やおよろずの神々の棲む国でⅡ

〝世界に貢献する誇りある日本″の実現を願いつつ、生きること、ことば、子育て、政治・経済などについて考えつづけます。

【中学歴史教科書8社を比べる】705 後書き -2- なぜ 「恐るべき数字」なのか?

2019年03月17日 | 中学歴史教科書8社を比べる(h28-令和2年度使用)

■後書き -2- なぜ 「恐るべき数字」なのか?

 なぜなら、各131観点での評価の意味は、「中学校教科書として適切ではない=失格」だからです。

 平成31年3月末に出版・販売を始める、紙版「第4回報告書(最終)」の「調査報告書の見方」には、次のように書いています。 

ⅳ 評価と考察について
 評価基準の基本観点
 ① 学問的に公正・公平な記述・表現がなされているか。
 ② 近未来に生きる日本国民として知っておくべき、重要な歴史知識を記載しているか。 

 〇×△の基準と評価点
 上記①②の基本観点を両方とも満たしている場合・・・・・・・・・・+1点
× ①②の片方、あるいは両方の基準を満たしていない場合・・・・・・・-2点
△    〇と×の間にある内容。不適切だが致命的ではないと思われる場合・・―1点 

 評価結果についての説明
 原則として、表中の小項目ごとに×と△の理由を説明し、該当する会社名を挙げている。

 

 つまり、《✖がついている小項目(※各観点内に複数ある)は、「学問的に、公正・公平とは言えない」か、または、「重要な史実を書いていない」か、または、その両方だからです。

 「総合評価」は、131観点内の複数の小項目の評価を総合して、各観点ごとに行っています。なんと、全8社のうち6社(東京書籍、帝国書院、教育出版、日本文教、清水書院、学び舎)は、✖評価が60以上もあるのです。おおよそ半分も…

・✖の数(131観点で) 育鵬社9 自由社17 東京書籍62 帝国書院66 教育出版64 日本文教75 清水書院61 学び舎86

 

※1 比較のために採り上げている33項目(131観点)は、《各社の内容にかなりの違がみられる事項》であり、教科書内容の項目ではないので、ご留意を。

※2 以上の結果を受けて、以後、上記6社の中学歴史教科書を「不適切教科書」と呼ぶことにします。

 

~次回3は、教科書全体のうち、どの部分に「かなりの違い」があるか?(=どの部分が「おおむね同じ」なのか?)について、調べます。~

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《著者:松永正紀  教育評論家 /h22年度 唐津市・玄海町:小中学校校長会長》 

※原典ブログの”コメント復活”を、3/21に予定しています。