谷沢健一のニューアマチュアリズム

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さあ、プロの開幕だ-セリーグ(その3)

2008-04-08 | プロ野球への独白
 「それにしても広島より下とは酷すぎる」と某解説者が小声で言っていたが、「広島より」という失礼な比較はさておいて、「酷すぎる」には同感である。打者では高橋由選手の2割8分、投手では上原君の防御率4点台がチーム内トップである。「始まったばかりで対戦相手も一巡していないのに何をぬかすか」と巨人ファンと関係者の怒りを買うに違いないが、私の正直な感想である。いずれトップ争いに加わるだろうと断言できるからこそ、辛口の表現をしているのである。
 セの選手の何人かがキャンプ中に言っていた。
 ヤクルトの選手「上原は先発よりも抑えの方がいやですね」
 阪神の選手「クルーンの抑えは組みやすし、ですよ、僕にはね。他の選手にも教えようかな」
 中日の選手「阿部君のリードは読みやすいですね」
阿部君のリードがパターン化しているだけでなく、スコアラー陣が手薄で、偵察と分析の結果が選手に行き渡っていないのではないかとも思われる。中日戦での中村紀、和田、森野の一発は、(ここで具体的に言うのは憚るが)ちょっとしたことで防御できたのではないかという一打である。
 ペナントレースは想定外の事が起きないかぎり、戦前の予想はひっくり返らないはずだ。神宮球場の両翼フェンスが10m後退したことでヤクルトの野球が変わるのだから、東京ドームの特性を生かした野球をこれまで以上に追求すべきだろう。あるいは、選手の陣容に即すように施設の有効利用と手直しを考えるべきだろう。
 ドラゴンズは予想通りの戦いであるが、おおかたの予想を上回っているのが、スワローズである。9試合で既に13盗塁。目を見はる「走塁攻撃」である。その一翼を担ったのが、高田監督好みの選手で、颯爽と1番に起用された川島君である(張り切りすぎたのか、右手親指の付け根を傷めて離脱してしまったが、2、3週間もすれば回復するらしい)。彼が欠けても当分、機動力野球は揺るがないだろう。投手陣も若手の村中・増渕両君が早くも勝星を掴んだ。
 タイガース、そしてベイスターズとカープに言及できなかったが、次の機会には書きたいことの多いチームである。ともあれ、ジャイアンツの惨敗からから始まったのが、2008年のセ・リーグである。