ⅲ まとめと考察 2/2
2 「領有権問題」の描き方
◆重要なできごと
①中国(と台湾)による領有権の主張のはじまり
②中国による日本領海への侵入の常態化(および関連事象)
③日本政府による見解発表(=「領有権の問題は存在しない」)
・領有権問題についてまったく書いていない →× 清水書院、学び舎。
・①と②・・・育鵬社。
・①と③・・・東京書籍、帝国書院。←△(※②が欠落)
・①と②と③・・・自由社、教育出版、日本文教。
◆《②中国による日本領海への侵入の常態化(および関連事象)》は、国際関係としては異例で異常な状況。
多くの国は、国際的慣習にのっとり、《警告をはっきりと無視して意図的に侵犯した(し続ける)船や航空機》に対しては、武力威嚇や攻撃により「撃退」あるいは「撃沈・撃墜」している。
②の異常で危険な事態は2012年に始まり、次第にエスカレートし続けている状況であり、領有権問題を採り上げているのに、そのことを書かないのはおかしい。
<ウィキペディア:尖閣諸島 2017.4.2>より
・「2012年9月の日本政府による尖閣諸島国有化以降、中国の国家海洋局の監視船等の公船が尖閣諸島への領海侵犯を高頻度で繰り返しており、中国政府機関の航空機が領空侵犯も行っている。」
◆③の有無について
政府の公式見解として書いたほうがいいと思うが、「領土編入の経緯」がきちんと書いてあれば中学生は当然日本の領土であることを理解できるので、③が書いてなくても領有国を誤解することはないだろう。
~次回、「琉球・沖縄」の総まとめと考察~
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