『 新規感染者数と治療者数 』
日本全体での「新規感染者数」は、順調に減少を続けていましたが、その減少が先週から止まり、昨年の無観客パラリンピック終了時期と同じ、一週間に 1万人の感染者の発生が続いています。また、「治療者数」も、「新規感染者数」と同様に減少が止まっています。期間に記録したピーク値より低くなり、9月初旬頃の感染状況になりました。が、まだ新規感染者は充分に減少しておらず、まだ抑制に努めるべきです。
この現象から推察される事は、感染の拡大が控えている事です。実際、欧州各国では拡大を示す状況になっており、例えば、ポルトガルでは 4週間ほど前から拡大が始まって深刻な【感染密度】を示し続け、ドイツでは10日ほど前から拡大が始まり、英国やフランスは4日ほど前から同様に新規感染者数が増加を始めているからです。
また、感染拡大の状況は 東アジアでも確認されていて、台湾では 1ヶ月以上前から世界で最も深刻な【感染密度】を示す感染拡大を起こし、シンガポールでは 4日ほど前から感染者数が一気に増えて、オセアニアでも オーストラリアとニュージーランドでも世界的にも深刻な【感染密度】を長期間に亘り記録し続け、それから抜け出せないでいるからです。
6月から始まった、来日観光客を増やす水際対策の緩和政策は、その利用者数が想定の 1/10 程度と少なく、【感染密度】の高い諸外国からの観光客による影響を懸念する程ではないでしょうが、懸念するべきは、深刻な【感染密度】を記録している国々の殆どが、緩和策によって検査無しで入国できる状況です。
厚生労働省は、経済的・政治的な観点を加味して、経済効果が高くて政治的な配慮が必要な諸国への門戸を大きく広げていますが、少なくとも、各々の国での前一週間の【感染密度】を検証して、その結果で水際対策を臨機応変に変化させる事が感染予防に必要な事ですし、水際対策としては当然の事だと思います。
『 重症者数 と 死亡者数 』
最近、“オミクロン株” と “デルタ株” の違いが 「死亡者数」と「重症数」のグラフに表われています。それは、“オミクロン株” は “デルタ株” と違って「重症」となる人は少ないものの、亡くなる人が一向に減らない事です。 実際、グラフが示す通り、昨年の “デルタ株” 感染期のピークが過ぎた時期には、重症者数の減少と死亡者数の減少が一気に進んだのですが、今年の “オミクロン株” では、重症者数は低い数値で留まり続けているのに、亡くなる人が順調には減っていかないのです。
オミクロン株による脅威的な感染爆発のピークを過ぎ、多くの人のウィルスへの恐怖感や警戒感が薄れていて、それがワクチンの追加接種率の低さに表われ、PCR 検査の受診者も減った為に、無自覚感染して症状が一気に進み、重症と診断される前に亡くなっている事案も増えている様な状態で、何らかの注意喚起や対策が必要だと思います。
出典 : 厚生労働省
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