『今日の出来心』

シンガーソングライター&作詞家“久保田洋司”の365日書き下ろし公開日記です
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2008年9月15日(月)

2008年09月15日 00時00分01秒 | Weblog
ナイロン弦、朝見ると、4弦が切れていたのである。4弦は切れやすい。中の細い線に、細い線がコイル状に巻きつけてある。一番ひ弱なやつである。これを見て思い出すのは、レノン・ミュージアムのジョンのギターである。エピフォンやオベーションなど、弦が切れたまま展示されている。少なくとも、1980年以降、弦の交換はされていないのだろうから、今後、朝起きたら、切れていた、ということは、レノン・ミュージアムでも起こりそうである。64年から使用していたリッケンバッカーなど、テレビ収録の時に落として、ネックのヘッドのところが折れ、修理が不完全だったために、今も傷は広がりつつあるようである。このままでは、朝起きたらネックが取れていた、などということも起こり得る。話は広がるが、文化遺産の保護と活用、となると世界中で様々な問題が、解決できないでいる。そのままの状態で保護するのがいいのか、しかしそのためには大変な予算や人手が必要になってくる。そこに暮らす人たちの生活、ということもある。といって、朽ちるものは朽ちるに任せて、自然にするのがいいのか。明日香村の将来、万葉の頃の華やかな宮殿を再現するのがいいのか、何もないまま、明日香風、都を遠み、いたずらに吹く、がいいのか、答えは出ない。僕のナイロン弦なら、すぐに交換すればすむ話であるけれど。

洋司