それが一番の問題

概要は後からついてくる

圏外へ 吉田 篤弘

2010年02月19日 | 小説
圏外へ
吉田 篤弘
小学館

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カート・ヴォネガットの小説にもあった感じ。

著者らしい話、ソボフルとか蝙蝠とかエリナとかモリナとか、
さらに、「百鼠」のような語り口のエジンバラ先生だとか、
なつかしい世界を見ることができた。

しかも、「南」と「幸せ」とか「ミスター・サテ」、「だりむくる」、
「たわむ」「解す」など、小ネタ(僕の印象では)も味わえる。

つまり、今まで彼が書いた作品の色々な要素がこの一冊には詰まっていると言える
、、、と思う。

それは、同時に本書が著者の昔の作品ほど、個性が立っていないことも意味する
、、、と思う。

「圏外へ」は、作者自身へのメッセージが多くて、あまり引き込まれない部分も
少なからずあった。

僕が「針がとぶ」は大好きで、どうゆう風に書いているのか見当も
つかなかったが、ちょっと分かった気がした。

最後に、詩の定義は非常に良かった。

あと、男と一人称の使い分けも。

んー、吉田篤弘と言う人は、さぞかしモノゴトを注意深く見ることができる人なのだと感心する。

爪を煎じて呑ませて、、、いや、それはいいか。

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