柳美里の今日のできごと

福島県南相馬市小高区で、 ブックカフェ「フルハウス」を営む 小説家、柳美里の動揺する確信の日々

第31回みんゆう県民大賞「ふるさと創生賞」

2021年05月05日 20時59分31秒 | 日記

第31回みんゆう県民大賞(福島民友新聞社主催)を受賞しました。芸術文化賞ではなく、ふるさと創生賞であることが、とてもうれしいです。

みんゆう県民大賞は、福島県内の各市町村からの推薦によって候補者が選出されます。最終審査は福島県副知事を座長に、福島大学長、JA福島五連会長、福島県商工会議所連合会長、福島県婦人団体連合会長、福島県社会福祉協議会副会長、福島県教育庁参事、福島民友新聞社社長によって行われます。

福島県の出身者ではない、よそもののわたしを「県民大賞」に、しかも「ふるさと創生賞」に選んでくださり、感謝いたします。

毎年、春は、東日本大震災の3月11日と、東由多加の命日の4月20日があるので、心身のバランスを大きく崩します。

今年も寝込んでいました。

仕事に全く手がつけられず、事務的なメールやLINEの返信や、いただきもののお礼状を書くことすらできませんでした。

復調しつつあるので、福島を舞台にした新しい小説を書き始めます。

そして、自宅で営業しているブックカフェ「フルハウス」の裏の倉庫を劇場・ミニシアター「La MaMa ODAKA」として整備する計画を進めていきます。
https://www.minyu-net.com/news/news/FM20210430-610657.php

フルハウスの開店4周年記念日、2022年4月9日に、La MaMa ODAKAで柿落としのイベントを実現したい、と考えています。

わたしは、これからも、南相馬市の臨時災害放送局で(2012年2月〜2018年3月)地元の方々600人のお話を自分の全存在を傾けて聴いた時のように、ここ、福島県南相馬市小高区で、この地で生きるひとが歩んできた道程と向かい合います。その道程において歩むことに疲れた時、もう歩けない、歩くのをやめたい、と思った時に、一時的に足を休めることができる魂の避難所のような場所を創ります。

みんゆう県民大賞「ふるさと創生賞」、ありがとうございます。


メディア出演情報

2021年03月01日 16時28分11秒 | 日記

【テレビ】3月3日(水)22:00-22:30
NHK総合「クローズアップ現代」
https://www.nhk.or.jp/gendai/schedule/
番組ダイジェスト→ https://www.nhk.or.jp/gendai/articles/4522/index.html
ロングインタビュー→ https://www.nhk.or.jp/gendai/kiji/197/index.html

 

【ラジオ】3月5日(金)8:30~
NHKラジオ「らじるラボ」
斉藤由貴さんゲスト回に、少しだけ出演します。
https://www4.nhk.or.jp/radiru-lab/

 

【ラジオ】3月5日(金)21:05-21:55
NHKラジオ「高橋源一郎の飛ぶ教室」
ゲスト出演します。
https://www4.nhk.or.jp/gentobu/
→ 菅首相の記者会見のため、放送が延期されました。

 

【テレビ】3月6日(土)13:30~
福島中央テレビ「ゼロからイチへ」
テレビ岩手、ミヤギテレビでも同時放送。福島のゲストとして出演します。随時、全国でも放送されます。詳しくは「各地での放送予定」をご確認ください。
https://www.mmt-tv.co.jp/program/zero_one/

 

【テレビ】3月6日(土)15:35-16:35
NHK総合「花は咲くスペシャル 歌が紡いだ10年の物語」
朗読版である「花は咲く2021」を始め、メイキングなども放送予定です。

 

【ラジオ】3月7日(日)10:00-10:30
Tokyo FM「Melodious Library」
小川洋子さんの番組に「JR上野駅公園口」が取り上げられます。
全国38局ネットで放送され、福島県はふくしまFMで聴取できます。
https://www.tfm.co.jp/ml/

 

【テレビ】3月7日(日)23:00-23:30
テレビ「情熱大陸」
尾崎世界観さんの回に、少しだけ出演します。
https://www.mbs.jp/jounetsu/2021/03_07.shtml

 

【ラジオ】3月7日(日)24:00-26:00
J-WAVE「RADIO SAKAMOTO」
坂本龍一さんが療養中のため、 ピンチヒッターの大友良英さんと対談をしました。
https://www.j-wave.co.jp/original/radiosakamoto/


一部損壊

2021年02月21日 18時02分00秒 | 日記
2月13日の福島沖地震の、
り災証明書が届きました。

一部損壊、と認定されました。

一部損壊の内容は、以下の通りです。

家屋、離れ、蔵の外壁と内壁にヒビが入っています。
風呂釜や流し台が破損し、水がたまりません。
あとは、壁に穴が開いたとか、カーテンレールがはずれたとか、電気スイッチが破損して電気点滅が出来ないなどなど細かい損壊はいっぱいあります。

でも、地震被害に遭っているお宅が多数あり、どの工務店も数百件待ちという状況なので、復旧工事の依頼を出来ずにいます。

しばらく様子を見て、
知り合いの工務店に依頼しようと考えています。

また、大きい地震が来るかもしれないし……










毀れ物

2021年02月21日 17時41分00秒 | 日記
ブックカフェ「フルハウス」と店舗厨房の片付けを優先して、2月18日に営業を再開しましたが、後回しにした自宅部分はとりあえず壊れたものをまとめてあるだけです。
明日は定休日なので、軽トラをレンタルできたら、「災害ゴミ」となった家具や電化製品や食器等等を原町のクリーンセンターに捨てに行こう、と話し合っています。2往復、では済まないかな、とーー。

陶器やガラス製品は、ことごとく割れましたね。

悲しいので、壊れたもののことは、
あまり見ないようにしてます。
壊れる運命にあったのだな、と。
そう思って、諦めるしかないからね……









地震

2021年02月14日 03時28分00秒 | 日記
地震が起きました。

家の中はとにかくめちゃくちゃで、片付けに時間がかかるし、どう片付ければいいか途方に暮れるものもあるし、大事にしていたものもたくさん壊れて、本や植木や食器も……
今回のが前震で、次のが本震かもしれないし……

でも、寝よ。
頭が割れそうに痛いんですよ。
寝れるうちに寝ときます。
薬のみました。

また、地震だ。
揺れてる……











番組放送のお知らせ

2021年02月13日 14時02分00秒 | 日記
何か大きな事件がない限り、
明日、2月15日(月)
NHK総合「ニュースウオッチ9」で、
「作家 柳美里さんと震災10年」という特集が放送されます。

次回作『JR常磐線夜ノ森駅』についても語ったので、是非ご覧になってください。


https://www.nhk.jp/p/nw9/ts/V94JP16WGN/





わたしは、ちょっと南相馬を離れて、東北のとある宿で原稿を書いています。

海のそばです。

良い天気なので、これから、走ってきます。

『JR上野駅公園口』について

2020年12月10日 13時36分00秒 | 日記
本日のNHK「シブ5時」で、
全米図書賞(翻訳文学部門)を受賞した『JR上野駅公園口』(「TOKYO UENO STATION」モーガン・ジャイルズ訳)について語ります。

17時30分頃から、です。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201210/k10012756441000.html

着いた。

2020年12月04日 21時09分00秒 | 日記
ホテルの部屋で、天井見てます。

コンビニにヨーグルト買いに行きたいんだけど、疲れて動けない。





フルハウスでランチを!

2020年12月04日 19時52分00秒 | 日記
今日と明日、わたしは出張で小高を留守にします。

明日土曜日、ブックカフェ「フルハウス」は、午前11時〜午後6時まで営業します。
飲食のラストオーダーは午後4時半なので、お早めにお越しください。

日曜と月曜は定休日です。

(写真は、フルハウス人気メニューのソルロンタンと地場野菜たっぷりのチキングラタン。寒い日に、ふうふう、あふあふしながら召し上がれ)










日を数えてみる。

2020年12月04日 19時28分00秒 | 日記
全米図書賞を受賞して16日目、
ブックカフェ「フルハウス」をリニューアルオープンして3日目になります。

大変な日々でした。

この2つが重なったんだから、大変なんてものじゃない。

『JR上野駅公園口』のインタヴュー、色紙100枚、サイン本1000冊以上、フルハウスのメニュー固め、買い出し、清掃、飾り付け、オープンの取材対応、清掃と家事、サイン本作り……

とうとう、副店長の雪歩さんは、過労とストレスでダウンしてしまいました。
昨日、今日と、小高病院、半谷医院で検査してもらった結果、問題はないということなので、おそらく、来週から元気を取り戻せると思います。

いやぁ、大変だった……

猫はいいなぁ、と3びきの猫たちを横目で眺めながら走り回る日々……

そう、毎日、走ってたんですよ、家の中を。

この山を越したら、ランニングと筋トレとバレエを再開して、先ず体を整えよう。

それから、書く。

小説を書く。






JR上野駅公園口

2020年11月23日 12時01分00秒 | 日記

「山狩り」が終わった。
雨の匂いがする。雨は降っている最中より、上がった直後の方がよく匂う。東京はどこもかしこもアスファルトで覆われているけれど、公園の中には木と土と草と落ち葉があって、雨がそれらの匂いを引き出しているのだろう。
三十代の頃、残業は二割五分増しだったから毎日残業をした。雨上がりの夜、駅に向かって歩いていると、勤め帰りのサラリーマンの波に呑まれ、この人たちは家族の待つ家に戻るのだな、とネオンがてらてら反射する濡れたアスファルトを泥靴で踏みながら雨の匂いを嗅いだ――。
西の空は雲の裂け間から陽が射していたが、東の空にはまたいつ降り出してもおかしくないような雨雲が垂れ込めていた。
水のせせらぎのような音がして、文化会館の方を見たが、雨樋から水が落ちているのか、空調の中を水が回っているのかは判らなかった。
空を見上げ、雨の匂いを嗅ぎ、水音を聞ているうちに、いまこれから自分がしようとしていることをはっきりと悟った。悟る、という言葉を思い付くのは、生まれて初めてだった。何かに捕らわれてそうしようというのではなく、何かから逃れてそうしようというのではなく、自分自身が帆となって風が赴くままに進んでいくような――、寒さや頭痛はもう気にならなかった。
公孫樹の葉の黄色が溶かした絵の具のように目に流れ込んできた。いま舞っている葉も、雨に濡れ人に踏まれた葉も、まだ枝に付いている葉も、一葉一葉が勿体ないほど黄色く輝いて――。
ホームレスになってからは、落ちた銀杏の実にしか目がいかなかった。ビニール手袋をはめて一つ一つ拾い上げ、レジ袋がいっぱいになったら水飲み場に持っていって臭い皮の部分を洗い落とし、新聞紙の上に広げて干して、アメ横でキロ七百円で引き取ってもらう――。
ひゅうっと木枯らしが吹き、視界一面に黄色い葉が舞い散った。巡り変わる季節とはもう関わりを持つことはない――、それでも光の使者のような黄色から目を離すことは惜しい気がした。
ピヨッ、ピヨピヨッと視覚障害者用の誘導音がして山下通りの向こうを見ると、信号が青に変わっていた。横断歩道を渡る。
ポケットから小銭を取り出し切符を買う。
JR上野駅公園口の改札を通る。
案内板の「東北新幹線はやて 新青森行き」の文字が目に入り、あれに乗れば四時間半後には鹿島の駅に着く――、と思ったが、その揺らぎは鼓動の一つが受け止め、もう望郷の念で胸が高鳴ったり、胸が締め付けられたりすることはなかった。
いくつもの道が過ぎ去った。
目の前には一つの道しか残されていない。
それが帰り道かどうかは、行ってみないとわからない。
山手線内回りの2番線の階段を下りていく。
プォォォン、ゴォー、ゴトゴト、ゴトゴトゴト、ゴト、ゴト……階段の中頃で一人の女とぶつかりそうになった。赤いコートに少女のようなおかっぱ頭が映える小柄な三十代半ばぐらいの女……ゴットン、ゴットン、ゴ、トン、ゴ……携帯電話の画面に顔を近付けたまま階段を上ってきて、直前に弾かれたように気付き、あ、すみません、と青白く生彩のない顔で謝った。ホームレスだ、というような驚きが一瞬掠めた女の顔には、願いが挫かれたばかりのような翳りがあった。階段が終わりに近付いた時に足を止め振り向いてみると、赤いコートの背中は階段を上り切ったところだった……トン、ブーン、ルゥー、ブシュウーキキ、キキ、キィ、キ……キ……キ……ゴトッ……シュー、ルルル、コト……彼女が目撃しないで済んだ、ということに少しほっとした。彼女の携帯電話に届いた知らせは凶報だったのだろうが、たぶん、今夜は眠るだろうし、朝起きれば顔を洗って何かを食べるだろうし、化粧と着替えをして出掛けるだろう。そうやって人生は続いていく。暦には昨日と今日と明日に線が引かれているが、人生には過去と現在と未来の分け隔てはない。誰もが、たった一人で抱え切れないほど膨大な時間を抱えて、生きて、死ぬ――。
山手線内回りを一本見送り、次の電車が到着するまでの三分間、自動販売機で炭酸のジュースを買って、二口だけ飲んでゴミ箱に捨てた。

「まもなく2番線に池袋・新宿方面行きの電車が参ります、危ないですから黄色い線までお下がりください」

黄色い線の上に立って目を閉じ、電車が近付いてくる音に全身を傾けた。
プォォォン、ゴォー、ゴトゴト、ゴトゴトゴト、ゴト、ゴト……
心臓の中で自分が脈打ち、叫び声で全身が撓んだ。

 
 










 

JR常磐線小高駅

2020年11月23日 09時42分00秒 | 日記
今日は、仙台に用事があり、いま、常磐線に乗っています。常磐線はがら空きなので、行き帰りの車内で、ごはんを食べながら原稿を書くことがきます。








おはようございます。

2020年11月23日 09時36分00秒 | 日記
11月19日の朝に、『JR上野駅公園口』全米図書賞を受賞して、4日が経ちました。



なかなか大変な4日間で、
芥川賞を受賞した28歳の時のことを、思い出しました。
あれから、24年が過ぎましたが、
28歳の自分は、
全米図書賞を受賞することも、
福島県南相馬市小高区で暮らすことも、
ブックカフェを営むことも、
息子(もうすぐ21歳!)を持つことも、
全く予想していませんでした。
人生って、予想が外れるから、面白い。
そして、わたしの場合、年々予測不可能になっていく。
5年後、10年後の先行きが見通せないことに、わくわくドキドキしている自分がいる。

いまは、ですね、全米図書賞の取材対応と、
12月2日にリニューアルオープンするフルハウスのブックカフェの準備に追われています。
(カフェは、新型コロナウイルスのパンデミックで、4月28日から休業し、本屋のみで営業を続けていました)

是非、ブックカフェ・フルハウスにいらしてください。

(写真は11月19日午前6時23分。全米図書賞発表直前。フルハウス店内のZoom画面の中のわたし。さすがに緊張している)








全米図書賞の発表&授賞式

2020年11月19日 08時07分15秒 | 日記

フルハウス副店長の雪歩です。

このあと午前9時から全米図書賞の発表&授賞式です。

柳美里の『Tokyo Ueno Station(JR上野駅公園口)tr.Morgan Giles』が最終候補になっています。

Facebookライブ、Youtubeライブでの配信もあるようです。

リアルタイムで一緒に緊張して待ちましょう!

https://twitter.com/nationalbook/status/1329064596565536772


ふしぎ

2020年11月06日 07時28分00秒 | 日記
ときどき、自分が、縁もゆかりもない小高で暮らしていることを不思議に思う。

でも、日本で暮らしていること自体、縁もゆかりもなかったわけだから、そんなに不思議じゃないか……

わたしは流れ者に生まれついたから、
流れて生きて、流れて死んでゆく