やおよろずの神々の棲む国でⅡ

〝世界に貢献する誇りある日本″の実現を願いつつ、生きること、ことば、子育て、政治・経済などについて考えつづけます。

【中学歴史教科書8社を比べる】136 ⒂ 「琉球・沖縄」の描き方のちがい <その36 ⑥日本復帰から現在まで5:まとめと考察⑵>

2017年03月31日 | 中学歴史教科書8社を比べる(h28-令和2年度使用)

ⅲ まとめと考察 2/2

 ※まとめ表再掲

 

2 「非核三原則」の描き方

 

<ウィキペディア:日米核持ち込み問題 2017.3.29>より

・「1967年(昭和42年)に佐藤栄作内閣総理大臣が「核兵器を持たず、作らず、持ち込ませず」という非核三原則を打ち出し、衆議院において非核三原則を遵守する旨の国会決議が行われた。「日本に他国から核兵器を持ち込まさせない」ということで1974年(昭和49年)に提唱者の佐藤栄作がノーベル平和賞を受賞した。」

 

 しかし、日本復帰後の沖縄では「持ち込ませず」は守られなかった。

 日本が現代世界を生き抜くために、《核兵器(大量破壊兵器=戦争抑止力をもつ兵器)についての知識》は必須知識の一つ。つまり、民主主義体制下の日本国民は知っておかねばならないこと。

 したがって、「非核3原則」のことや、「沖縄の核密約」について言及しないのは →△ 育鵬社、清水書院。

 

 

3 「米軍基地・米兵」の描き方 

 

 ⑴ 日本にとって、在日米軍(基地)はどんな存在なのか?

 ① 米国のアジア・太平洋覇権のための軍事力

 ② 日本の防衛力・軍事的抑止力

 

<ウィキペディア:在日米軍 2017.3.29>より

・「在日米軍は、在日アメリカ軍、または条約などでは日本国における合衆国軍隊ともいい、日米安全保障条約第6条により日本国内に駐留するアメリカ軍の総称である。陸軍・海軍・空軍・海兵隊・沿岸警備隊の合衆国五軍全てが展開している。指揮系統としては、アメリカ太平洋軍の傘下にある。

なお、日本には、横田飛行場に常駐している4人の国連軍駐日武官、係争中の領土(竹島、北方領土等)を除き、米軍以外に駐留する外国軍は存在しない。・・・

アメリカ合衆国海軍が使用する横須賀海軍施設(第七艦隊空母ロナルド・レーガン母港)、厚木航空施設(空母艦載機本拠)をはじめ、空軍・沿岸警備隊が使用する横田基地(在日米軍司令部・国連軍後方司令部が所在)、空軍嘉手納基地、海兵隊岩国基地、陸軍キャンプ座間、トリイステーションなど、ロシア連邦・中華人民共和国・中華民国・朝鮮民主主義人民共和国・大韓民国・フィリピン・ベトナム社会主義共和国にも近い関係上、東アジア・東南アジア・東シナ海・南シナ海・太平洋方面の要所であり、アジア有事の際には最重要拠点としての役割も持っている

2010年現在の展開兵力は、日本を母港とする第七艦隊艦船乗組員を含めて総計約5万人で、在韓米軍のほぼ倍の勢力である。」

 

・「日本国の安全保障問題 アメリカ軍基地が日本国内から無くなると、アメリカ軍による中華人民共和国や北朝鮮に対する軍事的抑止力が落ちる可能性も考えられる。また中華人民共和国の領土侵犯や内政干渉が激しくなる可能性があるとも指摘されており潜在的問題は多い。」

 

 もしも、日本が戦後軍事力を持たず(=憲法9条2項を極端に狭く解釈する場合)、かつ、在日米軍が日本におらず安保条約もなかったとしたら、今の日本はあるだろうか? 

 おそらく、アメリカ合衆国、ソビエト連邦(ロシア)、大韓民国(※現実に日本が軍隊:自衛隊をもたなかった1952年に竹島を占領し強奪=侵略した)、中華人民共和国、中華民国(現:台湾)などに分割統治されているだろう。

 したがって、日本の義務教育の歴史教科書は、上記②の米軍の存在理由を書くのが当然だ。(※全社がここではそのことを書いていないが、後に別項(「安保条約」など)で比べる。)

 ただし、沖縄の米軍および日本自衛隊の負の側面・要素だけを強調して書くのは完全に異常 →× 日本文教、清水書院、学び舎。

 東京書籍、帝国書院、教育出版は強調しているとまでは言えず →△

 また、米軍駐留が尖閣諸島防衛のための抑止力になっているのは明らかなので、米軍の抑止力にまったく言及しないのは →△ 全社

 

 

 ⑵ 沖縄県民にとって在日米軍(基地)はどんな存在なのか?

 

<参考 ウィキペディア:在日米軍2017.3.29 >より

・「2010年5月に、毎日新聞と琉球新報が、沖縄県民を対象に行ったアンケートによると、 海兵隊の駐留については、「必要ない」が71%で、「必要だ」は15%になった。 在日米軍専用施設の約74%が沖縄に集中していることに関しては、「整理縮小すべきだ」が50%、「撤去すべきだ」が41%だった。」

 

 このような県民世論に配慮して、例えば、《普天間基地の辺野古への移設》など、歴代自民党政権は少しづつだが《米軍基地の(面積と危険性の)縮小》政策を実施している。

 ただし、「本土」の日本人は、《自分たちが、地獄のような沖縄戦の実感を持たず、かつ、(かつての敵国の)基地と兵士が日常にありふれている状況についての実感もほとんどもっていない》ということを自覚しておかねばならない。

 日本民族がお互いの共感をなくしたら、2000年ほど(実質的には15000年ほどだと私は感じているが…)の世界で最古の歴史を持つ日本国は、しだいに解体へ向かうのだから… 

 

 

4 「自衛隊」の描き方

 

 自衛隊の配置に言及しているのは4社・・・教育出版、日本文教、清水書院、学び舎。

 自衛隊の存在を、米軍と同一視し、かつ、《現在でも「不安」》という内容は明らかにまちがっている。→× 日本文教、清水書院。

 

<ウィキペディア:沖縄県 2017.3.29>より

・「自衛官への差別 

 職業差別として、自衛官に対する差別がある。
 本土復帰に伴い自衛隊が沖縄に配置されると、自衛官たちは人殺し呼ばわりされ、自衛隊員の子供は半年以上も学校に通うことが出来なかったほどである。
 また様々な行事から閉めだされた上に、参加が許可されても自衛隊を名乗ることを許されなかった。
 自治体は自衛官やその家族の住民登録を拒否し、ゴミの処理を受け付けなかった事例もあった。
 那覇ハーリーで自衛隊を名乗って参加することが許されたのは2001年のことであった。

 2017年3月9日には宮古島市の市議である石嶺香織が、自身のFacebookに「(アメリカ)海兵隊から訓練を受けた陸上自衛隊が宮古島に来たら、米軍が来なくても絶対に婦女暴行事件が起こる」などと投稿し炎上したため、「自衛隊全体を批判しているわけではない」と謝罪し「戦争のための軍隊という仕組みに対して(批判した)」などと言及したところ、再度炎上する事態となり、石嶺は2つの投稿をFacebookから削除した。

 宮古島市議会は「投稿は自衛隊員、米海兵隊員に対する職業的差別であり、断じて許すことができない暴言と言わざるを得ず、市議会の品位を著しく傷つけるものだ」などとして石嶺に対する辞職勧告決議(賛成20、反対3、欠席1)を可決した。
 石嶺は「私は議会が選んだ議員ではない」などとして辞職を拒否している。」

 

~次回、尖閣諸島問題 

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