買った時の花芽は、オオスカシバの蛹のような形状で、それと気付かないくらい地味なんですが、やがてピーナッツの渋皮みたいにひと皮剥けて、絹のように滑らかな白い毛で覆われた花穂があらわれます。
ちょっと鱗翅目の羽化に似ていますね。
猫柳は、雌雄異株で、雄株と雌株がそれぞれ雄花と雌花を咲かし、花穂は雌花より雄花の方が大きくなります。
この花穂は、オレンジ色の葯(やく)の付いた長い糸のような雄しべがあるので、雄花です。
既に葯が開き、黄色い花粉を出していますが、残念ながらもう1本も雄花なのです。
雌花には、短い糸のような黄色い雌しべが付きます。
開花の後、果実を付け、熟すと弾け、柳絮(りゅうじょ)と呼ばれる綿毛に包まれた種を出します。
ビーカーに移して、発根させました。
もう少ししたら、挿し木にして庭に植えます。
10年前のお正月に生けた後に植えた猫柳(雌株)は、3メートルほどに成長しています。
明日、写真を撮ってアップしますね。
お正月の花の予算は、毎年1000~1500円。
今年は、1300円使いました。
菊を中心に買って、後の楽しみのために、必ず猫柳の枝を1、2本入れます。
買った花に合わせて、庭から万両や裏白を調達して、剣山に生けていきます。
たぶん、3月頭まではもちます。
もたせます。
毎日水を取り替えています。
傷んだ葉や茎や花は切っていきます。
20代のとき、何度か胃潰瘍と十二指腸潰瘍で入院生活を送ったのですが、
吐血しながらも、わたしは花瓶の水を取り替えていました。
切り花は、根から抜いたのではなく、茎を切って命を絶ったのだから、
可能な限り持たせてやりたい、と思うのです。
薔薇は、木立ち性(ブッシュ・ローズ)、半つる性(シュラブ・ローズ)、つる性(クライミング・ローズ)の3タイプに分けられ、わたしは断然クライミング・ローズが好きなんですが、
シュラブ・ローズも何種類か育てています。
シュラブは、枝を長く伸ばせばクライミング・ローズのようにも仕立てられるし、短く切り詰めればブッシュ・ローズのように仕立てることもできるのですよ。
「クレシダ」は、1983年にイギリスで作出された比較的新しい薔薇です。
1602年に書かれたとされるウィリアム・シェイクスピアの悲劇『『トロイラスとクレシダ』(Troilus and Cressida)に因んだ名前なのでしょうね。
昨日の雪にも堪えてくれました。
あと1週間ほどでアプリコットピンクの花を咲かせてくれることでしょう。
(わたしの1番好きな薔薇の色は白、2番目は赤葡萄酒色、杏色は3番目ですかね)
クレシダの台詞です。
この金髪をかきむしり、バラ色の頬を引っかき、
美しい声を嗚咽でひび割らせ、トロイラスの名を叫んで心臓を破裂させましょう。
私はトロイを離れません。
『トロイラスとクレシダ』 訳=小田島雄志 シェイクスピア全集 白水Uブックス
「ずっと念仏となえてたよ……恐すぎるよ……ときどきタケ~タケ~って叫ぶんだよ……」
南無阿弥陀仏を称えていた、というのです。
「で、途中で念仏から法華経に変わったんだよ、いい加減にしろよ、と思ったね」
南無阿弥陀仏から南無妙法蓮華経に変わった、というのです。
「しかも、最後は合体したんだよ。『な~む、なむなむ、南無阿弥法蓮華経』って、どんな夢だよ、いったい!」
はっきりとは覚えていないのですが、地震と津波に襲われて、息子とふたりで雲の上に避難したら、狭い雲の上に悪霊がたくさんいたから、手を合わせて祈った……
次は主の祈りだ、と思ったんですよ。
主の祈りまで称えだしたら……
恐い、ですね……
今度、枕の横にICレコーダーを置いて寝てみようかな。
うまく録れたら、アップしますね。
乞うご期待!
パ フィオは、東南アジアを中心にインド、中国南部からニューギニア島、ブーゲンビル島にまで分布し、主に石灰岩地帯に地生している蘭です。
19世紀半ばに交配種が作出されてから改良を重ねられ、数多くの交配種が生み出されました。
唇弁(リップ)が袋状で 花弁(ペダル)が横に突き出す姿が特徴的ですが、
我が家の「シャーマイン」は1ヶ月前に咲いたので、花弁がずいぶんと下垂してきています。
「パフィオペディラム」(Paphiopedilum)」は、ギリシア語の「paphos(パフィア)」(女神ビーナスの古都)と「pedilon(ペディロン)」(サンダル)とに由来し、「女神パフィオスのサンダル」という意味だそうです。
英名も「ladys slippers(レディース スリッパ)」で、下部のリップをスリッパに見立てての命名です。
このスリッパを履ける、てのひらに載るくらいの妖精の姿を想像するのは、楽しいです。
今年のパフィオは、リップの先端が2つに分かれました。
これは、いわゆる、奇形ですね。
蘭は環境条件に合わせて形や生活様式を変えることによって分布の範囲を広げてきた植物なので、
変異は珍しくないと思いますが、わたし、専門家ではないからな……
これって、珍しい奇形ですか?
我が家では蘭が開花しはじめていますが、花は音を立てません。
静かに積もり、静かに咲いています。
我が家の蘭、震災前は200鉢を越えていました。
震災後から福島に通うようになって庭仕事を怠った結果……
現在は、80鉢くらいですかね。
レベッカノーザンは、うっすらとピンク色で、リップの先端が毛状になるのが、バレリーナのようで美しい……
ほとんど世話をしていないのに、今年も咲いてくれて、ありがとう。
カタセツム属は、雌雄異花で、栽培下では雌花が滅多に咲かないので交配は難しく、人工交配種の数は少ないのですよ。
今朝、わたしは自分の怒鳴り声で目を覚ましました。
「ほっんと、まじイミフ!」
と、叫ぶ自分こそイミフです。
昨年末、左奥歯の痛みで掛かり付けの歯科に駆け込んだのですが、
なんと、睡眠中に歯を食い縛り、奥歯を噛み砕いてしまった、ということなのです。
通常でも、固い食べ物を噛んだりする時は1本の歯に30~50㎏の負荷がかかると言われています。
それが、ここ一番という時になると――、たとえば、スキージャンプをする瞬間などは、自分の体重を超える力が一本の歯にかかってしまう、とな――。
(重量挙げなんかは、何kgになるんでしょうか?)
だから、スポーツ選手は(有酸素運動では、呼吸の妨げとなる場合があるので、使用しない)マウスピースをして試合に臨むのです。
わたしは、食い縛りから歯を守るために、就寝時にマウスピースを装着しています。
食い縛りは、精神的なストレスから起こるそうです。
物書きにストレスは付き物ですから、ね……
ストレスやプレッシャーを避けたかったら、書くのをやめればいいだけの話ですから、ね……
しかし、わたしの食い縛りは常軌を逸しているようで、遂に、マウスピースを噛み切ってしまったのです。
(主治医のT先生に、固いマウスピースを新調していただきました)
そして、奥歯を噛み砕いた……
自主拷問だ……
次に歯肉が腫れて痛みが出たら、抜歯しましょう――、とT先生と対策を話し合いました。
(奥歯を抜いたら、わたしは何で食い縛ればよいのでしょうか? これから、いったい何本の歯を噛み砕くのでしょうか?)
寝ているあいだも、闘いつづけているわたし……
片時も休まらない……
講談社から出版予定のノンフィクション作品『警戒区域』(仮題)を書き進めています。
3月6日までに脱稿しなければならない事情があるのです。
ファイト!