フルート歴6年になるランヤ本部長は、寺田麻知子先生と、バッハの「管弦楽組曲 第2番 ロ短調 ポロネーズ」と「We wish you a Merry Christmas」の二重奏を聴かせてくれました。
来年3月の発表会が楽しみです。
フルートはどこでも演奏できる楽器だから、いいね。
わたしも、10年間ピアノを習ったけど、ピアノがないと弾かなくなり、弾かないと指が動かなくなるもんね……
来年3月の発表会が楽しみです。
フルートはどこでも演奏できる楽器だから、いいね。
わたしも、10年間ピアノを習ったけど、ピアノがないと弾かなくなり、弾かないと指が動かなくなるもんね……
夜6時に、ピンポーンと玄関チャイムが鳴り、インターフォンに向かって「メリークリスマース!」と息子は叫び、あまりの大声に噴き出したアイドル桂子(Twitter→ @mad_bambi)の顔がモニターに映っていました。
ランヤ本部長、デカイです。
ランヤ本部長、デカイです。
来年、2012年1月17日に12歳になり、3月に小学校を卒業する息子は、
サンタクロースに無線機(DJ-X2000)をお願いしていました。
わたしは、息子が(サンタクロースの存在を)信じているのか信じていないのか、半信半疑でした。
それとなくいろいろ訊ねてみたものの、う~ん、よくわからない――。
昨日、息子と手を繋いで、小町通の日影茶屋にクリスマスケーキを買いに行きました。
「あのさ、サンタさんって何者なの?」わたしは訊ねました。
「サンタクロースは、神様だよ」
「神様……」
日影茶屋の次に花屋に行きました。
花に詳しい(なにしろ「ランヤ」を名乗って9年になる)息子は、
「クリスマスだから明るい感じがいいよね」
とつぎつぎと花を選んで、花束を見繕いました。
「でも、あのさ、サンタさんって、何人いるの? 膨大だよね、子どもの数……」わたしは訊ねました。
「神様だから、だいじょうぶ」
「神様……」
「クリスマスプレゼントって、いくつまでもらえるの?」わたしは訊ねました。
「16歳までだっていうよ」
「16歳……」
日が暮れかかると、花束を抱えた息子が急ぎ足になり、
「去年は、確か今頃、玄関のドアの前に置いてあったんだよ」
「え……寝てるときに枕もとに置いてくんじゃないの?」
「いや、去年は夕方だった」
わたしはちょっとしたイタズラ心を起こし、
出掛ける前に同居男性(←息子は「お兄さん」と呼んでいる)に、
「門にかけてある4つの靴下にお菓子とかでいいから、なんか入れといてくれる?」
と頼んでおいたのですが、
わたしたちのほうがひと足早く帰宅したようで、靴下は膨らんでいませんでした。
息子は靴下の先をひとつひとつ触ってみて、言いました。
「まだ来てない……」
「だから、今夜遅くだと思うよ」
わたしと息子は花を生けたり、クリスマスツリーの飾りつけをしたりしていました。
彼が帰宅し、しばらくして(不自然ではないタイミングで)ツリーにオーナメントを吊っている息子に訊ねてみました。
「サンタさん、来てないかな……タケ、ちょっと、外の靴下見てきたら?」
「そうだね」
と、外に出て行った息子は、泣きながら家のなかに入ってきました。
「お菓子が入ってたぁぁぁぁ……だけど、ぼくが頼んだ無線機は入ってないぃぃぃぃ」
そして、滂沱の涙――。
「靴下ン中に、なに入ってたん?」彼が訊ねました。
「お兄さんにはチキンラーメン、ママにはエモリカ、あと板チョコとパイぃぃぃぃぃぃ」
彼は、玄関に置きっぱなしにしてある「サンタさんからのプレゼント」を取りに行きました。
「なんで、チキンラーメンやねん!」と彼。
「ママは、エモリカ(入浴剤)の、しかも詰め替え用だ……」とわたし。
「あれ? このパイ、タケが好きなヤツやから、タケのんちゃうのん?」と彼が息子に訊ねました。
「違うよぉぉぉ! ママのだよぉぉぉぉ!」と、息子は泣き叫びながら、
「ねぇ、もうサンタさんは来ないの? サンタさんは通り過ぎちゃったの?」
「いや、夜中にあんたが寝てから、届けに来るんじゃない?」と、わたしがなだめにかかりましたが、
「でも、一度通り過ぎたサンタさんが戻ってくるの?」
息子は泣きながらトイレに入り、洗面台の水をジャージャー流しました。
泣き声を水音に紛らせているのです――。
わたしは、彼に言いました。
「あと、30分で桂子とバーバがくるのに、あんな状態じゃマズイよ。フルートも演奏するんだから。
これは、もう、2階の寝室に置いとくしかないよ」
彼が寝室にプレゼントをセットしているあいだ、わたしはトイレに篭城している息子に語りかけました。
「タケ、もうそろそろ桂子さんとバーバくるから、顔洗って出てきなさいよ」
息子は顔を洗って、目を真っ赤にして出てきました。
「でもタケ、今まで寝室に置いてあったこともあったじゃん。寝室は見たの?」わたしは訊ねました。
「……見てない……」息子は2階にあがっていきました。
今度は、歓喜の絶叫が――。
「あったぁぁぁぁぁ! あったぁぁぁぁぁぁ! あったぁぁぁぁぁぁ!」
が、20回は繰り返され、
「すごい! やっぱりサンタさんはすごい! あった! あった! あった!」
と嬉し泣きで顔をぐしゃぐしゃにしながら、無線機の箱を抱き締めて階下におりてきました。
「その無線機、サンタさん買ったのかな?」わたしは訊ねました。
「アルインコ(無線機の会社)にサンタさんの協力者がいるんだよ」息子はきっぱりと断言しました。
「え? ゲーム機とかぬいぐるみとか本を頼んだ子もいるよね? それって、任天堂とかサンリオとか福音館とかに協力者がいるってこと?」
「そうだね。でも、もしかしたら盗んで子どもたちに配ってるのかもしれない……」
「え? サンタさんって鼠小僧?」
と笑いを堪える母親の顔をちらりとも見ないで、息子は箱の中から無線機を取り出し、
「わーわー! サンタさん、すごい! すごい! すごい! サンタさん、ありがとう!」
と、また涙ぐみました。
「………………」
サンタクロースを信じ切っている小学6年生男子……
中学にあがっても、信じつづけるんだろうか……
マジですか……
サンタクロースに無線機(DJ-X2000)をお願いしていました。
わたしは、息子が(サンタクロースの存在を)信じているのか信じていないのか、半信半疑でした。
それとなくいろいろ訊ねてみたものの、う~ん、よくわからない――。
昨日、息子と手を繋いで、小町通の日影茶屋にクリスマスケーキを買いに行きました。
「あのさ、サンタさんって何者なの?」わたしは訊ねました。
「サンタクロースは、神様だよ」
「神様……」
日影茶屋の次に花屋に行きました。
花に詳しい(なにしろ「ランヤ」を名乗って9年になる)息子は、
「クリスマスだから明るい感じがいいよね」
とつぎつぎと花を選んで、花束を見繕いました。
「でも、あのさ、サンタさんって、何人いるの? 膨大だよね、子どもの数……」わたしは訊ねました。
「神様だから、だいじょうぶ」
「神様……」
「クリスマスプレゼントって、いくつまでもらえるの?」わたしは訊ねました。
「16歳までだっていうよ」
「16歳……」
日が暮れかかると、花束を抱えた息子が急ぎ足になり、
「去年は、確か今頃、玄関のドアの前に置いてあったんだよ」
「え……寝てるときに枕もとに置いてくんじゃないの?」
「いや、去年は夕方だった」
わたしはちょっとしたイタズラ心を起こし、
出掛ける前に同居男性(←息子は「お兄さん」と呼んでいる)に、
「門にかけてある4つの靴下にお菓子とかでいいから、なんか入れといてくれる?」
と頼んでおいたのですが、
わたしたちのほうがひと足早く帰宅したようで、靴下は膨らんでいませんでした。
息子は靴下の先をひとつひとつ触ってみて、言いました。
「まだ来てない……」
「だから、今夜遅くだと思うよ」
わたしと息子は花を生けたり、クリスマスツリーの飾りつけをしたりしていました。
彼が帰宅し、しばらくして(不自然ではないタイミングで)ツリーにオーナメントを吊っている息子に訊ねてみました。
「サンタさん、来てないかな……タケ、ちょっと、外の靴下見てきたら?」
「そうだね」
と、外に出て行った息子は、泣きながら家のなかに入ってきました。
「お菓子が入ってたぁぁぁぁ……だけど、ぼくが頼んだ無線機は入ってないぃぃぃぃ」
そして、滂沱の涙――。
「靴下ン中に、なに入ってたん?」彼が訊ねました。
「お兄さんにはチキンラーメン、ママにはエモリカ、あと板チョコとパイぃぃぃぃぃぃ」
彼は、玄関に置きっぱなしにしてある「サンタさんからのプレゼント」を取りに行きました。
「なんで、チキンラーメンやねん!」と彼。
「ママは、エモリカ(入浴剤)の、しかも詰め替え用だ……」とわたし。
「あれ? このパイ、タケが好きなヤツやから、タケのんちゃうのん?」と彼が息子に訊ねました。
「違うよぉぉぉ! ママのだよぉぉぉぉ!」と、息子は泣き叫びながら、
「ねぇ、もうサンタさんは来ないの? サンタさんは通り過ぎちゃったの?」
「いや、夜中にあんたが寝てから、届けに来るんじゃない?」と、わたしがなだめにかかりましたが、
「でも、一度通り過ぎたサンタさんが戻ってくるの?」
息子は泣きながらトイレに入り、洗面台の水をジャージャー流しました。
泣き声を水音に紛らせているのです――。
わたしは、彼に言いました。
「あと、30分で桂子とバーバがくるのに、あんな状態じゃマズイよ。フルートも演奏するんだから。
これは、もう、2階の寝室に置いとくしかないよ」
彼が寝室にプレゼントをセットしているあいだ、わたしはトイレに篭城している息子に語りかけました。
「タケ、もうそろそろ桂子さんとバーバくるから、顔洗って出てきなさいよ」
息子は顔を洗って、目を真っ赤にして出てきました。
「でもタケ、今まで寝室に置いてあったこともあったじゃん。寝室は見たの?」わたしは訊ねました。
「……見てない……」息子は2階にあがっていきました。
今度は、歓喜の絶叫が――。
「あったぁぁぁぁぁ! あったぁぁぁぁぁぁ! あったぁぁぁぁぁぁ!」
が、20回は繰り返され、
「すごい! やっぱりサンタさんはすごい! あった! あった! あった!」
と嬉し泣きで顔をぐしゃぐしゃにしながら、無線機の箱を抱き締めて階下におりてきました。
「その無線機、サンタさん買ったのかな?」わたしは訊ねました。
「アルインコ(無線機の会社)にサンタさんの協力者がいるんだよ」息子はきっぱりと断言しました。
「え? ゲーム機とかぬいぐるみとか本を頼んだ子もいるよね? それって、任天堂とかサンリオとか福音館とかに協力者がいるってこと?」
「そうだね。でも、もしかしたら盗んで子どもたちに配ってるのかもしれない……」
「え? サンタさんって鼠小僧?」
と笑いを堪える母親の顔をちらりとも見ないで、息子は箱の中から無線機を取り出し、
「わーわー! サンタさん、すごい! すごい! すごい! サンタさん、ありがとう!」
と、また涙ぐみました。
「………………」
サンタクロースを信じ切っている小学6年生男子……
中学にあがっても、信じつづけるんだろうか……
マジですか……
久しぶりに昼寝して、目を開けたら、光がきれいだった。
留守録に息子からのメッセージが入っていた。
「宝くじ今日の7時までだから、買ってくれる? 歯医者さんの前で待ってるから」
いま、息子に宝くじを買ってやって、歯医者さんの待合室で名前呼ばれるのを待っているところ。
宝くじ、当たったことないんだよな……
留守録に息子からのメッセージが入っていた。
「宝くじ今日の7時までだから、買ってくれる? 歯医者さんの前で待ってるから」
いま、息子に宝くじを買ってやって、歯医者さんの待合室で名前呼ばれるのを待っているところ。
宝くじ、当たったことないんだよな……
新潮文庫アンソロジーに収録する「パキラのコップ」のゲラに手を入れているのだが、全く集中できない。
でも、なんとか今日中に仕上げなければ……
2012年は金日成主席の生誕100年なのに、2011年の終わりに金正日総書記が死去するなんて……
でも、なんとか今日中に仕上げなければ……
2012年は金日成主席の生誕100年なのに、2011年の終わりに金正日総書記が死去するなんて……
新潮文庫アンソロジー『29歳』に収録する「パキラのコップ」のゲラの手入れを、ベッドでやる。
ちなみに今日は、『創』(2012年1月7日発売)連載エッセイ「今日のできごと」14枚を書いていて、ずっとパジャマ……家から一歩も出てません。
着替える時間なんて、ないもんね。顔も洗わなかったし、髪も寝起きのまま。1週間同じパジャマ、3週間同じセーター&ジーンズ……いいのいいの冬だから、汗かかないし……
でも、息子は、眠る時間ない外出る時間ない着替える時間ない、黙々と座りつづけて書きつづけ、精神も肉体もぼろぼろの母親を11年見ているので、
「いやぁ、大変だわ…地獄だわ……作家にだけはなりたくないね。原稿待ってる編集者も、大変だわ。編集者にもなりたくない」
だって……
いやぁ、ランヤ本部長、よく観察してらっしゃる。
人間の生理に反する仕事です。
人間として、ぶっ壊れてないとできない仕事です。
さらに、どこまでも、ぶっ壊れつづけるしね……
多かれ少なかれ『シャイニング』のジャック・ニコルソン状態になるからね。
ちなみに今日は、『創』(2012年1月7日発売)連載エッセイ「今日のできごと」14枚を書いていて、ずっとパジャマ……家から一歩も出てません。
着替える時間なんて、ないもんね。顔も洗わなかったし、髪も寝起きのまま。1週間同じパジャマ、3週間同じセーター&ジーンズ……いいのいいの冬だから、汗かかないし……
でも、息子は、眠る時間ない外出る時間ない着替える時間ない、黙々と座りつづけて書きつづけ、精神も肉体もぼろぼろの母親を11年見ているので、
「いやぁ、大変だわ…地獄だわ……作家にだけはなりたくないね。原稿待ってる編集者も、大変だわ。編集者にもなりたくない」
だって……
いやぁ、ランヤ本部長、よく観察してらっしゃる。
人間の生理に反する仕事です。
人間として、ぶっ壊れてないとできない仕事です。
さらに、どこまでも、ぶっ壊れつづけるしね……
多かれ少なかれ『シャイニング』のジャック・ニコルソン状態になるからね。
今年は、息子の靴下5足とと靴3足(学校の上履き含む)以外は、服とか靴とかカバンとかアクセとか時計とか化粧品とか、一切買ってない。
外食もほとんどしてない。
取材以外の旅には出てない。
来年も、そうなる予感がする。
不満はない。
物欲ゼロで行く。
いつ死んでもいいように、書きかけの仕事を、書き上げたい。
できたら、構想中の作品を書き上げてから、死にたい。
地震と津波がくる前に……
外食もほとんどしてない。
取材以外の旅には出てない。
来年も、そうなる予感がする。
不満はない。
物欲ゼロで行く。
いつ死んでもいいように、書きかけの仕事を、書き上げたい。
できたら、構想中の作品を書き上げてから、死にたい。
地震と津波がくる前に……