目指せ!ゼロウエイストな暮らし

モノを減らして、ゼロウエイスト。田舎でイラスト描いて暮らしています。

ミニコミ誌「草の根通信」が300号になった作家 松下竜一さん

2016年06月22日 | とてもえらい人
6月、浴室で喀血(かっけつ)した。入院したが、治らない。
その様子を「あの”いやな奴”がやってきた」という随筆で、翌月の「草の根通信」に
紹介している。
持病の「肺のうほうしょう」で8回目の入院。
死の恐怖もつづっているが、飼っている5匹の犬の散歩の心配をしたり、
医者から「喀血のベテラン」と言われたりしたことを描写し、ユーモアが漂う。

大分県中津市に住む。
1973年、近くの住民とともに九州電力豊前火力発電所の建設差し止めを求め、
提訴した。
「通信」はその運動の機関誌。


毎月発行し、先月で300号を迎えた。
何度か病床で点滴を受けながら編集した。1500の部数を保つ。

「死刑制度廃止」や「反原発」、ミャンマー、ベトナムのルポまで、内容は
大きく広がった。

だが、「時流に流されず正直に生きる人々の声に耳を傾けようという
編集方針は変わらない」
という。

「豆腐屋の四季」でデビュー。
ダム建設に反対して谷にこもった男を描いた「砦に拠る(とりでによる)」。
無政府主義者大杉栄と伊藤野枝の間に生まれた故伊藤ルイさんの半生をつづった
「ルイズー父に貰いし名は」。

信念を持ち続けた人間への「共感」を書いてきた。

随筆では、自分を「松下センセ」と表現する。
作家だから「先生」。ちょっとおもはゆいのでちゃかした。
年収は200万前後と「ビンボー暮らし」だ。

近所の川べりを妻と犬たちを連れて散歩するのが日課。
冬には、河口にやってくる渡り鳥にパンくずをまく。
「読者から『結構なご身分ですねえ』と言われちゃって」。
その読者たちは、「センセ」が金がなくても心豊かに暮らしているのを知っている。

来年は、全集「松下竜一その仕事」の刊行が始まる。





「通信」を書き続けることは、大変だ。
おそらく「好き」だけでは、続けられないだろうなあ、と思う。
信念とか使命とか、人それぞれ言い方はあるだろうけれども。
敬意をこめて、ファイルに入れていた。




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