それが一番の問題

概要は後からついてくる

働きながら書く人の文章教室  小関 智弘

2009年05月16日 | 
働きながら書く人の文章教室 (岩波新書)
小関 智弘
岩波書店

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東京・大田区周辺の町工場について、ルポや小説を書き続ける人。

著者は一本筋が通ってる。
切実に伝えたいテーマを持ち続けている。
書き手としての姿勢には文句のつけようがないと思う。

プロレタリア文学的目線と民族学のような情報収集方法。
かなり共感できる部分があった。
尊敬もできる。

しかし、憧れには至らなかった。

何故か。

マクロに見ると、著者の視線は後ろ向きだからだ。

失われているものの儚さ・不条理はわかる。
しかし、著者が書き続けている対象は必要悪であり、文明の進歩の一面でしかない。
著者の目的は「告発」ではなく、「伝えたい・残したい」であることは明確だけど、
僕は読者として、著者の視点の偏りを感じざるを得なかった。

それと同時に、小関智弘氏が書く日本社会は、それのバランスにとって必要であるとも言える。
誰がが純度の高いものを書かないと、
まるで最初からなかったかのように消え去ってしまうから。

本当は、視線の偏りなんかじゃなくて、本物を目にしてビビっただけか。

悔い改めよ。

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