自 遊 想

ジャンルを特定しないで、その日その日に思ったことを徒然なるままに記しています。

「人生は短く、一日は長い。」

2016年03月09日 | Weblog
 僕は十八世紀ドイツ(プロシャ)の思想を学んできました。何と言っても、ゲーテです。僕はゲーテを専門に学んできたのではありませんが、若い頃から暇を見つけては、ゲーテを読んできました。ひとつ、学んだ事を披露します。
  「人生は短く、一日は長い。」(『西東詩集』より)
 これを反対にしてみる。人生は長く、一日は短い。こう言うと、多分若い人たちの感想となるだろう。しかし、所詮、どちらも主観的な感想だ。歳をとると、する事が無く一日を無為に過ごすから、一日を長く感じ、先が短いと思うから、人生の短さを嘆くのだろう。若者たちはその反対という訳だ。
 どちらにせよ、主観的な感想だから、若者たちのように、好奇心のおもむくままに仕事なり、趣味を精一杯味わい一日を短く感じ、前途など予測できないのだから、前途の予測などという無駄な事は考えないで、人生を長いものと考え、一刻一刻を楽しもうではないか。
 ゲーテは、短い詩句でこのような事を言いたかったのだと思う。さて、一日一日を楽しむ事ができるであろうか。歳をとると、楽しむ事さえも苦行である場合がある。しかし、ゲーテの詩句の意味するところを脳裡においておけば、坂道をゆっくり下る事ができるかもしれない。

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