山の記憶 再び

「静岡のK」 山歩きの記録




コッフェル393 常念岳~蝶ヶ岳  2日目・縦走編

2010-09-25 | Weblog
2010.9.18(土)

混雑を避けるため、3連休前の金曜日に泊まった常念小屋。予想通り、と言うか、予想を遥かに超えて、空いていた。
定員12人の部屋に3人で寝た。

02:00頃、気になって外に出ると願ってもない満天の星。穂先の肩には槍ヶ岳山荘の明かりが温そうに、ほのかに輝いていた。
03:30、目を覚ましてゴソゴソやっているS君を外に連れ出した。
S君が初めて目にした北アルプスの稜線から見上げる大銀河の星星。S君、感嘆の声をあげていた。
その後身づくろいを始め、04:00に小屋を出発、ヘッドランプで岩場の目印を慎重に確認しながら常念岳山頂を目指した。

冒頭写真は、常念岳山頂から望む、日の出直後の日差しに染まる槍ヶ岳。左には影常念。














小屋を出発して約1時間、到着した山頂では今年の猛暑を忘れさせる寒さに見舞われた。
特に指先がかじかんだ。フリースを重ね着し、汗ばんだ手袋を乾いた手袋に替えた。
写真は日の出前、かじかんだ指でシャッターを押した雲海の彼方に浮かぶ富士山。












05:30、雲海の向こうに朝日が顔を出した。











横に流れる雲が、太陽を上下に二分、周囲の赤みが増した。











この日最初の日差しが槍の穂先を染める。












モルゲンロートに輝く穂高。











朝日を浴びる常念山頂を独占して満足気なS君。
登頂して約1時間山頂にいたが、他に1人も上がって来なかった。こんなに静かで美しい常念山頂は初めてだ・・・

と思っていたら、突然「キャー!」という女性の悲鳴。
「何があったんだろう!ひょっとして滑落か!」とS君と周りを探ったら、S君「サルの大群だ!」と峻険な断崖を指差した。
見れば数匹の大小のサルが岩場に取り付いており、時折「キャー、ギャー!」と女性の悲鳴に似た甲高い叫び声を発した。
3000m近い高所でサルを見たのは大天上岳で見た単独サル以来で、大群を見たのは初めてだ。
写真に撮ったが、ピンボケなので後刻出合ったサルの写真を後でアップする。











常念山頂を後にして蝶ヶ岳に続く稜線を下り始めた。











奥穂高岳、前穂高岳、両ピークをつなぐ吊尾根が近い。前穂北尾根が朝日を浴びてギザギザが鋭い。











槍、奥穂を結ぶ稜線。大キレットはガスに覆われている。











常念からの下りは、鎖場こそないものの険しい岩場の連続だ。











ガスが晴れ穂高連山がクッキリその姿を現した。











3本指に見える奇岩越しに槍を望む。槍~南岳を覆っていたガスが取れ始めていた。











日が高くなるに連れ槍・穂高連峰からガスがとれた。











槍をバックに記念撮影。
と、ここで再び「ギャー、キャー」と叫び声。











声の主はサル。目の前のハイマツ帯に山頂を上回る10匹ほどの集団がたむろしていた。











下ってきた常念岳から続く稜線。常念山頂には肉眼で人影を確認できた。











奇岩のテッペンで蚤取りをする親子ザル。











下りきった鞍部から蝶槍まで、しばらく展望のきかない樹林帯を行く。











稜線上の池。5年前、初めて訪れたときと同じように、多数のサンショウウオが静かに棲息していた。











樹林帯の長い登りを経て展望の利くピークに到着。前方に蝶槍を見上げる。これから一旦大きく下った後、蝶槍へ登り返す。











蝶槍へ向かうハイマツ帯で一気に展望が開けた。ガスがとれた、南岳と北穂高岳を結ぶ大キレット。











槍沢から天を突く穂先まで、槍ヶ岳の全貌が見える。











蝶槍山頂から望む常念岳。こちらから見ると、その山容は巨大なマンモスのようだ。












槍から奥穂まで、3000m峰7座が並ぶ。圧巻!












蝶槍から蝶ヶ岳へ。ハイマツに覆われた緩やかな稜線が続く。











振り返る蝶槍。背後に巨大な常念岳。











秋色越しに槍を望む。











ゆっくり休んだ蝶ヶ岳ヒュッテ。晴れてはいるのだが、槍・穂高の峰々は雲に包まれ見えなくなった。











下りでは、三股からの登山者多数とすれ違った。さすがに3連休初日。
写真はT-rexそっくりな枯れ木。ここまで下ると三股登山口は近い。











13:50、戻ってきた三股駐車場。満車で、林道の路肩にも多数の車が停まっていた。
この日、常念山頂、蝶ヶ岳ヒュッテでの大休憩を含め10時間近い行程となった。











土産を買うため、豊科IC近くの大王わさび農場に立ち寄った。
わさびとともに黒沢明監督の映画「夢」のロケで使われた水車小屋が人気。清流では観光客を乗せたボートが行き交っていた。写真は水車小屋横の広場から。

2 コメント

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一度は北アへも・・・ (賢パパ)
2010-09-25 20:17:34
こんばんは。

素晴らしい景色を堪能させて頂きました。

Kさんのカメラの腕があってこそのこの絶景かと思いますが、こんなに素晴らしい景色を自分の目で確かめたくなりますねぇ。

一度も行った事がないのでついつい敬遠してしまいますが、行ってみれば案外時間がかからないのかも知れませんね。

一度シミュレーションしてみることにします。
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是非お出かけください! (静岡のK)
2010-09-26 17:47:26
賢パパさんへ

今日は賢ママさんとどちらへ?アップが楽しみです。

今回私とS君が1泊2日で歩いたコース、賢パパさんのお友達Y-chan が、先月日帰りで歩いていました。
S君と「このコース、日帰りで歩けるものかな?」と話しながら歩きましたが、
結論は「俺たちには絶対ムリ!」でした。

健脚賢パパさんなら、きっとその日のうちに、草薙のご自宅に帰還されるだろうと思います。

今日は久し振りに青笹に行ってきました。
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