29 日米関係 -229- Ⅻ 安保改定(1960)3/3
■まとめと考察 2/2
※日本の現代史(=戦後)は、《現在の状況を形作っている(表面的な)諸要素に、最も影響を与えている》という意味で、それ以前の歴史の知識より重要だろう。したがって、《どこまでが義務教育における〝必須知識”であるべきか?》という問題は、より難しく感じられる。
1 「改定の目的(日本)・結果」についての描き方
●「日米関係の強化」および「旧条約よりも、〝共同防衛”の点で対等化した」ということをどちらも描いている。→ 〇 自由社、教育出版、日本文教、清水書院、学び舎。
●「対等化」について描いていない。 → ✖ 帝国書院。
●「対等化」は描いているが、その具体的な内容である「共同防衛」を描いていない。 → △ 育鵬社、東京書籍。
※改定の最大要素は「対等化」だろう。民主主義国家に棲む現在の日本人はみんな、「日米軍事同盟の双務性」について知っていなくてはならない。
2 「反対運動(安保闘争)」の描き方
●反対運動についての史実を、中立的に(偏向なく)描いている。 → 〇 育鵬社、東京書籍。
●「政府・与党」が、《「議会制民主主義」に違反した》かのような印象を与えようとしている。 → ✖ 教育出版、清水書院、学び舎。
※当時の反対者たちの〝まちがった言い分” をそのまま描いているが、中学生はそれが「まちがった言い分」であることは分からないだろう。
●「強行採決」という、学問的ではない、反対者たちが使ったプロパガンダ的用語を使っている。 → 6社:自由社、帝国書院、教育出版、日本文教、清水書院、学び舎。
※「強行採決」の意味合いは時代により多義的であり、かつ、マイナスイメージの用語。ほとんどの中学生が、「非議会制民主主義的な採決だった」と誤解するだろう。
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■「沖縄・米軍基地問題・尖閣諸島」 → 133・134・135・136・尖閣諸島問題137・138・139・/140
■「冷戦:70年代~終結1991」 → 400・401・402・403・404・405・406・407・408・409・410・411・412・413
■「核兵器・原子力」 → 414・415・416・417・418・419・420・421・/ⅱ 422・423・424・425・426・427・428・429・430・/ⅲ 431・432・433・434・435
~次回から、「XⅢ 高度経済成長後の日米関係(※経済中心)」~
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《著者:松永正紀 教育評論家 /h22年度 唐津市・玄海町:小中学校校長会長》※記事の不備等に関するお願い…《ブログ「やおよろずの神々の棲む国で」の記事》が原典。他に2つのサイトに同時に投稿中。不備等の後日修正は原典のみで実施中ですが、事情により原典ブログではコメント機能を止めています。ブログの内容に疑問がある場合は、投稿中の2つのサイト<AまたはB >へのコメントで教えてください。