映画で楽しむ世界史

映画、演劇、オペラを題材に世界史を学ぶ、語ることが楽しくなりました

ウルグァイ好き「ウィスキー」

2011-02-18 18:31:55 | 舞台は中南米
ウィスキー

南アメリカの人口350万人程のウルグァイ、日本人にとってはあまりご縁がないが、
近時はサッカーの日本チームの対戦相手として存在が目立ってきた。

その国のヒット映画「ウィスキー」、小資本で旨く創ったなという感じ。
どこにでもありそうな「人生のホロリ映画」、あまり難しく考えないで味わえばいい。

主人公は、さびれた靴下工場の老社長。母の看護に疲れ、
日常必要なこと以外話をするのも億劫になってしまっている。
その彼が、母の葬儀の事後処理を済ますまでの数日間。ブラジルから帰省する弟の手前、
会社で助手のように働く中年女性に、夫婦の振りをして欲しいと頼む。
妻を演じる女性と、家に泊まる弟とのぎこちない共同生活。
一緒に写真を撮る際に、笑顔になるべく「ウィスキー」と唱える三人。
弟がブラジルへ帰って、何事もなく次の日が始まるが、
三人夫々の胸の内には何が残って、これからどうなる?


これを機に、少しだけウルグァイの人々のことを。

ウルグァイの正式名称は「ウルグァイ東方共和国」。
スペインの南ア統治はペルーからボリビア、パラグァイを経由してアルゼンチンに及び、
ブエノスアイレスに「ラ・プラタ副王領」の首都を置くに至る。
そこでラプラタ川東対岸に位置するウルグァイの地は「バンダ・オリエンタル」、
そこに住む人々は「オリエンタラス」と呼ばれた。

しかしこの低湿地はアルゼンチン・ポルトガル双方が領有を巡って激しく争い、
一時はポルトガルが支配したことすらある。
アルゼンチンは種々経緯を経て1825年に独立を果たすが、
スペインと対立しアルゼンチンと旨くやりたいイギリスは、
ポルトガルとのウルグァイ争奪問題に介入し、最終的に
いわば緩衝国家として「ウルグァイ」を成立させる(1828年)。

何となく自信のなさそうな、大人しいお国柄?
だけど、サッカーでは世界一になったこともある。
ともあれ何か好きになれそうな人々。

(了)


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