランや本部長」を名乗っていました。
今でも、我が家には200鉢以上の洋蘭があります。

息子が好きなものは、幼児のころから変わらず、
洋蘭、シダ植物、微小・土中甲虫、廃線、鉄道(乗り鉄であり、鉄道唱歌好きで、鉄道規則と切符下車印マニアでもある)、軍用機、無線、料理、フルート、オーケストラの指揮……

でも、一時期ハマっていた刺繍は、今はやっていませんね。

2011年の息子からわたしへの誕生日プレゼントの刺繍の洋蘭は、今でも額に入れて飾ってあります。








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あと3日……

2020年06月30日 01時04分00秒 | 日記
あと3日したら、
再び小高を離れて、
小説を書くための自主缶詰生活に戻るので、
いろいろやらなきゃならないことをやらなきゃ、と焦っているんだけど、
思うように捗りません。

昨日29日は、『Tokyo Ueno Station』(『JR上野駅公園口』のアメリカ版)のプロモーションの一つである、ブックカフェ・フルハウス店内での自己紹介と自作朗読(『JR上野駅公園口』の自殺前のシーン)の動画撮影を行いました。

うん、あとは、
原町の銘醸館でランチを食べて、
フレスコキクチで買い物をして、
帰宅して、昨夜ぜんぜん眠れなかったので、1時間ばかり眠って、
目を覚まして日没前に5kmちょっとをキロ6分20秒ペースで走って、
帰宅して、20歳息子(料理男子)が支度してくれた鶏とキノコと豆腐と白菜の鍋を食べて、
トウモロコシとさくらんぼとヨーグルトとミックスナッツとチョコレイトを食べて、
ノンカフェイン紅茶を飲んで、
雪歩さんが運転する車でお隣の浪江町に行って「いこいの村なみえ」の大浴場に入って、
帰宅して、歯を磨いて、ストレッチをして……
いま、布団の中で、このブログを書いています。

あと3日でエッセイを3本書いて、
7月4日に自主缶詰先に到着したら、
すぐに小説を書きはじめられるようにしないと……

焦るな……

●今日、走った日没間際の小高川沿いの遊歩道





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夕暮れ時のお散歩

2020年06月28日 22時41分00秒 | 日記
バレエレッスンを終えて、
相馬駅から常磐線に乗り、原ノ町駅で降りました。

小高までの乗り換え電車の待ち時間が40分もあったので、フルハウス副店長の雪歩さんに車で駅まで迎えに来てもらい(後部座席には、大学がリモート授業のため帰省しっぱなしのランや本部長が……)、3人でマリオに行き、パスタを食べました。

で、ベニマルでさくらんぼを買い(この季節のわたしの主食は、さくらんぼです)小高に戻りました。

夕立が通り過ぎ、虹が美しかったので、
雪歩さんと30分ほど近所を散歩しました。

残照、紫陽花、
カモ、ウシガエル、
今年初のアブラゼミ……

ちょうど、特急ひたち号の上下線が小高川の陸橋を通るところで、スマホで撮ることが出来ました。










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日曜日は、

2020年06月28日 17時44分00秒 | 日記
小高に居る時の日曜日の過ごし方は、
決まっているんです。

午前中は、カトリック原町教会で行われる、
朝9時からの幸田和生司教による聖書勉強会に参加し、
朝10時からのミサに参加する。




そして、原ノ町駅から常磐線の仙台行に乗って、
相馬で降りて、「プリミエ・バレエ・クラッシック」に行って、クラッシックバレエのレッスンを16時まで受ける。





マスク着用でのバレエレッスン、
低酸素で汗だくになりました。


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坂茂さん

2020年06月28日 17時15分00秒 | 日記
昨日、我が家に坂茂さんがいらっしゃいました。
何を隠そう、ブックカフェ・フルハウスは、あの、坂茂さんの建築作品なのです。

フルハウスは、3月20日のブックカフェオープン直後から新型コロナウイルス感染拡大の影響をもろに受け、5月20日までの休業を余儀なくされました。

現在は、本屋のみで営業を再開しています。(カフェの方は、コロナ第2波の到来や、客足の戻り具合から、再開の時期を判断したいと考えています)

坂さんは、秘書の方なしで、お一人で常磐線に乗って、完成したフルハウスを見にいらっしゃいました。

そして、坂さんがデザインしたフルハウスのカフェで、
浦島鮨の握り寿司をいっしょに食べました。

お寿司と共に、居心地の良い空間だということを味わっていただき、
坂さん、とってもうれしそうで、
わたしも、うれしかったです。

コロナが収束して、カフェが再開したら、
設計や本棚製作を手伝ってくださった、
「慶應大学SFC坂茂研究室」の学生のみなさんとフルハウスを再訪してくださるそうなので、
それまでに、ブックカフェを建て直します。

坂さん、ありがとうございます。

SFCのみなさん、お待ちしています。


●リュックを背負っているのが、坂茂さん



●フルハウスのカフェ店内です。
わたしは、口をぽかんと開けている……




●新刊エッセイ集『南相馬メドレー』の中の、坂茂さんとの出会いを書いた文章を抜粋しました。

読んでみてください。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


2017年9月24日 宮城県牡鹿郡女川町の「おながわ秋刀魚収穫祭」に、同居人の村上くんと高校3年生の息子と3人で行きました。

実は、前日まで忘れていたのです。

南相馬のパスタ屋で、家族で夕飯を食べていると、向かいの席に座っている息子がフォークにミートソースパスタを巻きつけながらしきりに首を傾げました。

「あれ? 明日なんかあったはずだったけど、なんだっけか?」


息子を車で塾に送って行った後、自宅の壁掛けカレンダーを確認してみると、「おながわ秋刀魚収穫祭」と書き込んでありました。


どうしようか、と迷いました。


10月に、『国家への道順』(河出書房新社)、11月に『春の消息』(第三文明社)、12月に『飼う人』(文藝春秋)と3冊の新刊が出版されるために、そのゲラの朱入れ作業が立て込んでいたからです。


でも、女川との縁は深い――。


わたしがパーソナリティを務める「南相馬ひばりエフエム」は、2016年3月末に閉局した「女川災害FM」と提携し、わたしの担当番組「ふたりとひとり」をずっと放送してくれていたのでした。


特に、震災直後に女川に入り、放送機材提供や番組制作のノウハウを地元住民に指導して臨時災害放送局を設立し運営した、放送作家・ディレクターのトトロ大嶋(大嶋智博)さんとは、「同志」と呼び合う間柄でした。


朝6時に起きて、よし行くか、と登山リュックに仕事道具を詰め込み、電車を乗り継いで4間かけて女川駅に到着しました。


ひと通りお祭りを見て歩き、大嶋さんともばったり遭ったので、「ゆぽっぽ」でひと風呂浴びて、石巻線に乗って帰ることにしました。


女川温泉「ゆぽっぽ」は、女川町営の温泉施設で、JR東日本石巻線の終着駅女川駅舎の西側半分の2階に風呂と休憩所があり、1階にはミニギャラリーと地元物産の販売コーナーがあります。


息子は無類の風呂好きで、長風呂です。休憩所のカウンターにiPadを出して原稿を書き、無料のウォーターサーバーから水をもらって飲んでいた時のことです。


「ゆぽっぽ」に入るのは3度目でした。


しかし、気づかなかったのです、椅子やテーブルが紙で出来ていることに――。


「あれ? これ、全部紙で出来てる。カッコいい! ほら、見て!」


と、わたしは座布団を枕にして寝ている村上くんを揺すり起こしました。<o:p></o:p>


「ほんとだ……サランラップの芯みたいな紙だね」


気をつけて見てみると、天井も一面紙の筒で、波のようにうねっているデザインでした。


わたしは立ち上がり、1階ギャラリーに設置されている紙製のベンチに座ってみました。


美しいだけではなく、座り心地もいいことに、わたしは驚きました。


わたしは、フルハウスのカフェスペースに置く大きなテーブルと椅子をどうしようか、と悩んでいました。

高いお金を出せばいくらでもあるということは知っているのですが、お金は、小高の土地と中古家屋購入費とハウスクリーニング費と修繕費などで尽きてしまったのです。IKEAや無印良品に行って、1万円以下で座りやすそうな椅子を一脚買っては、生活の中で試し座りしているのですが、及第点を出すには至っていませんでした。


わたしは、ようやく風呂から上がった息子と共に「ゆぽっぽ」を後にし、石巻線の中でスマートフォンで調べました。「紙  椅子」というキーワードで、「ゆぽっぽ」と同じベンチの画像にヒットしました。紙管の椅子をデザインしたのも、女川駅舎を設計したのも、坂茂さんでした。


坂茂さんは、建築界のノーベル賞とも言われるプリツカー賞を受賞した建築家です。


わたしは隣に座っている村上くんの「世界的な建築家に失礼だから、やめなよ」という制止を振り切って手紙の文面を書き、坂茂建築設計事務所の公式サイトの「お問い合わせ」ページにあったアドレスにメールを送信しました。


坂さんご自身から返信が届いたのは、終点石巻駅に到着する直前のことでした。


「椅子と言わず、本屋Full House の内装設計でも、小劇場設計でも何でもボランティアでやります。

今年4月には双葉町の原発ギリギリまで行ってきました。

近々先ずはそちらに伺います」


わたしは「すごい!」と叫んで、メールを村上くんに見せました。


10月14日坂茂さんは、南相馬市小高区の我が家に、事務所の方といっしょにいらっしゃいました。


わたしは、原発事故によって「警戒区域」に指定された小高という地域と、小高住民と、小高産業技術高校に通う生徒の現状を知り、止むに止まれず、ここ、小高に転居しました。


その行動とこの場所を起点にして、奇跡のような縁がいくつも結ばれ 、点と点、線と線は、一つの面に成りつつあります。


お金は、労働の対価として支払われるべきものです。


でも、お金では動かないこともあるのです。


喜びは、自分の欲望を充足させた時のみに生まれるものではありません。


真の達成感とは、自分と他者が深く関わり、他者のために一つのことを成し遂げた時にこそ生まれるのではないでしょうか。


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トラ

2020年06月27日 01時26分00秒 | 日記
1ヶ月ぶりにトラと再会できて、
うれしい。

今年15歳になるトラ。





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プレゼント

2020年06月27日 01時06分00秒 | 日記
あ、
誤解されるようなことを書いてしまった。

プレゼントは、うれしいんですよ。

ただ、わたしはひねくれてて頑なだから、
恋人や家族には、30年以上、プレゼントはやめてね、要らないからね、って釘を刺しつづけてるだけです。

Tさん、
わたしの不在時に、
リトルミイの手提げと小物入れと、
アマビエの起き上がり小法師、
のバースデープレゼントを届けてくれて、ありがとう。

癌が再発して、6月10日に手術をしたばかりだというのに、わたしの誕生日に病院を抜け出して、小高までプレゼントを届けにきてくれて……

小高にいなくて、ごめんなさい。

なんにも知らなくて、なんにも出来なくて、ごめんなさい。

プレゼント、大事にします。

病気がTさんのからだから立ち去るように、祈っています。







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誕生日

2020年06月27日 00時14分00秒 | 日記
6月22日は、
愛媛県の豊島で過ごしました。

ピースウィンズ・ジャパンの
大西さん、ボブさん、土井さん、
難波さん、
さお、森本さん、
そして、ふたば未来学園演劇部から、青春五月党の復活公演「静物画」に出演し、今年高校を卒業して、豊島で料理人としての修行に励んでいる奏人くんに、
誕生日を祝っていただきました。

難波さんと奏人くんの師弟関係が積み上げられている様が、料理から見てとれて(味わえて)とても、うれしかったです。

残念なのは、奏人くんが5時間かけて(生まれて初めて独りで)作ったさくらんぼと枇杷のフルーツタルト(わたしへのバースデーケーキ)の写真を撮り損ねてしまったこと……

わたし、
プレゼントをもらったり、祝ってもらったりするのが超苦手で、家族内ではわたしを祝うのは厳禁なんですよ。

息子にも、誕生日にも、母の日にも、クリスマスにも、なんにももらったことがない。

かつての恋人にも、プレゼント、もらったことないです、一度も。
どっかにいっしょに行っても、(相手が20以上歳上でも)交通費や飲食代や宿泊費は、基本、わたしが全部払ってました。

お金があるから、じゃなくて、
お金がない時も、サラ金で借りて払ってましたから、恋人からは金品をもらいたくない、という強い拒絶感ですね。

(ついでに言うと、写真も、付き合っているひととはいっしょには撮らない、照れ臭いし、嫌だから。20年前に癌で死んだ東由多加とも15年暮らして、1枚もいっしょに撮った写真がありませんでした)

恋人に、

「なんか欲しいものある?」

などと訊かれようものなら、

「ない。あったら、自分で買うから、いいよ。わたし、好みが狭いから、勝手に買わないでね、使わないから」

と睨みつけるような感じで……

(何故、恋人から金品を受け取りたくないのかに関しては、自己分析出来ていますが、言いません。言えない類のことです)

家族や恋人にプレゼントを贈ったり、お祝いしたりするのは、大好きなんだけど、逆は苦手なんですよね。

だから、豊島でも、照れて困ってしまって、バースデーケーキの写真撮るのを忘れちゃった。

奏人くん、ごめんね。

とっても、おいしかったよ。

ごちそうさま。

ありがとう。


(奏人くんから送ってもらったフルーツタルト1ピースの写真をアップしますね)

●奏人くんが作ってくれた朝ごはん




●奏人くんが初めて独りで考えて、独りで作った晩ごはんの献立



●奏人くんが作ってくれたフルーツタルト



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