小川糸さんの「育てて、紡ぐ。暮らしの根っこ〜日々の習慣と愛用品〜(扶桑社)」を読了しました。これまでに作家・小川糸さんの小説はそれほど読んだことがあったわけではなく、数年前にNHKでドラマになった「ライオンのおやつ」を見て興味をもって原作を読んだのがボクにとって最初でした。あとは「とわの庭」と「ツバキ文具店」を読み、他は映画の予告で「食堂かたつむり」(柴咲コウでしたよね?結局映画は見ませんでした)をちょっと見たくらいです。
彼女の書く小説は、何気ない日常のなかのドラマを繊細かつ穏やかにあたたかく描いていて、それが読み手のボクらの目に浮かぶような描写力がある…というイメージです。
この本はそんな小川糸さんが、ものの選び方や時間の過ごし方、家事や仕事のルールなど、暮らしに対する考え方や日々の習慣、愛用品などを写真入りでたっぷり紹介するエッセイ集です。毎日を自分らしく、楽しく過ごすヒントがつまった1冊です。
長く使えて、良質で好きだと思えるものに囲まれて生活する。理想の暮らしですね。ドイツでのSDGsな生活にも憧れます。それにしても作者の小川糸さん。ボクよりも15歳も若くいらっしゃるのに、人間的に十分成熟した思考をし、それを実践されていることに敬意を評します。すごいなぁ。それに引きかえボクはまだまだダメです。年はとっていても思考が未熟です。
だけど本の中にはボクにもできそうなことがいくつか紹介されていましたので、ちょっとマネしてみようかな?とも思っています。気軽に読めて、「うんうん、なるほどねぇ…」「あぁそういうの、いいね」って思える場面が多く、なかなか面白いエッセイ集でした。小川さんの生活に密着した写真が多いのもよかったです。