藤田雅史さん作の「サムシングオレンジ4」を読了しました。アルビレックスサポーターなら知らない人はいない、アルビレックス新潟のホームタウン・新潟の町を舞台に、恋愛、結婚、出会いと別れ……ピッチの外側に存在する“普通の人々”の人生を描いた、これまでにないタイプのサッカー小説短篇集。アルビのサポーターマガジン「ラランジャアズール」に連載されていた、サッカーを愛するすべてのサポーターが楽しめるアルビ本です。
このシリーズ、今まではブログ本館の「週末はアルビレックス!」でもこの別館「タケ・タケ・エヴリバディ」でも何度か取り上げてきましたね。
そして、こちらが今回読了した第4巻です。先週末のホーム開幕戦で買ってきました。
第4巻では、昇格の悲願を達成したアルビがついに再びJ1の舞台へ! 2023年のビッグスワンやアウェイのスタジアムを舞台に、再会、片想い、親子の絆、社内恋愛、夫婦愛などなど、13の人間ドラマが綴られています。
どの短編も2023シーズンのアルビのゲームと同時進行しているので、読み手のボクらも感情移入しやすいです。親子の絆を描く「春に会いましょう」はホーム札幌戦、失恋をテーマにした「オレンジ・メディスン」は涼太郎がハットトリックを決めたホーム福岡戦、ほろ苦い社内恋愛を描いた「レジェンドはいなくても」はホーム神戸戦、父と子の絆と親子のあり方がテーマの「彼女のゴール」はアウェイ京都戦…ってな具合です。
ボクも観戦したアルビのゲームを舞台に描かれている短編小説ですので、読みながら「そうそうあのゲーム、そうだったよね」とか「あのゲームの傍でこんな人間ドラマがあったのか(もちろんフィクションだけど)」とか、小説の世界観に浸りながらまるで自分自身も登場人物のすぐ側にいるような気持ちになりました。楽しいですよね。こんな気持ちになれる小説って初めてです。さすが『サッカー本大賞2022』優秀作品に選出され、読者賞を受賞したシリーズ本です。
アルビレックスサポーターなら、楽しめること間違いなしです。「ラランジャアズール」は休刊中だけど、「サムシングオレンジ」だけでもどこかで読み続けたいな…とボクは願望しております。