『今日の出来心』

シンガーソングライター&作詞家“久保田洋司”の365日書き下ろし公開日記です
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入船陽介「メンバー紹介、久保田洋司編」です。今日の出来心2016年4月22日(金)

2016年04月22日 10時04分05秒 | Weblog

続けてお見舞い申し上げます。

本当に、はやく安心してゆっくり休むことができますように。

 

僕は、明日、明後日、The東南西北として、コンサート。

力いっぱいがんばってきます。

震災と前後して、入船陽介くんから、「メンバー紹介メッセージ」が届いていたんですが、

発表できずにいました。

今回は、久保田洋司の紹介です。

陽介ちゃんの心温まる文章、ご覧ください。

***
ども、イリです。

横浜ライブ、加納順欠場ということでご心配おかけしてます。リーダーも、それから、影のリーダーもいろいろ粘ったみたいなんだけど、今回はNaoさんにギターをサポートしてもらいつつ、The東南西北としては4人のステージとなります。なので、順ちゃんのメンバー紹介は、彼がまた一緒にやりたいと言い出すまで取っておきますね。

と、いうことで、メンバー紹介、ラストは、

『同級生はアーティスト 久保田洋司』

普段、プライベートでは、『くぼっちゃん』と呼んでいて、最近、二人でYOYO部ライブやら、テレビの収録やらいろいろ楽しく活動してるけど、10代、20代の頃は、ホント、よく喧嘩したなぁ。

くぼっちゃんは、嬉しいのか、怒っているのか、悲しいのか、はしゃいでるのか、、、表情や態度から感情を察するのが難しくて、たとえ思いやりをもって何か言ってくれててもそれがわからず、行き違いから喧嘩になっていくっていうことが、幾度となくありました。

「いりくん、木の葉から水がしたたり落ちるような音色で弾いてくれる?」

「・・・それ、よくわかんないんだけど、、、具体的に言って。」

「わからないっていうの、おかしいよ。」

「いや、わからないでしょ、普通。」

まぁ、いつもだいたいこんな感じで、だんだん喧嘩になっていくんだけど、今なら、こちらを尊重してくれているとか、短い言葉に含まれてるだろう色んなニュアンスを汲み取ろうとするけど、あの頃はねー、、、僕もかなり子供だったし、わかんなかった。

記憶に残っている、くぼっちゃんの言葉は、今思えば、それぞれに、僕が感じた以外の意味が込められてたのかもしれないけど、当時、わからなかったのは、僕だけじゃなくて、

「かっちょいい、スポーツカーのような、コンサートにしたいです。」

取材で、コンサートに向けて意気込みをと尋ねられ、そう答えるくぼっちゃんと、困り顔のライターさんっていう構図は、よく見た風景で、確かに、例えば、『かっちょいいスポーツカー』が、フェラーリだとすると、そのエンジンの馬力や疾走感を想像すれば、「おぉ、力強いコンサートになるんだね」とか解釈できるけど、情熱的に語るならともかく、無表情に、冷静に言うもんだから、熱量の具合がねぇ、、なかなか、伝わらない。

でも、、、わからないのは、わかろうとしないから?

以前、ある女優さんに、

「何人撮っても、オンナ心がわかんない。」

って言ったら、当時16歳のその女優さんに、

「それは、入船さんが、オンナを愛してないからですよ。」

って言われたことがあって、それを時々思い出しながら生きてきたんだけど、オンナ心は相変わらずでも、くぼっちゃん心は、最近、わかることがあるんです。

(あ、くぼっちゃん、笑ってる)

って。

先日、ラジオの収録でくぼっちゃんが笑ってるのがわかった。うん、あの顔は、笑ってた。困った時も笑った顔するからまぎらわしいんだけど、あれは確かに笑ってた。
緊張してるとか、風邪で調子悪いとか、そっち系は相変わらずわかりにくいんだけど、くぼっちゃんが表情豊かになったのか、それとも、ここんとこ急にいろいろ乗り越えなきゃいけない出来事に直面して、二人で濃い時間を過ごすようになったからなのか、ライブのときとか特に、楽しそうなのがわかるようになってきた。

いやいや、何を書いているんだ入船くん。久保田くんが笑ってるとか、楽しんでるとか、普通に見ればわかりますよ、っていう、あなた!それは、あなたが、久保田洋司を愛してるからで、ホントに、わかりにくいんですよ、くぼっちゃんは。本人も、気持ちを伝えるのが下手だって、この間言ってたもん。

『もん』とか言って、なんか急に言い回しが順ちゃん風になってきましたが、しかし、なんでこうわかりにくいヤツなんだろうと思うけど、やっぱ、くぼっちゃんは芸術家なんだよね。

25年間離れて過ごして、外でいろんな人を見て戻ってきてら、くぼっちゃんのこと、あー、このひと、芸術家なんだってつくづく思います。
でも、僕にとっては、高校の同級生で友人なわけで、『同級生がアーティスト』っていう変なギャップ感、これが今も昔も変わらぬ面白ポイント。
喧嘩もしたけど、この大変に世間とずれてる人と一緒にいることの、なんとも言えぬ居心地の良さを感じながら、30年目にして、一緒にバンドやっててよかったなって、しみじみ思う今日この頃です。

いつまでも抜けない高校時代の感覚と、大人になってできた新しい絆。
自分ことを『ボク』って言う上モノチームと、『ワシ』って言うリズム隊が一緒にやってるバンドが演奏する、穏やかな潮風と、夕陽の綺麗な瀬戸内海の町尾道の匂いがプンプンする音楽を、神戸に続き同じく港町の横浜で、一緒にみんなと楽しめたらと思います。

楽しむ余裕を作るためには、練習頑張らなきゃ!
続きはライブで!

***

 

今日も皆、無事にがんばれますように。

美しい明日へ心をこめて歌っています。

洋司