柳美里の今日のできごと

福島県南相馬市小高区で、
「フルハウス」「Rain Theatre」を営む
小説家・柳美里の動揺する確信の日々

完全不眠3日目

2023年03月31日 23時09分00秒 | 日記
消灯の時間が怖い。
眠れる気がしない。
ギリギリまで起きていて、睡眠薬(デエビゴ)を2錠のもうと思う。

わたしの顔が、顎を二箇所切断されたという凄絶な痛みを覚えていて、身体中が緊張し、覚醒しているのだとしか思えない。

口の中の大きな縫い目と、顎全体の痺れも、ヤバい。




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流動食と眠剤

2023年03月31日 05時56分00秒 | 日記
流動食が始まりました。

上段左・牛肉の甘辛炒め
上段右・全粥
下段左・フルーツ(オレンジ)
下段右・里芋とさつま揚げの煮物

顎の骨が付くまでの2ヶ月間(5月末ぐらいまで)噛んではいけないので、流動食です。

胃に物を入れられたので睡眠薬のめる!
これで、28日、29日、30日の完全不眠を解消できる! ワーイ眠れる!
でも消灯の9時にのんだら、午前4時とかに目覚めちゃう可能性がある、と読書灯で0時まで粘って、のんだんですよ。いつものんでるデエビゴ(いつもは5mgだけど、10mgにした)を。

しかし、ゥワーッ!という自分の叫び声で目を覚まし、枕元の目覚まし時計に手を伸ばしたら午前1時半でした。
もう眠れそうにないので、そ読書灯をつけて、本を読んだり、妄想したりして、ようやく朝になりました。

眠れない夜は、長いですよね。
拷問みたいです。

夜通し点滴に繋がれているから、眠れないのかもしれない。

点滴は、いつまでですかね? 昨夜から医師や(複数いる)看護師に何度も訊いている感触だと、金・土いっぱい。日曜日は取って、シャワーを浴びてもいい、と言う人もいたけど、そう言わない看護師もいたから、今日、医師に確認してみよう。







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手術が終了しました。

2023年03月30日 12時30分00秒 | 日記
手術開始時間は、3月28日の11時半でした。
全身麻酔なので、手術中の意識はありません。
16時頃に名前を呼ばれて目覚め、ICUに運ばれました。
意識が戻り、
鼻にはチューブ、
傷口の中には血を持続的に吸引するチューブが差し込まれ、
顔にはかなりがっちりした顎固定バンド、
口には酸素マスク、
脚には着厚ストッキング、
腕には点滴、
尿道口には導尿カテーテルーー、
 
いやぁ、想像を絶していました。
一切、動けない。
痛い。
口がきけないから痛みを訴えられない。
ときどき、看護師さんが、小さな黄色いスポンジがついた棒で、舌先を湿らせ、痰を吸引してくださるのですが、自分では痰を吐くことも、唾を吐くこともできません。
水も飲めません。
口の中はカラカラです。
麻酔から目覚める時に吐いてしまったので、うがいをしたくてたまらなかったけれど、うがいもできないのです。
 
全く眠れません。
 
時計を睨み、一分経った、また一分と耐えているうちにパニックの発作が出そうになりました。つまり全ての管を引き抜いて部屋から飛び出しそうになる衝動を抑えられそうになくなったのです。
 
病院側に最初に説明しておけばよかった、と後悔しました。
 
わたしは閉所恐怖症、パニック障害、ADHDなのです。
 
3月29日の昼の12時37分までなんとか耐えました。
もう限界だと思って、看護師さんの目を盗んでスマホに手を伸ばし(顔に横に倒すことは禁じられている)この病院を紹介してくださった、矯正歯科医師にメールをしました。
 
「すみません、わたしはパニック障害があって、口を開けたまま動けない、という状況が続くと、確実に発作が出そうです。拘束具は絶対に嫌です。主治医に精神安定剤を処方していただけるように頼んでいただけないでしょうか。口がきけないので、看護師さんにそれを説明することができません。よろしくお願いします」
 
15時ぐらいに執刀医と他2名の医師がICUを訪ねてくださいました。
「想像していたより辛かったですか?」
わたしは、頷きました。
「精神安定剤は、いま、いろんなお薬を点滴で入れている関係で処方できないんですよ」
3人の医師たちは話し合いました。
そして、鼻の管と尿道カテーテルを抜いてもらえることになりました。
 
起き上がれる!
おしっこはポータブルトイレでできる!
シリンジで口に水をいれてぶくぶくをして膿盆に吐き出せる!
シリンジやストローで少しずつ水を飲むことに挑戦できる!
 
わたしは、俄然、元気を取り戻しました。
(チューブが減ったわたしの写真)


そして、さらに医師と話し合い、
3月30日(今日)の午前中に顎固定バンドと、傷口の血を持続吸引する2本のチューブを抜いてもらいました。
 
小躍りしたい気持ちです。
さっそく、自動販売機に行き、水を2本買って、いまストローで少しずつ飲んでいます。
午後には、ICUから元の個室に戻れるってさ!
 


あと2日ぐらいしたら、医師からシャワー許可が出るはずなので、(点滴針が腕が曲がらないとこに刺さってるから髪を洗うのは難しいな)看護師さんに点滴刺入部の防水処理をしてもらい、体を洗える!
 
来週頭には点滴が抜けるはずなので、仕事を再開できる。
 
退院はいつかなぁ?
 
(顔は腫れてますよ。唇も腫れているし、頬っぺたにはなんかの傷があるし、口の中は傷だらけです。もごもごとしかしゃべれない。しゃべっても、意味は取ってもらえないと思う)
 


いま、困っているのは、片手でバレッタで髪をとめられない、髪ゴムで結べないこと。シャワー浴びる時や、顔を洗う時に髪が落ちてくると困るんですよね、想像が及ばなかった、むぅ……
 
でも、管を取ってもらいパニック発作が出ないでよかった!
 
みなさま、ご心配をおかけして申し訳ありませんでした。
 

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入院しました。

2023年03月27日 14時20分00秒 | 日記
今朝、とある病院に入院しました。
明日、全身麻酔による(切端咬合と顎関節症の治療のため)顎の骨切手術を行います。
3番目なので正午前後になるそうです。

さっき、病室でお昼ごはんを食べました。

晩ごはんも普通に食べていいそうです。

今夜を最後に2ヶ月程度は咀嚼が必要なものは食べられないそうなので、ゆっくり味わって食べます。

(術後は鼻からのチューブと点滴。傷が治ってきたら流動食)

わたし、わりかし、病院食、好きです。
栄養バランスがとれてて、いいじゃないですか。
病院生活も痛みを抜きにすれば、静かでいいです。
(明日、明後日は集中治療室です。考えないようにしてるけど、痛いんだろうな……)

食後に、大船渡の岩渕正之さんからいただいた、かもめの玉子(紅茶味)を食べました。
(お菓子もしばらく食べられないし……)

岩渕さん、ごちそうさまでした。
いつも助けてくださり、ありがとうございます。







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2023年03月22日 02時45分29秒 | 日記
今朝方、久しぶりに東由多加が夢に出てきた。

夢、というか、わたしが寝ているベッドも、部屋の細部も、全てがそっくりそのまま現実なんですよ。ただ、足もとの布団が不自然に盛り上がってて、あれ? なんだ?と思って、そうっと布団をめくったら、いたんです、東が、両膝をかかえて……

でも、いま、ここで、東と暮らすわけにはいかないし、どうしよう? どうする? どうすればいいんだろう? と困ってしまって……

そしたら、東はすうっと消えてしまった。
目覚めた瞬間、無意識から意識に後悔が浮かび上がり、今日一日悲しい気持ちでいっぱいだった。

お彼岸の最中に、せっかく姿を現してくれたのに、ひと言も言葉を交わすことが出来なかったなんて……

東の命日は、2000年4月20日です。

今年は、RainTheatreと常磐線舞台芸術祭を実現させなきゃならないし、顎の手術も控えているから、日程的にも経済的にも東のお墓参りをする(長崎に行く)ことは出来ないけれど、RainTheatreは、必ず、誕生させます。

人生の大半を劇場で過ごした東はきっと喜び、芝居を観にきてくれるに違いない。









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顎の手術を受けます。

2023年03月21日 18時06分00秒 | 日記
話すと長くなるので、ここに至るまでの詳しい経緯は話しませんが、
子ども時代の歯列矯正の失敗による
切端咬合・顎関節症がひどくなり、
いま手術をしないと取り返しがつかない状態(現状もなかなか辛い状態)なので、
下顎の骨切り手術を受けます。

3月24日 病院近くのホテルにチェックイン
25日 PCR検査後、ホテルに自主隔離
26日 ホテルに自主隔離
27日 入院・検査
28日 全身麻酔手術・集中治療室
29日 集中治療室
30日 集中治療室
31日 一般病棟に移動
4月1日〜8日 入院

順調に行けば、4月8日に退院できる予定ですが、顔面がかなり腫れ上がるし、口が動かせないので、4月中は通常の会話・飲食はできないでしょう。

わたしが手術・入院中に、
息子の柳丈陽は、ミニシアター・小劇場「Rain Theatre」オープンの準備を進めなければならないし、「常磐線舞台芸術祭」を開催するための諸々を固めなければなりません。


関係者のみなさんには多大なご迷惑をおかけいたしますが、スケジュールを睨むとこのタイミングしかないので、何卒よろしくお願いいたします。

(小説は手術まで書き進めるし、集中治療室から出たら、スマホで書き進めます。なんとしても、退院までに脱稿したい……)

そして、ここからが、本題なのですが、

手術前に、お願いがあります。

もちろん、わたしの手術費を集めるカンパのお願いなどではありません。

「Rain theatre」をオープンに漕ぎ着けるためにみなさまのお力が必要なのです。

3月21日現在、
75名の方に、
142万500円のご寄付をいただいています。

Rain Theatreのオープンは、
4月20日の予定です。

目標額は2815万円。
1ヶ月を切りました……

「ご寄付のお願い」をお読みいただいた上で、ご友人やご家族にお知らせいただけると、嬉しいです。







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十三回忌の前日に…

2023年03月10日 13時50分00秒 | 日記
ブログを1年近く更新していないにもかかわらず、毎日500〜1000人の方に訪れていただき、申し訳ないやら有難いやらで、いま、困った顔をしています。
 
Twitterのフォロワーは6万9千5百人いますが、アンチもかなり混ざっているし、なんとなくフォローしとこうか、という方も多いと思います。
 
でも、このブログを訪れるのは、長年、柳美里の小説を読みつづけてくださっている読者のみなさんです。
 
そう思って、本日3月10日、東日本大震災の前日に、みなさんにお願いをします。
 
(明日は、東日本大震災で命を失った方々の沈黙に寄り添い、沈黙のうちに悼み、祈る日にします)
 
2022年は、わたしのもとに不運と不幸が訪れました。
 
1月末のオミクロン感染から始まり、3月16日のM7.4(震度6強)の地震で我が家とブックカフェ「フルハウス」の店舗は再び「一部損壊」となってしまいました。
2021年2月13日の福島県沖を震源とするM7.3(震度6強)の地震で、既に「一部損壊」となっていたのです。借金をして建物を補修し、破損・廃棄した様々なものを購入し直したのですが、1年後に再びーー)
 
詳しくは書きませんが、その後も不運と不幸は絶え間なくつづき、どうしてこんなにつづくんだろう? どうして?と気が付けば空を見上げていることが多かった。
 
 状態がひどくなり、1年間で僅か(400字詰め原稿用紙)20枚しか書けませんでした。
 
昨年末に、ダメ押しのような事件が起き、(なにがあったんだ?と思われた方は、Twitterのタイムラインを遡ってください)心身共に打ちのめされましたが、
2022年から2023年に変わった節目の力を借りて、わたしは、2020年からコロナのパンデミックで開催延期をしていた「常磐線舞台芸術祭」を実現すべく、現在急ピッチでプログラム作り、組織作り、資金集めを進めています。
 
 
「常磐線舞台芸術祭」の開催期間は、7月31日〜8月13日までの2週間です。
 
その前に、フルハウス裏の古い倉庫を、ミニシアター兼小劇場「Rain theatre」として生まれ変わらせなければなりません。
 
福島県の相双地区は、巨大地震、大津波、12年が経ってもおさまらない余震、原発事故の諸々の影響、難問続きの廃炉作業、台風による水害、コロナの感染拡大などによって、「復興」に向かおうとするたびに突き飛ばされて躓いたり倒れたりしてきました。
 
よく、「未曾有の複合災害」と言われますが、「未曾有」の被害に対しては、統計やノウハウや緻密さだけでは太刀打ちできません。
 
旧「警戒区域」で、帰還住民3割(約3800人)の南相馬市小高区で、本屋を開くこと、飲食店を経営すること、劇団を旗揚げすること、その全てを「無謀」だと反対されてきましたが、わたしは一つ一つ実現してきました。
 
原発周辺地域に必要なのは、まさに断固とした「無謀さ」だと考えています。
 
この3年間、「三密を避ける」「ソーシャルディスタンス」「不要不急の外出をしない」などの感染予防策が、政府や地方自治体によって呼び掛けられてきました。
感染予防策としては正しいのですが、原発事故によって人と人との繋がりを寸断された旧「警戒区域」に最も不足しているものは、まさに「密」なのです。
 
帰還者、避難者が最も必要としているのは人と人との「親密な繋がり」なのです。
 
「Rain theatre」は、座席数50の小劇場•ミニシアターですが、「未知との遭遇」の瞬間を生み出したいと思っています。  
  
演劇、映画、コンサート、朗読会、実演会、トークセッション、ポートフォリオレビュー、ワークショップによって、他者が創り出した世界にぎりぎりまで接近し、時にはその世界に飛び込み、自分ごと全部持って行かれるような体験をする。
 
「未知との遭遇」とは、「他者との出遇い」に他なりません。
 
わたしたちは、自分の心が悲しみや苦しみなどの感情に大きく波立っても、それを悟られまいと普段と変わりなく日常生活を営んでいます。
でも、その感情は抑制されているだけで、無くなりはしません。独りであまりにも大きな悲しみや苦しみを抱え込むと、感情が暴発して心が壊れてしまうこともあります。
 
ブックカフェ「フルハウス」は、誰にも打ち明けられない悲しみを抱えた方々の「悲しみの器」として、どこにも居場所が無いと感じている方々の「魂の避難所」としての役割を担ってきました。
 
ミニシアター兼小劇場「Rain theatre」が担うのは、人と人とを隔てる心の距離を踏み越える、人と人との「親密さ」を取り戻す場所としての役割です。
 
3月10日現在、
61名の方に、
94万6千円のご寄付をいただいています。
 
ありがとうございます。
 
目標額は2815万円です。
 
「Rain theatre」のオープン予定日は、
4月20日、東由多加の命日です。
 
あと1ヶ月ちょっとしかない、と考えるよりは、まだ1ヶ月以上ある、と考えて、
わたしは、みなさんにお願いをします。
 
まず、「ご寄付のお願い」を読んでください。
ご協力いただけると、嬉しいです。
 
さらに、ご友人やご家族にお知らせいただけると、もっと嬉しいです
 
きっと、実現できます。
 

https://sites.google.com/site/yumiribibliographicdata/OSPA


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