ヌルハチの祖父ジェチャンア(覚昌安)と父タクシ(塔克世)は、
この戦いで戦死したという。
なぜ道先案内人として、
明側に協力していたはずのジェチャンア父子が、アタイ討伐で、いきなり「戦死」したのか。
この二家族の関係は、確かに哀しき縁(えにし)の絡まりの中にあった。
ジェチャンアの長男リトン(礼敦)の娘が、ワンガオの息子アタイに嫁ぎ、
アタイの娘がヌルハチの父タクシに嫁いでいた。
つまりグロ(古勒)攻めでは、要塞の中にジェチャンアの孫娘が、酋長夫人としてともに立てこもっており、
アタイの娘が両親・兄弟の攻撃されるのを要塞の外から見守る立場にあった。
古今東西珍しくないこととはいえ、凄惨な状況だ。
清の『実録』によると、ジェチャンアは、一人で敵側アタイの要塞にもぐりこみ、孫娘を救い出そうしたという。
しかし要塞では、夫のアタイがこれに同意しなかった。
すったもんだの押し問答をしているところへ、なかなか戻らぬ二人にしびれを切らせたタクシもやってきたが、
この直後に要塞は陥落し、明軍に無差別に殺されてしまった、
・・・・・というのである。
砲弾や矢、石が雨あられと激しく飛び交う中、
どうやってジェチャンア父子は自由自在に要塞に出入りしたというのか。
二人の死因はなんだったのか、今となっては突き止めることはできない。
わかっていることは、ジェチャンア父子は親戚、友人を捨てて明軍に降り、道先案内人となってアタイを攻め殺し、自分たちも死に、
それはどうやらあまり名誉なことではなかった、ということだけである。
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清の永陵。遼寧省の撫順市新賓満族自治県永陵鎮
ヌルハチの先祖が葬られている
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明側に協力していたはずのジェチャンア父子が、アタイ討伐で、いきなり「戦死」したのか。
この二家族の関係は、確かに哀しき縁(えにし)の絡まりの中にあった。
ジェチャンアの長男リトン(礼敦)の娘が、ワンガオの息子アタイに嫁ぎ、
アタイの娘がヌルハチの父タクシに嫁いでいた。
つまりグロ(古勒)攻めでは、要塞の中にジェチャンアの孫娘が、酋長夫人としてともに立てこもっており、
アタイの娘が両親・兄弟の攻撃されるのを要塞の外から見守る立場にあった。
古今東西珍しくないこととはいえ、凄惨な状況だ。
清の『実録』によると、ジェチャンアは、一人で敵側アタイの要塞にもぐりこみ、孫娘を救い出そうしたという。
しかし要塞では、夫のアタイがこれに同意しなかった。
すったもんだの押し問答をしているところへ、なかなか戻らぬ二人にしびれを切らせたタクシもやってきたが、
この直後に要塞は陥落し、明軍に無差別に殺されてしまった、
・・・・・というのである。
砲弾や矢、石が雨あられと激しく飛び交う中、
どうやってジェチャンア父子は自由自在に要塞に出入りしたというのか。
二人の死因はなんだったのか、今となっては突き止めることはできない。
わかっていることは、ジェチャンア父子は親戚、友人を捨てて明軍に降り、道先案内人となってアタイを攻め殺し、自分たちも死に、
それはどうやらあまり名誉なことではなかった、ということだけである。
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