ブログを1年近く更新していないにもかかわらず、毎日500〜1000人の方に訪れていただき、申し訳ないやら有難いやらで、いま、困った顔をしています。
Twitterのフォロワーは6万9千5百人いますが、アンチもかなり混ざっているし、なんとなくフォローしとこうか、という方も多いと思います。
でも、このブログを訪れるのは、長年、柳美里の小説を読みつづけてくださっている読者のみなさんです。
そう思って、本日3月10日、東日本大震災の前日に、みなさんにお願いをします。
(明日は、東日本大震災で命を失った方々の沈黙に寄り添い、沈黙のうちに悼み、祈る日にします)
2022年は、わたしのもとに不運と不幸が訪れました。
1月末のオミクロン感染から始まり、3月16日のM7.4(震度6強)の地震で我が家とブックカフェ「フルハウス」の店舗は再び「一部損壊」となってしまいました。
(2021年2月13日の福島県沖を震源とするM7.3(震度6強)の地震で、既に「一部損壊」となっていたのです。借金をして建物を補修し、破損・廃棄した様々なものを購入し直したのですが、1年後に再びーー)
詳しくは書きませんが、その後も不運と不幸は絶え間なくつづき、どうしてこんなにつづくんだろう? どうして?と気が付けば空を見上げていることが多かった。
鬱状態がひどくなり、1年間で僅か(400字詰め原稿用紙)20枚しか書けませんでした。
昨年末に、ダメ押しのような事件が起き、(なにがあったんだ?と思われた方は、Twitterのタイムラインを遡ってください)心身共に打ちのめされましたが、
2022年から2023年に変わった節目の力を借りて、わたしは、2020年からコロナのパンデミックで開催延期をしていた「常磐線舞台芸術祭」を実現すべく、現在急ピッチでプログラム作り、組織作り、資金集めを進めています。
「常磐線舞台芸術祭」の開催期間は、7月31日〜8月13日までの2週間です。
その前に、フルハウス裏の古い倉庫を、ミニシアター兼小劇場「Rain theatre」として生まれ変わらせなければなりません。
福島県の相双地区は、巨大地震、大津波、12年が経ってもおさまらない余震、原発事故の諸々の影響、難問続きの廃炉作業、台風による水害、コロナの感染拡大などによって、「復興」に向かおうとするたびに突き飛ばされて躓いたり倒れたりしてきました。
よく、「未曾有の複合災害」と言われますが、「未曾有」の被害に対しては、統計やノウハウや緻密さだけでは太刀打ちできません。
旧「警戒区域」で、帰還住民3割(約3800人)の南相馬市小高区で、本屋を開くこと、飲食店を経営すること、劇団を旗揚げすること、その全てを「無謀」だと反対されてきましたが、わたしは一つ一つ実現してきました。
原発周辺地域に必要なのは、まさに断固とした「無謀さ」だと考えています。
この3年間、「三密を避ける」「ソーシャルディスタンス」「不要不急の外出をしない」などの感染予防策が、政府や地方自治体によって呼び掛けられてきました。
感染予防策としては正しいのですが、原発事故によって人と人との繋がりを寸断された旧「警戒区域」に最も不足しているものは、まさに「密」なのです。
帰還者、避難者が最も必要としているのは人と人との「親密な繋がり」なのです。
「Rain theatre」は、座席数50の小劇場•ミニシアターですが、「未知との遭遇」の瞬間を生み出したいと思っています。
演劇、映画、コンサート、朗読会、実演会、トークセッション、ポートフォリオレビュー、ワークショップによって、他者が創り出した世界にぎりぎりまで接近し、時にはその世界に飛び込み、自分ごと全部持って行かれるような体験をする。
「未知との遭遇」とは、「他者との出遇い」に他なりません。
わたしたちは、自分の心が悲しみや苦しみなどの感情に大きく波立っても、それを悟られまいと普段と変わりなく日常生活を営んでいます。
でも、その感情は抑制されているだけで、無くなりはしません。独りであまりにも大きな悲しみや苦しみを抱え込むと、感情が暴発して心が壊れてしまうこともあります。
ブックカフェ「フルハウス」は、誰にも打ち明けられない悲しみを抱えた方々の「悲しみの器」として、どこにも居場所が無いと感じている方々の「魂の避難所」としての役割を担ってきました。
ミニシアター兼小劇場「Rain theatre」が担うのは、人と人とを隔てる心の距離を踏み越える、人と人との「親密さ」を取り戻す場所としての役割です。
3月10日現在、
61名の方に、
94万6千円のご寄付をいただいています。
ありがとうございます。
目標額は2815万円です。
「Rain theatre」のオープン予定日は、
4月20日、東由多加の命日です。
あと1ヶ月ちょっとしかない、と考えるよりは、まだ1ヶ月以上ある、と考えて、
わたしは、みなさんにお願いをします。
まず、「ご寄付のお願い」を読んでください。
ご協力いただけると、嬉しいです。
さらに、ご友人やご家族にお知らせいただけると、もっと嬉しいです
きっと、実現できます。
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