■よい遊びを (9)
3 どんな遊びが良い遊びなのか/(3)「ヒト」や「社会」などが体験できる遊び/A.《映像や言語などによって作られた「擬似的」世界》そのものを楽しむ遊びについて
●2 テレビ(日本) ※これは「地上波の民間テレビ放送=民放」についての見解です。
テレビ放送が普及した50年ほど前からずっと世界中で言われてきたこと・・・「テレビは庶民の娯楽の王様」、口の悪い人は「貧乏人はテレビを観、金持ちは本物を観る」。
などと言われながらも、これまで、日本国民の半分ほどの人々の、現実・世界認識、嗜好(しこう)、思想・信条・価値観などにかなりの影響を及ぼしてきたようです。
また、多くの子供にとって、遊び(=娯楽)のなかのテレビの占める割合はまだまだ大きいようです。
しかし、結論から言えば、《子供のテレビ視聴(のほとんど)は良い遊びとは言えない》=《良い影響より、「不健全な」・「非現実的で異常な」影響を受ける可能性が高い》⇒《テレビはできるだけ見せない方がいい》と思います。
(※NHKの「子供への影響」については判断保留。民放とNHKではその特徴がかなり違い、同じように取り扱うわけにはいかないので、今回は「検討対象」から外してます。)
そこで、子供の成長にとっては好ましくない、あるいは悪い、と思われる理由についていくつか述べたいと思います。
・非現実的なフィクション(=アニメやドラマ)は、子供の現実認識をゆがめる可能性が高い。⇒現実への適切な判断力・適応力を弱める可能性大。
※《さまざまな現実体験によって創られた、安定した脳内世界》をもつ大人と比べると、子供の不安定な脳内世界への影響は大きいようです。
※ 子供がみる番組で多いのがこの「非現実的なフィクション」。(大人も?)
※ ほとんどのアニメやドラマが非現実的、つまり、リアリティが少ない。
・「バラエティ番組」などに出てくる人間の多くが、「普通の日本人」ではない。
※これも「現実認識」の問題。
異論のある方もいらっしゃるでしょうが、このごろ、私たちの周りにはほとんどいないような(異様な)人間があまりにも多いと思いませんか?
大人は「おもしろがっている」だけですむかもしれませんが、子供のなかには、真似する子はけっこういて、「尊敬」する子までいたりしますが…
・(日本の?)テレビ局は、子供番組でさえ、利潤追求、つまり《視聴率を上げる⇒CMを高く売る》ことが最優先の目的となっている。
※ だから、「おもしろさ」「目を奪う新奇性、意外性」などを過度に追究する内容になっている。
・「情報」を受け取るだけの、「一方的コミュニケーション」しかない。
実はこの状況は「コミュニケーション」とは言えないのですが、これが(NHKも含んだ)テレビ放送の最大の欠点です。
例えば、テレビ漬けで育てられた場合、相手との会話が普通にできなかったり、とんちんかんな反応しかできなかったりする子供になる可能性がとても高いのです。
「人の持つ言葉」は「現実」との対応がなければ「現実に対応できる意味」を持てません。子供時代にその生きた言葉を持つためには、《「現実」を目の前にして、「現実と対応した言葉を持つ人」とのコミュニケーションによって学んでいく》必要があるのです。
実際、3歳になっても他の人がそばにいても《CMを歌ってばかりでなんの交流もできない子》がいました。
また、厳密な調査をしたわけではなく、簡単な調査と経験的印象によるのですが、小学生の傾向として、《テレビの視聴時間が長い子ほど、「落ち着かない」「集中力が弱い」傾向があった》ように思います。
ですから、テレビ番組はできるだけ見せない方がいいと思います。
ただし、いろんな事情があって《完全に見せない》というわけにはいかない家庭が多いようですが、全国で広がっているPTAなどの「ノーテレビデー」などを利用するなどの工夫をしたらいかがでしょう。なお、幼時の場合は、親の決意しだいでしょうから…
(※ちなみに我が子の場合、小学4年生までは、《週に5つの30分番組》しか見せませんでした。それ以外の時は「一家に一台のテレビ」を消していました。)
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