プルサーマル計画を憂慮する有志の会

原発問題に関して投稿します。

5大国入りのインド?

2012-04-21 13:06:34 | 日記
 インド政府は、約1トンの核弾頭を搭載可能な大陸弾道ミサイルの発射を成功させました。(以下、参照は『朝日新聞』)大陸弾道ミサイル(ICBM)は、射程が5,500キロ以上のものを言うそうですが、今回発射した「アグニ5」は、射程は5千キロですが、中国、ロシア、東欧や北アフリカ北東部や日本の関西以西もその射程に入っています。

 インド政府のスポークスマンは、「抑止力強化と自衛が目的で、いかなる国も想定していない」と発言していますが、これまでのインドの軍事的な動きを見ても、戦略なしにこのようなミサイル発射を行なうはずもありませんし、具体的なターゲットがないとも考えられません。しかしながら、この2日間、どこの国からも今回のミサイル発射に異議を唱える声は上がっていません。

 これは勿論、中国に継ぐ巨大な(潜在的)市場を持ち、原発(とその関連機器や燃料など)の輸出先という、核保有国の最大のビジネス・パートナーとなるべき存在だからなのでしょう。原発どころか、核兵器を(詰まるところ、同じ代物なのですが)保有しても、(軽い制裁はあったものの)さしたる障害もなくインドは(IAEAにも加入せず)核保有国としての存在を認められてきたのです。「衛星」などと嘘を付かずとも、実力で他国に主権を認めさせるだけの「力」があるということです。インドが、力を失ったかつての大英帝国に取って代わり、実質的な5大国の一角を占めたかの感があります。

 いずれにしても、この「原発(原爆)ビジネス」における「利」のシステムの中で、まさに世界最大の産業なのであり、軍事的・経済的・政治的利権の集大成、「コングロマリット」を形成しているのです。この流れに立ち向かうことのできる国も、体制もありません。それが資本主義であろうと、社会主義であろうと、或いは民主主義であろうと、独裁国家であろうと、この「利」のシステムから離れて、冨を得、軍事力を増強し、そして政治的な力を発揮することはできないのです。ですから、このシステムの中では、それぞれが「利」を争う競争相手ではあっても、同じパイを奪い合う「同じ釜の狢」なのです・・・

P.S. インドのミサイル発射は、私などは「寝耳に水」で、それまでメディアで見聞きしたことはありませんでした。これでだけ大きな政治的、軍事的な出来事なのに、(私の知る限り)どこもこの「発射」に関して報道してきませんでした。即座に安保理の議長声明(でしたか)が出された、北朝鮮の「衛星」という名の「ミサイル発射」騒動とは対照的な扱いです。メディアが知らなかったはずもなく、誰も何も言わない、この沈黙(黙認)は、「利」が上がりさえすれば、そんなことどうでもいい、真実では「飯」は喰えないという現実を、如実に現わしてくれているように思うのです・・・

P.S.2 そういう流れから見ると、当然原発は「再稼働」、原発輸出は最大の(外貨獲得の)産業となるわけです。(悲観的で申し訳ありませんが)この流れが変わるようには、私には思えません。それは、たとえ中国が覇権を握ろうと、或いはインドが台頭して力を誇ろうと、その体制、「利」のシステムだけは、変わることはないと思うのです。そういう観点から見ると、昨年来起こっている中東や北アフリカでの「倒国ドミノ」は、単なるこのシステムの末端にある「バグ」を取り除く「微調整」に過ぎないことが分かります。決して、構造(システム)が変わったわけでも、(失礼ながら)革命が達成されたわけでもないのです・・・

P.S.3 (ポルトガル、スペイン、オランダ、イギリス、イタリア、フランス等)かつての覇権国や列強の国々の経済的な復興が最早、構造的に不可能な段階に陥っていることは現在の「EU恐慌」を見れば一目瞭然です。そして、それは、米国にも、日本にも忍び寄り、深く侵食していることはご存知の通りです。景気は残念ながら上向きにはなりません。財務官僚もそれを良く知っているのでしょう。経済条項を消費税には付けようとしません。(某友人Mさんによれば)財務官僚は、財務省が左右できる財源さえ確保できれば(そのようなシステムにしているそうです)、税収が増えようが減ろうがどうでも良いようです。(他省のことどころか)たとえ国が滅びても、自分たちの天下り先が確保できて、高額の年金が死ぬまで振り込まれさえすれば、国民の窮乏など意に介さないということなのでしょう。これが(財務官僚の「パペット」である)野田さんが、政治生命を賭してまで行なおうとしている「消費増税」の実態なのです・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成24年4月21日)