ジョン・カサヴェテス監督(1929年-1989年)の作品は、『グロリア』(1980年)に刺激されて、随分と以前にミニシアターでまとめて鑑賞している。
今では、題名と内容の記憶が噛み合わなくなっていて、それでも気になる映画監督の一人だから、いずれはある程度観直そうと思っている。
そんな訳で、今回ひとまず『アメリカの影』(1959年)を観てみた。
ニューヨークのマンハッタン。
20ドルを手にしたベニーは、仲間2人と連れだってバーに入り、ボックス席にいた女の子たちと飲む。
その後で、ベニーは兄のヒューがいるコーラスガールの練習場を訪ね、使ってしまった20ドルを借りる。
歌手のヒューは、経営者からコーラスガールの司会も頼まれるが、フライドが許さない。
が、金のためやむなくフィラデルフィアに行くことにする。
毎日ぶらついているベニーと仲間は、暇つぶしにメトロポリタン美術館へ行き彫刻をみたりする。
20歳の妹レリアは、作家志願の文学グループの仲間になっている。
レリアは、グループの知り合いのデビッドから、友人のトニーを紹介される・・・
レリアとトニーは一夜を共にする。
レリアにとっては初めての経験。
トニーはレリアを家に送って行きたいと言う。
レリアがトニーを連れて来た家では、ベニーと仲間がいたが出掛けて行き、その後しばらくしてヒューが帰ってくる。
ヒューとベニーとレリア。
三人には黒人の血が流れていて、ベニーとレリアは外見は白人と見分けがつかないが、兄のヒューは全くの黒人である。
そのヒューを見たトニーは、戸惑いを隠せない。
一般的な社会問題としてではなく、人は、人種的な問題を現実に目の当たりにした場合、どのような対応をするのか。
それをカサヴェテスは、深刻にならずにありのままにみせる。
それに加え、その都度の三人の兄弟の愛情による絆の深さは、見ていて癒しさえ覚えるほどの力強さがある。
この作品のすごいのは、このような問題をサラリと提示しながら、セリフは一切当事者のアドリブ。
それを、ドキュメンタリー・タッチで映し撮る。
そのモノクロのマンハッタンの陰影ある情景に、チャールズ・ミンガスによるジャズをかぶせる。
これが俳優であるカサヴェテスの初監督作品とは、本当に恐れ入るほど驚く。
やはり才能ある監督は、出だしの作品からひと味違うとつくづく感じた所以である。
今では、題名と内容の記憶が噛み合わなくなっていて、それでも気になる映画監督の一人だから、いずれはある程度観直そうと思っている。
そんな訳で、今回ひとまず『アメリカの影』(1959年)を観てみた。
ニューヨークのマンハッタン。
20ドルを手にしたベニーは、仲間2人と連れだってバーに入り、ボックス席にいた女の子たちと飲む。
その後で、ベニーは兄のヒューがいるコーラスガールの練習場を訪ね、使ってしまった20ドルを借りる。
歌手のヒューは、経営者からコーラスガールの司会も頼まれるが、フライドが許さない。
が、金のためやむなくフィラデルフィアに行くことにする。
毎日ぶらついているベニーと仲間は、暇つぶしにメトロポリタン美術館へ行き彫刻をみたりする。
20歳の妹レリアは、作家志願の文学グループの仲間になっている。
レリアは、グループの知り合いのデビッドから、友人のトニーを紹介される・・・
レリアとトニーは一夜を共にする。
レリアにとっては初めての経験。
トニーはレリアを家に送って行きたいと言う。
レリアがトニーを連れて来た家では、ベニーと仲間がいたが出掛けて行き、その後しばらくしてヒューが帰ってくる。
ヒューとベニーとレリア。
三人には黒人の血が流れていて、ベニーとレリアは外見は白人と見分けがつかないが、兄のヒューは全くの黒人である。
そのヒューを見たトニーは、戸惑いを隠せない。
一般的な社会問題としてではなく、人は、人種的な問題を現実に目の当たりにした場合、どのような対応をするのか。
それをカサヴェテスは、深刻にならずにありのままにみせる。
それに加え、その都度の三人の兄弟の愛情による絆の深さは、見ていて癒しさえ覚えるほどの力強さがある。
この作品のすごいのは、このような問題をサラリと提示しながら、セリフは一切当事者のアドリブ。
それを、ドキュメンタリー・タッチで映し撮る。
そのモノクロのマンハッタンの陰影ある情景に、チャールズ・ミンガスによるジャズをかぶせる。
これが俳優であるカサヴェテスの初監督作品とは、本当に恐れ入るほど驚く。
やはり才能ある監督は、出だしの作品からひと味違うとつくづく感じた所以である。