やおよろずの神々の棲む国でⅡ

〝世界に貢献する誇りある日本″の実現を願いつつ、生きること、ことば、子育て、政治・経済などについて考えつづけます。

【中学歴史教科書8社を比べる】95 ⒁ 「元寇(蒙古襲来)」の描き方のちがい <その5:「国書」>

2017年02月18日 | 中学歴史教科書8社を比べる(h28-令和2年度使用)

① 「国書」の描き方のちがい

■実物コピー ※元の皇帝の意図と訳文が、社によりかなり異なっている。

【育鵬社】

 

【自由社】

 

【東京書籍】

 

【帝国書院】

 

【教育出版】

 

【日本文教】

 

 

【清水書院】

 

【学び舎】

 

■①「国書」のまとめと考察 

 

1 索引語・頁数 

 有史以来、日本国は国土に外国軍の本格的な侵攻を受けたのは2回しかなく、「元寇(蒙古襲来)」はその1回目。
 これは国家存亡にかかわる重大事件。

 したがって、索引語にしないのは×。1頁以下の取り扱いは△。

 

2 国書の意図についての本文の表現

 育鵬社・自由社・東京書籍・帝国書院・教育出版は、「属国」「服属」「従え」「朝貢」と、同様の表現で史実と合致。
<ウィキペデア:元寇 「1268年(文永5年・至元5年)5月、クビライは使節団の帰還を待たずして「朕、宋(南宋)と日本とを討たんと欲するのみ」と日本征服の意思を表明し、高麗に戦艦1,000艘の造船を命じている。」> 

 一方、日本文教「国交」、学び舎「通交」、清水書院にいたっては蒙古皇帝の意図を書いていない。
 これはかぎりなく「ねつ造」に近い。

 もしかすると、3社の著者・編集部は、《中国亜大陸皇帝の意図を中学生に知られたくない》と考えているのだろうか?

 

 翻訳内容と表現 

 翻訳なのでその表現(翻訳意図など)が問われる。
 ウィキペデアの訳文を標準とすると、日本文教と東京書籍には問題あり。 

① 日本文教の「・・・仲よくしていこう」 

 「服属関係」のことを「仲が良い」とは決して言わない。これは(中共流の?)ねつ造としか思えないが…?

② 東京書籍の「(考えて)ほしい」は微妙。

 中学生は 「・・・ほしい」という表現を《お願い》や《対等な立場からの希望》と理解するかも…?

 

~次回、②「文永・弘安の役」の描き方のちがい~

<全リンク⇒> 元寇(蒙古襲来)<919293949596979899100(この項終り)

《著者:松永正紀  h22(2010)年度 唐津地区(佐賀県唐津市+東松浦郡)小中学校校長会長》