わたなべ動物病院の獣医さんブログin行橋

日々の思いをこごと、たわごと、ひとりごとに

本「わが愛しき動物たち」を読みなおして

2015年06月09日 | 日記
 わが愛しき動物たち(前上野動物園園長 中川 志郎)日本放送出版協会 あとがきより抜粋 
 お嬢さんが生まれたときには出産に立ち会って、ご自分でわが子をとりあげたんでしたね やはり それも太古の姿にもどろうということで?
 たまたまそうなっただけなんですけどね。女房が早産で、明け方の二時ごろに破水してしまったんです。通っていた産院まで行くことができなくて 近くにある顔見知りの医院に担ぎこんだわけです。深夜なので看護婦さんもいないからできないって言われたんですが、もう生まれかかっているのだからと頼み込んだ。
 陣痛の叫び声を聞き、わが子を取り上げたわけですが、これはほんとうに動物的というか、貴重な体験でした。普通は、生まれたばかりの赤ちゃんといっても、産湯につけてきれいに洗った状態で対面しますけど、本当の生れたてっていうのは、まだ体じゅう脂(あぶら)にまみれているような状態なわけです。皮膚がベタっとはりつくような感触は、いまも手に残ってます。
 始めは、以外に「暖かくないな、生きてるのかな?」なんて、わりあい職業的に観察したりしてました。でも、突然に「オギャー」と泣き出して、それを聞いたときに、「ああ、新しい命が生まれたんだ」っていう感動がわき上がってきました。太古の人々もこんなふうだったんだろうなっていう。
 手の感触で記憶しているわが子っていうんですかね。 娘のほうも、「お父さんの手をさわっていると安心できる」なんて、小学校のころの作文に書いてました。そのときは、自分がうまれたときのことなんて知らないんです。体が親を記憶してるんですかね。
 動物園でもいろいろな動物の出産シーンに立ち会っているんですが、みな、感動的です。でも、わが子の場合には、それ以上のものがありましたね。子を生むとはどういうことなのか、この時しみじみわかったような気がします。
 これよりは部分的に抜粋してます。前後で多少文意が異なるかも知れませんが。 
 環境教育をなんとかしなければいけない。 いまの環境をなんとか守もらなければ二十一世紀の人間は危ないという考え方があります。 要するに人間も生物だから、よい環境の中でしか生活できない。 だから、環境を守ろうというのが、一般的に言われている環境問題ですね。
一万年くらい前から人が動物を飼育する、ある植物を選んで栽培するということを始めた。それは、人間が自然生態系からはずれ別の人間生態系みたいなものをつくる素地をつくりました。
 最初のころは、世界には人間の知らない巨大な動物がいて、人間はいつもそれに恐れおののく時代が、野生の世界に入っていけばいくほどあった。人間が自然の世界にどんどん侵略者として入って行きながら、いつも巨大な動物や病気、いろいろなものが立ちはだかっていたわけです。
(抜粋)
 猛獣をおりに閉じ込めて飼うという行動は動物に勝ったという優位性を勝ち取ったが、今はそうではない。 猛獣をおりに閉じ込めてかわいそうだという時代に変わってきた。人と動物の関係が変わってきた
 人間生活が自然から隔絶されればされるほど、自然希求が心の底で強まってくる。人間というものは自然を離れて生きられない動物だ、というのがどうしてもあるわけです。
(抜粋)
 人間の心から自然がうしなわれて、人間がロボット化する。

たくさん参考になることが書いてますが、書ききれなくて......

 平成3年 25年まえに書かれた本です。今の世の中にあてはまり、なるほど とおもいながら、読み直してます。
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