『今日の出来心』

シンガーソングライター&作詞家“久保田洋司”の365日書き下ろし公開日記です
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2007年9月18日(火)

2007年09月18日 00時00分01秒 | Weblog
桜並木の道には、毛虫の大群。やがてさなぎになって、おそらく蛾になるやつだろう。さなぎの中では、体はいったん液状になり、すべてを一から作り直すんだそうだ。人の体など、ほとんど水だと思えば、こちらのほうがだいぶ、ちゃぽんちゃぽんであるが、中でなにかの形を作っている最中でもなさそうである。背中か割れても、出てくるのは、翼ではなく、せいぜい骸骨ということか。
今まで一度も思い出したことがないが、確かに、そのような漫画を、子供の頃に読んだ気がする。つまり、主人公の少年が、ある日突然、背中が割れるかどうかして、骸骨となって出てくる。あくびのし過ぎで、口から出てきたのだったのかもしれない。それで生きていかなくてはいけなくなるという、カフカである。いや、元々、僕らも骸骨のだから、変身ではないけれども。と、ふいに聖書の話になるが、創世記の、神が人を作ったところで、「われわれに似せて創った」と言った場面。神は唯一なのに、なぜ「われわれ」かと気づいたときから、ずっと不思議であったが、突然ひらめいた。人は一人ではないからだと。

洋司

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