シニア花井の韓国余話

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低迷する韓国経済:韓国企業に人員削減の波、黒字のサムスン電子も   

2015年12月30日 09時28分19秒 | Weblog
役員昇進から1年で解任も
サムスンエンジニアリングは1カ月の「無給循環休職」実施
採用少なく再就職は絶望的
 サムスン電子水原キャンパス(京畿道水原市)にあるデジタル研究所のビルでは近ごろ、空室が目立つ。地上37階建て、8000人を収容できるこのビルに入っていた同社のDMC研究所が事実上、解体されたためだ。人員整理の影響で2000人余りの研究員のうち1500人がほかの事業部に異動または退職し、残りの500人もソウル市瑞草区のR&Dキャンパスなどに移った。
 サムスン電子はあわせて、下半期から50歳くらいの部長クラスに退職を勧告している。ある事業部の部長は「会社側とたびたび面談があり『来年の経営状況は今年より厳しい』と遠回しに退職を迫られ、悩んでいる」と打ち明ける。今年は200兆ウォン(約20兆5000億円)ほどの売上高と、20兆ウォン(約2兆500億円)程度の営業利益を計上すると見込まれる黒字企業のサムスン電子までもが、先手を打って構造調整に乗り出しているのだ。
■常務昇進から1年で解任も
 年初から9月末までに4兆ウォン(約4090億円)台に上る巨額の営業赤字を計上した大宇造船海洋は10月、部長クラス以上の社員300人余りをリストラした。役員も20人以上削減した。その結果、ソウル市中区にある同社本社13階の役員室はほとんどが空室となっている。また、今年通年で1兆ウォン(約1020億円)を超える赤字が予想される現代重工業も、今年初めに課長級以上の事務職など1200人余りを希望退職の形で辞めさせた。現代重工業、大宇造船海洋、サムスン重工業の造船「ビッグ3」を今年退職した事務職社員は2000人ほどに達する。
各社が業績不振に陥る中、役員ポストも急激に減らされている。韓国でトップ5に入るグループのある役員は11月の定期人事で、常務昇進からわずか1年にして解任を通知された。ある大企業の役員は「以前は役員のポストを少なくとも3年は保障するのが不文律になっていたが、今ではそんなことは期待できない」と語る。11月から12月11日までの間に人事を実施した主要10企業グループを退職した役員は、サムスンの約500人、現代重工業の約100人を含め1000人ほどに上る。
 希望退職の対象者は、1990年代末には40・50代にほぼ限られていたが、2008年の世界的な金融危機以降は30代にも範囲が広がり、今や20代も対象となっている。斗山インフラコアの勤続5年の代理(係長に当たる役職)=31=は「入社2-3年未満の社員も希望退職の申請書を出すように言われる。会社は希望退職と言うが、多くの社員が整理解雇と受け止めている雰囲気だ」と説明した。
 経営難のサムスンエンジニアリングでは12月から、サムスングループ史上で前例のない「無給循環休職」に突入した。同社の課長クラス社員は「家族を養うため1カ月の休職中にアルバイトでもしなければ、と嘆く同期も多い」と打ち明けた。
 1990年代末のアジア通貨危機以降で最も厳しい人員削減は、家計所得の減少につながる。延世大の成太胤(ソン・テユン)教授は「経済現場における企業発の危機が家計の敷居を越えて急速に広がっている。こうした状態が中堅・中小企業に本格的に拡散すれば、庶民が最も大きな打撃を受ける」と警鐘を鳴らしている。
■再就職はごく少数、ヘッドハンティング会社には履歴書が山積みに
 問題は、来年の経済状況がさらに悪化する恐れがあることだ。大韓商工会議所が先ごろ韓国企業400社を対象に来年の経営計画を調査したところ、12月上旬の時点で投資と採用計画を確定できていない企業がそれぞれ30%を超えた。今年より採用を増やすとした企業は13%にとどまった。逆に、非常経営体制を稼働中、または今後の稼動を検討しているとした企業は50%を超えた。
 大企業を退職する人が爆発的に増えているが、再就職はほぼ望めない。供給(求職者)は多いのに需要(求人)が途方もなく足りないためだ。再就職をあっせんするヘッドハンティング会社には履歴書が山のように積み上げられているという。ヘッドハンティング会社「パスファインダー」のキム・ジェホ代表は「今年10月の時点では、送られてくる履歴書は1週間に1通ほどだったが、11月以降は1日5-6通ずつ送られてくる。中途社員を採用する企業が少なく、再就職の成功例は数えるほどしかない」と話している。
辛殷珍(シン・ウンジン)記者
韓国大手新聞 朝鮮日報15年12月30日記事抜粋

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