シニア花井の韓国余話

韓国交流50年の会社経営を引退しソウル定住の日本人が写真とともに韓国の案内をします。

北のミサイル技術よりも恐ろしいのは韓国社会の無関心【社説】

2016年06月25日 10時40分48秒 | Weblog

戦争記念館(投稿者撮影)

6月22日に北朝鮮が中距離弾道ミサイル「ムスダン」2発を立て続けに発射したことを受け、韓国政府の内外では「北朝鮮のミサイル技術はかなりのレベルにまで到達したようだ」との見方が相次いで出ている。北朝鮮は第7次朝鮮労働党大会前の今年4月中旬から5月31日まで、合計4発のムスダンを発射したが、いずれも発射直後に爆発するなどして失敗に終わっている。しかし今回発射した5発目は150キロ飛び、6発目は400キロ飛んだ。とりわけ6発目は成功、失敗を判断する基準とされる500キロに到達はしなかったものの、発射の角度を上げ1000キロ以上の高度にまで上昇したことから、成功に大きく近づいたと考えることもできる。
 射程距離3000-4000キロとされるムスダンは、北朝鮮の軍事戦略において大陸間弾道ミサイル(ICBM)に劣らず非常に重要な位置を占めている。韓半島(朝鮮半島)有事の際、米国からの増援軍の拠点となるグアムや沖縄を射程圏内に入れられることがその理由だ。北朝鮮は韓国中部に対してはスカッドB・C、韓国南部と日本本土はノドン、米本土はテポドンあるいはKN-08で攻撃する計画だが、グアムなどを狙うムスダンはまだ試験が完了していなかった。しかし今回の発射でこの空白を埋め、北朝鮮はいわゆる「射程距離別ミサイルセット」の存在を誇示したかったはずだ。また最近になって北朝鮮が開発に力を入れている潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)もこのセットに加われば、北朝鮮は核兵器を搭載可能な全てのレベルのミサイルを保有することになる。そうなると韓国はそれらの脅威に対して効果的な対抗手段もないまま、北朝鮮の前に完全な無防備状態となってしまうだろう。
北朝鮮は今年1月に4回目の核実験を強行し、2月には大陸間弾道ミサイル「光明星4号」を発射したことから、国際社会からこれまでにない厳しい制裁を受けている。しかし北朝鮮はそのような中にあっても、挑発行為を全くやめようとしない。これは非常に深刻かつ重大な問題だ。つまり北朝鮮は国際社会からの制裁をものともせず、何があっても核兵器とミサイルの開発を放棄しない強い意志を持っていることを改めて示したわけだ。さらに最終的には米国に自分たちを核保有国として認めさせ、金正恩(キム・ジョンウン)政権の安全を保障させたいとも考えているはずだ。
 韓国政府は発射が行われた6月22日、大統領府で国家安全保障会議(NSC)常任委員会を開き、今回の問題を国連安全保障理事会の議題とすることにしたが、それだけで状況が好転する保証などどこにもない。それでもまず当面は制裁を一層厳しくし、その結果を見守る必要はあるだろう。さらに北朝鮮の命脈を握る中国政府に対する説得にも力を入れ、北朝鮮に圧力を加え続けねばならない。
 北朝鮮は今回、十分な時間をかけてこれまでの欠陥を修正し、改めて試験発射を行ったわけではなく、金正恩氏の一言によりわずか数日ごとにムスダンの発射を繰り返しているわけだが、これだけでも北朝鮮がいかに非理性的かが分かる。しかし韓国の各政党も国会防衛委員会さえ招集せず、通過儀礼のような論評を出すだけでやることは全てやったかのように考えている。ソウルの株式市場でも英国が欧州連合(EU)から離脱しないとの見方が一時広がったことで、株価は小幅ながら上昇した。韓国社会におけるこのような安易で無関心な考えや態度は、北朝鮮のミサイル技術が進展することよりもある意味恐ろしいことだ。
韓国大手新聞 朝鮮日報16年6月23日記事抜粋

【投稿者からご案内】  少人数のソウル観光を同行案内します
韓国との付合い40年以上の、ソウル定住の日本人(投稿者/60歳台)がお手伝いします。
一般観光案内だけでなく、韓国の歴史・文化、日韓の習慣・文化の違いもお話し致します。
ご希望に合わせて、安心が得られ落ち着いた大人目線でソウル及び近郊を同行案内いたします。  
人数は1名から5、6名までの少人数が希望です。ご希望により自家用車での案内もいたします。
 韓国でのビジネスのコンサルタントやアドバイスもいたします。
その他、韓国の知りたいことのお問合せ(無料)もメールで応じます。
お気軽にご連絡ください。  メール:sisayoshida@yahoo.co.jp  (吉田)

戦争記念館屋外展示場(投稿者撮影)


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。