楽々雑記

「楽しむ」と書いて「らく」と読むように日々の雑事を記録します。

クラフトフェアの松本。

2008-05-29 23:30:00 | 散歩。
目が覚めると、起きるべき時間から大分経っていることに驚く。座席を指定した特急の発車時刻に間に合う時間ではない。念のため経路検索をしても間に合うための方法は、どこにも表示されないことがわかってがっかりしながらも、次の列車の自由席に並ぼうということで急いで支度を整える。前の日に早寝をしたのはどれだけの効果があったのだろうか、今更そんなことを言ってもしょうがないと思いつつ前の晩に準備をしておいた服を急いで身に付けて、朝食も摂らずに家の前に止まっていたタクシーに飛び乗った。
市ヶ谷の駅で電車を待っていると目の前を乗るべき特急列車が通り過ぎていく。追いかけるようにして黄色の総武緩行線は走るけれど、一駅一駅丁寧に止まっていく。当たり前のことだけれども、どうして代々木駅に止まるのか、とさえ思ってしまう。そうして到着した新宿駅で数本の線路を挟んで特急列車の姿を見えた時「もしかしたら」とサンダル履きであることを忘れて走り出した。転びながら発車寸前で何とか駆け込む。奇跡が起こったと勝手に思い込みながら指定した席に着くと、昨年と同じ座席であることに気付いた。南アルプスを見たいにも拘らず進行方向の右側、それも出入り口の横で人の出入りが気になる席、これも奇跡というべきだろうか。小淵沢を過ぎてから見える八ヶ岳に慰められながら意外と空いている車内を眺めて、食べ損ねてきた朝食のことを思う。どうして自分はこうも融通が利かないのだろうと思いながら、車内販売のコーヒーを飲んだ。
そうして辿り着いた一年ぶりの松本は晴天が現れた。昨年同様に駅前のレンタカー屋で自転車を借りてあがたの森へと向かう。気持ちの良い会場に様々なテントが並ぶ。勿論、好き嫌いはあるけれど不器用な自分のような者にとっては、どれも魅力的に映る。昨年どうにも気になったスペインで修行したというナイフの作り手が出品していなかったのが残念だったけれども、胡桃の木のカッティングボードに常滑の器、相方はアクセサリーを買って楽しそうだ。自分はといえば、出張に来ていたカウブックスで小野二郎の「運動としてのユートピア」を手に入れ上機嫌。結局、クラフトからは縁が遠いのだろうか。
怪しい雲行きを気にしながら松本の街を巡る。笊を買って、山菜を買い、久しぶりの開運堂で買いたかった白鳥の湖を探すが、すっかり売り切れている。店の方に尋ねると、どうにも人気のようだ。昨年はこのようなことがなかったけれども、これはミセスのせいなのか、それともクラフトフェアのせいか。
開運堂を後にして、帰りの列車に余裕を持って乗り込む。勿論、余裕があるのだから駅で買った二合の日本酒とつまみも一緒だ。少し遅れているようだけれども構うことはない。心地よく揺られて、目を覚ますと右手に新宿のビルの灯が見えた。

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