ポケットの中で映画を温めて

今までに観た昔の映画を振り返ったり、最近の映画の感想も。欲張って本や音楽、その他も。

『天使のはらわた 赤い教室』を観て

2019年12月31日 | 日本映画
何気なしに無料映画“GYAO!”を検索していたら、『天使のはらわた 赤い教室』(曽根中生監督、1979年)があったので観てみた。

息抜きに来た温泉町でブルーフィルムを観たポルノ雑誌の編集者村木哲郎は、迫真の“演技”でレイプされる女に釘付けになってしまった。
その女の“顔”は村木の使っているモデルからは想像も出来ないものだった。
東京に帰った村木は、早速女の居所をつきとめようと心当りを捜すが、結局見つからなかった。
ある日、撮影でラブホテルに行った村木は、そのホテルで受付をしているあの“女”土屋名美に出会う。
村木は名美に、ブルーフィルムで観たあなたの顔が忘れられない、雑誌のモデルになってくれと頼むが・・・
(Movie Walkerより一部抜粋)

名美にとって、消してしまいたい記憶のブルーフィルム。
それは、実際に彼女が強姦されたとき撮られたものであったからである。
だから彼女は村木の申し出をガンとして拒み、それでもなお説得する村木との“明日の再会”のために、次の日、その公園に向かう。
ところが雨のなか、雨に濡れる名美の前に村木は現れない。
その時間村木は、未成年の少女を撮影に使っていたかどで警察から任意同行の取り調べを受けていた。

そして、3年後、と話は続いていく。

この作品については、日活ロマンポルノの一作品として以前から題名を知っていた。
当時、日活ロマンポルノは質も高い作品が多数作られていると評判だったが、
その時期、それらを観たくっても体裁を構って劇場に入る勇気がイマイチなかったので、今までに『一条さゆり 濡れた欲情』(神代辰巳監督、1972年)ほか数本しか観ていない。

そして、監督の曽根中生と言えば、『嗚呼!!花の応援団』(1976年)や『不連続殺人事件』(1977年)、それに『博多っ子純情』(1978年)ぐらいしか知らず、
それらもたぶん観ているというぐらいの記憶しかなく、この度、曽根の作品履歴を調べてみると、初期から随分とピンク映画を撮っていて成る程と感心する。

作品の内容に戻って。
結婚しても名美を忘れることができなかった村木は、バーに呼び込む名美と偶然再会する。
3年後の今、名美は自分をどこまでも堕としながら、男は復讐の的であるかのようにセックスにのめり込む女になっている。
そのような名美を村木は救おうとするのだが。

陰にこもる愛着の念を持った村木哲郎を演じるのが蟹江敬三。
土屋名美は水原ゆう紀だが私としてはよく知らない。
それにしてもこの作品、なぜかドロドロとした感じで明るさとはほど遠い。
それが日本の性愛映画の特徴かとも思うが、観ている作品数が少ないので何とも言えない。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 『読まれなかった小説』を観て | トップ | 『ポン・ジュノ アーリーワー... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

日本映画」カテゴリの最新記事