いーちんたん

北京ときどき歴史随筆

マンジュの森ーーヌルハチの家族の物語22、ヌルハチ、刺客に襲われる

2018年11月14日 13時36分50秒 | マンジュの森 --ヌルハチの家族の物語
蜂起後のヌルハチは、幾度も刺客に襲われる。

相手がニカンワイランなのか、明なのかはわからないが、
とにかくまだ勢力が弱いうちにつぶしておかねばならぬ、と思っていたようである。


その様子が『満州実録』に生き生きと描かれている。

『満州実録』巻一の漢文体には万暦十一年(一五八三)九月、
「賊は夜の闇に乗じて、太祖(ヌルハチ)の住宅の柵の木を抜いて潜入した」
からその日の夜のことを描写し始める。

ヌルハチが当時住んでいた屋敷の周りは、木の柵で囲まれていた様子がわかる。
それが当時の典型的な女真人の住まいでもあるのだろう。

「この時、ユグハ(湯古哈)なる名の犬が辺りを見回して、驚いたように鋭く吼えた」。
狩りで生活の糧を得ている女真人にとって、犬は欠かせない家畜だとわかる。
ヌルハチの愛犬ユグハはこの日も外で番犬としての役割をしっかり果たしたようである。

「太祖はこれに気づき、二男一女を箪笥の下に隠し、刀を持って大声で呼ばわった。
『どこの賊ぞ。犯しに来ようとは不届き者。汝が入らぬなら、我が打って出ようぞ。萎縮するなかれ』
といい終わらぬうちに、刀で窓を切り破り、窓から飛び出す勢いを見せつつ、しかし門から外に飛び出した」


天下の英雄の若き日らしき鬼気迫る気魄である。

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遼寧省の撫順市新賓満族自治県永陵鎮の街中



  
まずは町の食堂で腹ごしらえ笑


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