シニア花井の韓国余話

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【社説】都市型水害に新発想の対策を

2011年07月29日 18時43分32秒 | Weblog
(韓国大手新聞、朝鮮日報 11.7.29記事抜粋)
 7月26日夜から28日午前9時にかけ、ソウルで527ミリ、京畿道加平で680ミリ、江原道春川で451ミリの大雨が降った。漢江の流域面積2万6018平方キロに平均300ミリが降ったとしても、78億トンの雨が降ったことになる。北漢江の昭陽江ダム(貯水量29億トン)と南漢江の忠州ダム(同27億トン)の水を全て漢江に注ぎ込むよりも多い量だ。こうした大規模な集中豪雨にもかかわらず、大きな河川の本流では特に被害が出なかった。4大河川(漢江・洛東江・錦江・栄山江)再生事業によるしゅんせつ(河川の底から土砂などを除去する土木工事)が、洪水の危険性を減らす上である程度の効果を上げた可能性が高い。
 今回の集中豪雨は、地面がアスファルトやコンクリートで覆われているため雨水が一気に河川に流れ込み、下水道が逆流し、低地が水に漬かり、道路が冠水するという「都市型水害」への備えが大きく不足しているということを、人々に気付かせた。これを予防するには、さまざまな角度から対策を講じる必要がある。
 ソウル市内の学校の校庭、公園、駐車場33平方キロのうち、74%に当たる24.6平方キロを周辺道路より20‐30センチ低くし、集中豪雨の際に貯留池として活用すれば、675万トンの雨水を貯留できるという研究結果が出ている。洪水の際の排水用に、漢江から始華湖まで32‐47キロの地下分水路を作るというアイデアもある。頻繁に洪水被害が発生する中浪川、城内川、仏光川、安養川の堤防沿いの幹線道路に貯水トンネルを作る案も、長期的に検討する価値がある。
 人命被害が大きかった場所は、土砂崩れに巻き込まれた山のふもとのペンションや田園住宅だった。長い時間をかけて均衡を作り出した山岸を無分別に削れば、豪雨のような自然災害に弱くならざるを得ない。全国のペンションは1万カ所に達するが、そのうち20‐30%が山を切り開いた土地に建っているという。牛眠山の場合、山の中腹に無理やり造成した生態公園が土砂崩れの原因になったとの主張も出ている。清渓山、峨嵯山、仏岩山などでも、山を削り公園や住宅を建てる事業が進められている。ソウル市内だけでも、危険な山際エリアは71カ所あるという。自治体は建設許可を出す際に、地形や傾斜度を考慮し、土砂崩れの危険がないかどうかをきちんと評価すべきだ。
 昨年の秋夕(チュソク=中秋節)には、9月下旬の降水量としては1908年の気象観測開始以来で最高となる289ミリの大雨が降った。今年も、梅雨が終わった途端に二日間で年間降水量の半分ほどの雨が降り、もはや異常気象が日常的になっている。山のふもとを無分別に切り開く従来型の開発方法は、今後も人々にさらなる代償を負わせるだろう。大都市とその周辺地域での新たな豪雨対策が求められる。



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