29 日米関係 -69-
ⅸ 大東亜(太平洋)戦争直前の状況 1930~1941 -9-
※この10年ほどのできごとはすべて関連しているので、かなり長くなるがまとめて調べる。なお、その間の「日中・日朝関係」については調査・報告済なのでここでは省く。
→ <23 日中関係Ⅱ(WWⅠ~1945)313~> <17 日朝関係(戦前) 152~181 >
■まとめと考察 1/nの2
1 「ロンドン軍縮会議」の描き方
教育出版を除いた各社が各様の表現をしている。②に関わる「日本国内の状況」ついては、この記事の部分では教育出版・清水書院・学び舎は言及していないが他のところでは言及している。《このころの国内の状況》というのは「日米関係」にとっても重要な要素なので、その描き方については、あとで独立項目として比較調査を行う。
2 「ヨーロッパの全体主義」の描き方
●欧州列強の状況について、ドイツのことしか描いていない。 → × 学び舎。
※これでは、当時の歴史的状況がほとんど理解できない。
●当時最大の「全体主義国家」であったソ連について描いていない。 → △ 東京書籍、帝国書院、教育出版、日本文教。
※ソ連(ソビエト連邦)は、その成立(1922)から崩壊(1991)まで、「世界共産主義革命」をめざしてうごめき続けた「列強:大国」であり、アメリカ合衆国とともに、その間の「国際政治史・外交史」の2極の片方だった。 (いまだに、その”文明的後継者”である「中共」と「プーチンロシア」が、世界中をお騒がせしている。)
●第二次世界大戦の「対立の構造(構図)」についての説明が、まちがっている。 → × 帝国書院。
※WWⅡの世界の対立構造は、単純ではない。
①「経済的対立」・・・「経済ブロック」の形成にともなう、複雑な利害関係の対立。
②「政治的対立」・・・どの国(あるいは、どのブループ)が、世界(人類)や地域の覇権を獲得するか、という対立。
③「文明史的対立」・・・文明・文化のちがいによる対立や、「人種」や民族のちがいによる対立。 例えば、アメリカ合衆国と大日本帝国の対立に関して、《「白人キリスト教国家(民族)による”人種差別”」の要素・要因》も、かなりの比重を占めているのではないだろうか。
当時の米日対立については、①②③すべての要素を含んでいたのはまちがいないと思う。
このようにみると、《「自由・民主主義」対「独・伊・日のファシズム」という「対立構造」の主張》は、(当時の)アメリカ合衆国と、コミンテルンによる「プロパガンダ」、あるいは、「陰謀」としか思えませんが、あなたはどう思いますか?
いまや、「ファシズム」という言葉を(ためらいもなく、平気で、無限定に)使うことそのものが、学問的にも知的・教養的にも ”恥ずかしい” とまで言えるような状況ではないでしょうか?
~この状況は、最近、安倍総理について「独裁だ」とか「ヒトラー(と同じ)だ」などと言って非難・攻撃している、(おつむの不自由な)人々に感じる ”知的恥ずかしさ” に通じているようです。~
~次回、2/nの1~
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《著者:松永正紀 教育評論家 /h22年度 唐津市・玄海町:小中学校校長会長》
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