いーちんたん

北京ときどき歴史随筆

マンジュの森ーーヌルハチの家族の物語21、ヌルハチ、ニカンワイランのトゥルン城を落とす

2018年11月10日 13時36分50秒 | マンジュの森 --ヌルハチの家族の物語
ニカンワイランのいるトゥルン(図倫)城への襲撃は、無血に終わった。

襲撃を事前に知ったニカンワイランが、兵士らと民を棄てて、
妻子とともにジャバン(嘉班、建設中の新しい城)に遁走したからである。

その後、ヌルハチがジャバンにまで追ってゆくと、再び遁走する。

それにしてもたかが百三十人の兵士を相手に
慌てふためいて遁走するとは、ニカンワイラン側もろくな兵力ではなかろう。

なんという少人数の戦いか。
これではまるで現代の暴走族同士の抗争レベルではないか笑。


ごく少人数レベル同士の戦いながら、ヌルハチはニカンワイランの放逐に成功した。

ヌルハチの属する建州女真は、本来なら明朝の領土にもっとも近いため、貿易の面で有利でもある。
その奥地にいる海西女真やさらに奥地の野人女真と比べ、物資も豊かでもっとも開けた女真のはずである。

しかしなまじ近いがために、
国境を接する明朝の領土に侵入しては安易に物資が手に入ってしまう略奪に甘んじ、
明朝の堪忍袋の緒が切れて一網打尽に遭ってきたことは、これまで見てきたとおりである。


この時点の建州女真は、たび重なる明朝の討伐に遭って息も絶え絶え、ろくな壮丁はもはや残っていない。

それが百人前後の兵力同士の戦いという局面を生み出したと思われる。

以上のような理由から、たかが武装兵30人レベルの武装蜂起であっても、
ヌルハチの蜂起は十分に周囲の勢力の注視を浴びる理由があった。

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遼寧省の撫順市新賓満族自治県永陵鎮の街中




まずは町の食堂で腹ごしらえ笑


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