プルサーマル計画を憂慮する有志の会

原発問題に関して投稿します。

核燃料の値段

2012-03-04 11:42:12 | 日記
四国電力は「3~5月の間に、伊方原発にウラン燃料60体を新たに(茨城県東海村の三菱原子燃料から)搬入する」そうですが、「商業上の秘密」ということなのでしょう、核燃料の値段は公表されていません。しかしながら、核燃料税の税額から値段が逆算できる(或いは貿易統計から価格が把握できる)そうです。(引用、参照は『朝日新聞』)

ウラン燃料でいうと、「10年度に大飯原発3号機に入った燃料は1体約670キロで推計約1億900万」、「敦賀2号機は同じサイズで約1億2400万」、MOX燃料になるとその7~8倍で、中部電力浜岡原発に2009年に搬入したものが、「1体約260キロで、約3.3億円」、「四国電力伊方原発と九州電力玄海原発に運んだ分は、同670キロで9億円弱」とのことです。どちらもフランスのメロックス工場(アレバの子会社であるコジェマ社の持ち株会社)から買っています。

核燃料は長期契約なので、既に発注している燃料は、原発が止まっても次々と搬入されるわけです。ウラン燃料は兎も角、テロ対策のため「武装した護衛や専門の運搬船に護衛船を」つけなければ運搬できないMOX燃料は、それだけ危険かつバカ高い代物となっています。その危険な高い買い物の付けが、我々の不安と現実的な事故の危険と隣り合わせの生活と、電気料金に上乗せされているとなると、じっと黙って見てもいられなくなります。

MOX燃料に関しては、その品質を証明するデータの改竄等があり、また均一な燃料を造るには製造技術に問題があって、安全性は未だ証明されてはいません。今尚、「企業秘密」という名の隠蔽行為が公然と行なわれ、そうしたデータが開示・公開されることはないのです。危険なものを危険なまま使う、それがこの世の「利」のシステムであることが良く分かるというものではないでしょうか・・・

P.S. 情報開示といいますと、保安院の「情報分析・対応評価チーム」が、「水位や圧力データ、原子炉格納容器内の放射線を測る『CAMS』の数値」から、事故から1週間後の昨年3月18日の「午後2時45分の時点で、1~3号機ですでに炉心溶融が起きたと判断している文書」が、1年経って、情報公開請求で出てきました。保安院がメルトダウンを認めたのは、1号機が5月15日、2,3号機が5月24日ですから、この間保安院は、溶けているものを溶けてないと嘘を付き続けていたことになります。嘘は泥棒の始まりです。(私自身も潔白な人間ではないのですが)保安院、そして東電、そして政府官邸と、日本には「大泥棒」が沢山おられるようです・・・

P.S.2 政府官邸は事故後、原子力委員会に「最悪のシナリオ」を想定させています。そのシナリオは、1号機の原子炉容器、或いは格納容器が爆発し、2号機3号機、そして4号機燃料プールへの注水がストップし、連鎖的に4基の原発がコントロール不可能になる事態です。幸運なことに(或いは現場の作業員、職員の方々の決死の働きで)この最悪のシナリオは回避されたのですが、想定では首都圏も含めた半径250キロの避難が必要だと推定していたそうです。(4号機プールの使用済燃料が爆発すれば、500キロ離れていても、800キロ離れていても危険でしょうが・・・)

 この場合、政府はこの最悪の連鎖を止めるべく、「砂と水を混ぜた泥」を、爆発し「むき出しになった炉心に流し込めるよう」に準備していたそうです。「石棺」ならぬ「砂棺」が現実のものとなりかけていたわけです。正直、ぞっとする話ですが、現在の福島第1原発の置かれている状況は、決して安穏としておられるようには思えません。原発直下に、活断層があるとの知見があり、今回の大地震で歴史的な活動期に入ったといわれる中、いつ大きな地震が起きるのか分からないのです。そうなれば、最早打つ手はありません。最悪のシナリオを黙って見ているしかないのです。そうでなくても、現在も同原発は、(1~3号機合計で)毎時1,000万ベクレルの放射性物質が建屋から放出され、また汚染水が(量は分かりませんが)海洋へと漏れ続けているいるいのです。その状況が依然続いているわけで、これだけでもゆうに大事故というに十分なのです・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成24年3月4日)