ポケットの中で映画を温めて

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『フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン』を観て

2024年08月03日 | 2020年代映画(外国)

『フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン』(グレッグ・バーランティ監督、2024年)を観てきた。

1969年、アメリカ。
人類初の月面着陸を目指す国家的プロジェクト「アポロ計画」の開始から8年が過ぎ、失敗続きのNASAに対して国民の関心は薄れつつあった。
ニクソン大統領の側近モーは悲惨な状況を打開するべく、PRマーケティングのプロフェッショナルであるケリーをNASAに雇用させる。
ケリーは月面着陸に携わるスタッフにそっくりな役者たちをメディアに登場させて偽のイメージ戦略を仕掛けていくが、
NASAの発射責任者コールはそんな彼女のやり方に反発する。
ケリーのPR作戦によって月面着陸が全世界の注目を集めるなか、「月面着陸のフェイク映像を撮影する」という前代未聞の極秘ミッションがケリーに告げられる・・・
(映画.comより)

60年代末までに人類初の月面着陸を成功させると、ケネディ大統領が掲げたアポロ計画。
映画は、そのアポロ計画中のアポロ11号にまつわる事柄を、実は極秘でフェイク映像も撮影していたという内容に置き換えたコメディタッチの作品。
そして、ケリーとコールを中心とした二人のラブストーリーは、よくあるアメリカ映画そのものらしい雰囲気。
クライマックスにあたるフェイク映像で行くか実映像で行くかとなる肝心な重要場面では、少し手抜き過ぎているんじゃないかと思うけど、
まあそれもいいかと認めてしまう、そんな中々面白い作品だった。

それにしても実際問題として不思議なのは、当時ソ連と宇宙飛行競争をしていたとしても、現在の段階で再度月面着陸して月の調査をしようとしないことの疑問。
勿論、莫大な国家予算が必要だとしても、あれから50年以上経った今では飛躍的に科学技術は進歩しているはずである。
それを行なおうとしないから、アポロ11号の月面着陸は、この作品を含めフェイク映像でどうのこうの、あれは嘘で、捏造されたと主張される所以だと思う。

これに関連して、映画『カプリコン・1』(ピーター・ハイアムズ監督、1977年)を思い出す。
有人火星探査宇宙船にまつわる話で、ロケットの打ち上げ寸前に故障が発覚。
関係当局は大掛かりなセットを組んで、人類初の火星着陸の中継映像を捏造するというもの。
随分と昔に観たが、あの作品は傑作で面白かったと今でも認識している。

 

コメント (2)
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