原野の言霊

風が流れて木の葉が囁く。鳥たちが囀り虫が羽音を揺らす。そのすべてが言葉となって届く。本当の原野はそんなところだ。

今年は重連で!SL冬の湿原号

2011年02月04日 08時56分12秒 | 地域/北海道
1月22日を皮切りに、釧路から標茶(最初の2日間のみ川湯まで延長)まで、冬の湿原号が走っている。釧路湿原の冬の風物詩としてすっかり定着したと言える。今年で11年目。昨年までの累計乗車人数が18万8400人。2009年が1万2900人で、2010年は1万3600人であった。同じ人数が乗車したとしても、今年中に累計で20万人を突破することは確実。SL人気が年々高まるようでうれしい。いかにも昭和的でアナログの代表みたいな蒸気機関車の走る姿に惹かれるのは、現代の世相と反比例するもを感じるからなのかもしれない。

今年は重連運転が増えたと聞いて、絶対これだけは写真にしたいと狙った。増えたと言っても2月中に2日間しか走らない。しかもターンテーブルがない現代では、往復のうちどちらかは機関車は逆向きとなる。結局、1日にワンチャンスしかない。貴重なその瞬間をタンチョウを入れて取りたいと欲張って見た。結果はご覧の通り。やはりあまりうまくいかなかった。SLの地響きを立てるような迫力には程遠い。やはりタンチョウまで欲張ったのは失敗であった。今年のチャンスは残る2月28日のみ。しかも逆向きを避けるとすると復路のワンチャンスしかない。今度は狙い通りの重連を写したいと願っている。

(初日の1月22日の撮影。細岡周辺にて)

それにしても、最近は女性の「鉄ちゃん」が増えている。鉄子とでもいうのだろうか。待機していると、女性の声や姿がいかにも多く感じる。鉄道マニアと言えば「男の子」と言うイメージが消えていくようだ。これは女性の男性化なのだろうか。それとも男がだらしなくなった反動なのか。草食系と呼ばれる男性が増えたせいなのだろうか。寒さの中でSLを待っている間、いろいろ考えてしまった。きっと良いことなんだろうと思うようにしている。なにしろ、当方だってニワカ鉄ちゃん。昔はまったく興味がなかった。きっと、デジタル万能の現代のなかで、いかにもアナログ的で無骨、スマートさのかけらもなく、ただ迫力満点のその走りが新鮮に感じるからなのだろう。たんなるレトロブームの中にあるのではないように思う。
迫力の割にスピードが遅いなんて、昭和の古い男たちそのもの(たしか去年も同じこと言っていたな)。モボとかモガと呼ばれた世代や団塊の世代、無感動の世代たちとも明らかに違う。今はそんな人間が求められている時代なのかもしれない。

(茅沼に停車中)

ちなみに先頭を走っていたのがC11171。二台目がC11207。いずれも戦前生まれ、私よりはるか先輩でもある。彼らはずっと昔と同じように走っている。途中、役目を終えて10年ほど休養をとった時期もあったが。

*SL冬の湿原号は2月25日までの毎日。3月1日から3月6日までの毎日。釧路発11:09―標茶着12:24、標茶発13:52―釧路着15:10
*乗車券1,040円(釧路―標茶)+800円(指定券)。全車指定席。

*過去ブログ:2009/01/27、2010/01/26も参照。(写真が消えたのもあります)

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2 コメント

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今年もいよいよ、ですね。 (numapy)
2011-02-04 11:26:11
SLと呼ぶようになったのはいつ頃からでしょうか?
子供時代は蒸気機関車とか汽車と呼んでました。
千曲川をはさんだ対岸に信越線が走っており、
そこではデゴイチとかデゴゼロが引っ張ってました。
スイッチバックの駅が3駅あって、楽しかった。
今年はぜひ300mmのレンズを試したい!
やはり茅沼辺りですかね。挑戦してみよう!
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いつからなのでしょうね。 (原野人)
2011-02-04 13:50:12
Steam Locomotiveを訳せばそのまま蒸気機関車ですから、昔からマニアはそう呼んでいたのかも。
そういえば中国では汽車は車のことで、機関車は火車と呼んでいた記憶があります。こんなことも影響しているかもしれません。
撮影場所はいろいろあります。タンチョウを入れるとしたら茅沼です。しかしちょっと上から撮影する方がベストと思います。足に自信があれば、山の上でいい場所があります。塘路の近くですが。ただ雪が降ると行く着くのが大変です。
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