柳美里の今日のできごと

福島県南相馬市小高区で、
「フルハウス」「Rain Theatre」を営む
小説家・柳美里の動揺する確信の日々

退院

2023年04月08日 16時43分00秒 | 日記
退院しました。

病院から自宅へと向かう道すがら、
自分の閉所恐怖症、高所恐怖症、パニック障害が高じてしまっていることに気づきました。

エレベーター、怖い。特に、人が何人か乗っていると、狭くて、怖くて、窒息しそうになる。

下りエスカレーター、頭から下に真っ逆さまに落下しそうで、蹲って顔を両手で覆うか、手すりベルトを両手で握りしめ額を手すりベルトに押し付けないと、恐怖に耐えることができない。

タクシー、車、息が苦しくなり、ドアハンドルに手をかけている自分に気付き、走行中の車から飛び降りたら死んでしまう、と窓を全開にしてもらう。

マスク、アイマスク、イヤホンをすると、過呼吸になりそうになる。

という精神状態なので、当分、映画館、劇場、ライブ会場、展覧会場には行けないし、車、エレベーター、エスカレーターには乗れないな。

まず、体から緊張感(危機感)を抜いて、深呼吸をして、自分を落ち着かせないといけない、ということはわかっていても、今やどこにパニック発作につながるヤバいスイッチがあるかわからないから、常に緊張状態にある。

流動食(離乳食でも可)は6月半ばぐらいまでは続くわけだし、うまく発語できない状態も続く。

長い目で見て、焦らないことが肝心だ。

入院中にずっと気になっていた小高川沿の桜並木を歩いた。

すっかり葉桜になってしまっていた。

手術と入院で、満開の桜は見逃してしまったけれど、道には花びらが敷き詰められていた。

小高川のあちこちに花筏ができていた。

ああ、きれいだな、と思った。

きれいなものに触れること、小説を書くことで、精神と心の方から少しずつ治癒に導いていこうと思う。

入院中にいただいた、みなさまの温かいお心遣いと励ましのお言葉に心より感謝いたします。

ありがとうございました。









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